第一次大戦終戦100周年、ロンドン塔で炎のインスタレーション「Beyond the Deepening Shadow」

今年も街で赤いポピーを見かける季節にになりました。
今月11日(日)のリメンバランス・デーももうすぐですね。

今年は特に、第一次大戦の終戦100周年ということもあり、各地でイベントが行われていますが、ロンドン塔では、「Beyond the Deepening Shadow(深まる影を越えて)」というインスタレーションが始まりました。

Beyond the Deepening Shadow

1万の炎で埋め尽くされたロンドン塔の堀

ロンドン塔といえば、第一次大戦開戦100年周年だった2014年には、陶芸家ポール・カミンズ氏と舞台デザイナーのトム・パイパー氏によるインスタレーション「Blood Swept Lands and Seas of Red(流血の大地と紅の海)」が設置され、戦没者と同じ数の88万8246本の陶器で作られた赤いポピーで埋め尽くされました。

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Poppy

2014年の第一次大戦開戦100年周年記念のインスタレーション

今回の「Beyond the Deepening Shadow」は、ロンドン塔の堀が1万の小さな炎で埋め尽くされ、戦争文学で知られるメアリー・ボーデンの詩から構成された合唱などのサウンドや、ヨーマン・ウォーダーズ(The Yeomen Warders)の影を壁に浮かび上がらせるライティング効果も含めた壮大なインスタレーションとなっています。

17時の開始とともに、少しずつ、ゆっくりと炎が増えていきます。

Beyond the Deepening Shadow

17時の開始間もなくはまだ炎が少ない

Beyond the Deepening Shadow

炎を灯す係の人たち

Beyond the Deepening Shadow

壁に浮かび上がる影

ヨーだー

ビーフィーターとして知られるヨーマン・ウォーダーズ

Beyond the Deepening Shadow

お堀を埋め尽くすたくさんの小さな炎

この幻想的で厳かな光景に、亡くなった兵士たちを思ってなのか、涙する人も見かけました。日本人には灯籠流しを思い起こさせるようで、鎮魂と平和への願いを新たにしました。

残念ながら、堀の下に降りて間近に炎を見ることのできるチケットはすでにソールド・アウトですが、堀の周りの歩道を歩いて眺めることはできますので、期間中にぜひ訪れてはいかがでしょうか。チケット売り場のある側から入場、こちらは無料です。

Beyond the Deepening Shadow: The Tower Remembers
#TowerRemembers
Tower of London
2018年11月4日(日)~11月11日(日)
17:00-21:00

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