Bloomsbury Solutions
Fri, 29 March 2024

英国で公開された宮崎駿のアニメ映画

風立ちぬ
ロンドン地下鉄駅構内に貼られた宮崎駿監督の「風立ちぬ」のポスター

Jiro seems rather disingenuous
主人公の描き方が不誠実

「タイムズ」紙 5月9日

宮崎駿の最後の作品となった「風立ちぬ」は、「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」といった同監督の名作を愛してきた人々にとっては、当惑またはもどかしさを感じさせる作品である。細部まで豊かに描き込まれたその絵は相変わらずの美しさだが、第二次大戦における戦闘機の設計者の伝記という主題は、彼のトレードマークとなっている理想主義的な空想には不向きなのだ。ゼロ戦とは、結局のところ神風特攻隊が使用した軍機である。主人公の二郎を、戦争の現実から浮遊させて描くのは不誠実だ。

Miyazaki is dealing with bereavement and death
宮崎監督は死と死別を描いている

「インディペンデント」紙 5月9日

我々は宮崎駿と言えば可愛らしい作品を思い浮かべるが、「風立ちぬ」は全く趣が異なり、高齢の観客層を対象としているようだ。本作品には、コンピューター・グラフィックの技術を使った近年のハリウッドによるアニメ映画にはない非凡な優美さと繊細さがある。宮崎監督は死と死別を描いているのだ。久石譲の愉快で悲しげな旋律が、生のはかなさを思い起こさせるこの物語を引き立てている。英国公開版は字幕と吹き替えの2種類が用意されているが、詩的なセリフを考慮すると、字幕版の方が確実にお勧めだ。

ほかにもこんな日本報道が…

きゃりぱみゅはラヴィーンを追いやる

「ガーディアン」紙 5月1日

4月末にロンドン公演を行った日本人ミュージシャンのきゃりーぱみゅぱみゅを「まるでおとぎ話の登場人物のよう」と評価。「その目まぐるしく変わる可愛らしさと過熱気味のエネルギーで、もうすぐカナダ人ミュージシャンのアヴリル・ラヴィーンを脇に追いやることになるだろう」と伝える。

日本の企業統治は一部の新興国以下

「エコノミスト」誌 5月3日

日本の企業統治を「一部の新興国よりも遅れている」と論じる。

第2のチェルノブイリの内部

「デーリー・メール」紙 5月8日

震災発生から3年が経過した福島県富岡町の様子を写した写真を掲載。「第2のチェルノブイリの内部」との見出しを掲げる。

非生産的なマスコット狩りから逃れたモッピー

「ガーディアン」紙 5月8日

45種類以上の宣伝マスコットが乱立する大阪府において、いずれのマスコットも認知度が芳しくないことから整理を行う予定と報道。今後はこの「マスコット狩り」の対象から逃れたゆるキャラ「モッピー」に一本化していく方針が出されたと伝える。

任天堂が同性愛に「ノー」

BBC Online News 5月8日

任天堂のゲーム・ソフト「トモダチコレクション」の欧米版「トモダチライフ」において、ゲーム上のキャラクターが同性愛関係を結べるようにしてほしいとのユーザーからの要望を任天堂が拒否したと報じる。

 

安倍首相の実像と近隣諸国との緊張関係

Mr Abe brings hope
安倍首相は希望を与えている

BBC Online News 4月23日

安倍首相は、一般の人々のことを気にかけながら非友好的な近隣諸国には立ち向かうという、日本の指導者ではあまり例がない人物として自身を提示してきた。経済の停滞や弱腰の首相ばかりが続いたことに不満を抱く多くの日本人に、首相は希望を与えているのである。影響力を持つ何人かの保守派に比べると慎重な姿勢を保つ一面がある一方で、彼の発言は過去への郷愁を喚起するように練られている。西洋の自由主義や個人主義に侵されていない純粋な日本という架空のイメージである「美しい国」への言及などがその一例だ。

Mr Abe is a pragmatic internationalist
安倍首相は実務的な国際主義者

「エコノミスト」紙 4月26日

理論的には、日本と韓国の間には多くの共通点がある。両国とも豊かな民主主義国家であり、困難な状況に置かれた地域における米国の同盟国である。しかしながら、安倍首相の靖国神社参拝や彼の政治的信念、そして極端に国家主義的な韓国の報道機関などが、親交関係の確立を妨げる要因になっている。だが首相は、個人的な信条を追求することが必ずしも日本の国益に沿うわけではないことを理解する実用的な国際主義者だ。首相が私的な感情よりも公的な立場を優先し続ける限りは、緊張緩和は進むかもしれない。

ほかにもこんな日本報道が…

不倫サイト運営者が見た日本

「デーリー・テレグラフ」紙 4月12日

カナダ発の不倫サイト「アシュレイ・マディソン」のCEOが、急激に会員数を拡大させている日本市場について「この地域はセックスと結婚を分けることにおいては完璧」と述べた発言を紹介する。

キャス・キッドソンを買収?

「サンデー・タイムズ」紙 4月13日

カジュアル衣料品店のユニクロを傘下に持つファーストリテイリング社が、英人気ブランド「キャス・キッドソン」の買収に向けての交渉を進めていると伝える。

復興にジミー・チュウが貢献

「ガーディアン」誌 4月18日

故ダイアナ元妃も愛用した靴ブランドのデザイナーであるジミー・チュウ氏が、震災からの復興に向けて福島の素材や技術を使った靴を製作したと報じる。

矛盾をはらむ「すしサミット」

「フィナンシャル・タイムズ」誌 4月24日

高級すし店で食事をしたため「すしサミット」と名付けられた日米首脳会談について解説。安倍首相が米国に対し、安全保障の再確認と日本の独立を強めるための許可を得ることを同時に進めたという意味で会談内容は矛盾をはらんでいると述べる。

日本食は「ウルトラ・ヘルシー」

「タイムズ」紙 4月25日

緑茶や生魚を始めとする日本食メニューを「ウルトラ・ヘルシー」であると紹介。また箸の使用が食事のスピードを遅らせる効果があるために日本人は大食いしにくいということも示唆した。一方、日本人男性の平均寿命は日本人女性ほど長くない傾向にあるが、「伝説的なまでの酒好きぶりと長時間勤務」を鑑みれば、男性も日本食の恩恵に授かっている可能性があると述べている。

 
<< 最初 < 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 > 最後 >>

  • Facebook

24時間365日、安心のサービス ロンドン医療センター お引越しはコヤナギワールドワイド Sakura Dental 日系に強い会計事務所 グリーンバック・アラン

Embassy 202403 JRpass

英国ニュースダイジェストを応援する

定期購読 寄付
ロンドン・レストランガイド
ブログ