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Fri, 04 October 2024
3 October 2024 vol.1660

スターマー首相、労働党大会で演説
批判の中、指導力アピール

9月24日、労働党の年次党大会で演説するキア・スターマー首相9月24日、労働党の年次党大会で演説するキア・スターマー首相

(ロンドン 9月24日 時事)スターマー首相は9月24日、中部リヴァプールで開催中の与党・労働党の年次党大会で演説した。7月の総選挙で労働党を圧勝に導き、14年ぶりに政権奪還を果たしたスターマー氏は、演説で改革推進を訴え指導力を改めてアピール。しかし、補助金を巡る政府の一部政策が批判を浴び、首相周辺に浮上した金銭問題も大会に影を落としている。

スターマー氏は、保守党前政権下での混乱から脱し、政治への信頼を取り戻すとした上で、総選挙時にも訴えた「国家の再生」に力を注ぐと改めて表明。物価高などが続くなか、「国民に必要とされる決断をしていくのは(与党としての)義務だ」と強調した。

政府は先に、年金生活者への冬季の暖房費補助について、財源不足を理由に大幅に削減する方針を打ち出した。これが世論の強い反発を呼び、大会では党の支持基盤である労組も削減撤回を求める動議を提出。政権発足から2カ月半で、早くも「亀裂」が表面化した。

スターマー氏ら党幹部個人にも、厳しい目が向けられている。今月半ば以降、同氏や周辺が衣類など多額の贈答品を支持者から受け取っていたことが次々と発覚。首相は大会を前に「今後、服飾費は受け取らない」と火消しを図ったものの、疑惑は深まる一方だ。

英紙「ガーディアン」(電子版)が同21日報じた政権の好感度を示す世論調査によると、首相の仕事ぶりを「評価する」との回答は24%で、7月の総選挙後の時点から45ポイントも低下。「評価しない」は50%に上った。「(国民との)ハネムーン(蜜月)期間の終わり」(同紙)とも重なった党大会は、政権奪還を祝うはずが、政権の先行きが厳しいことを印象付ける場となっている。

支持回復に向け、保守党大会が開幕

(ロンドン 9月30日 時事)最大野党・保守党の党大会が9月29日、バーミンガムで開幕する。10月2日までの大会では、選挙敗北の責任を取り辞任したスナク前首相(党首代行)の後継党首選びが最大の焦点。期間中にクレバリー前内相ら候補4人が登壇し、それぞれ政策や持論を披露して党員に支持を訴える。党首選には当初6人が立候補し、9月の議員投票で4人に絞り込まれた。大会後に改めて行われる議員投票で2人に減らし、10月末に締め切られる党員投票で新党首を選出。結果は11月2日に発表される。

 

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