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mar 22 mai 2012

思い切って美術館などに足を運んでも見どころがわからない。普段何気なく目にするあの建物とはいったいなに?このコーナーでは、芸術鑑賞が楽しくなってしまう豆情報をお届けします。 (texte par Yuko OZAWA)

ロイ・リキテンシュタイン
Roy Lichtenstein
Landscape no. 6, 1967
Photo © Courtesy Galerie Philippe Casini, Paris


マレ地区のアートギャラリー

マレ地区のアートギャラリーに行ってみよう
シーズン開幕を告げる展覧会を見る

最近のマレには流行を扱うモード系ブティックの進出が激しいが、1960年代から40年をかけたマレ復活劇の主役はやっぱり職人や若いクリエーター、そしてコンテンポラリーアートのギャラリーである。バカンスを終えて新年度を迎えた9月。アートギャラリーでは今 シーズンを飾る第1弾の展覧会が幕を開ける。開幕直前、少しだけのぞいてみた。

タシタ・ディーンの作品

タンプル通り79番地にあるマリアン・グッドマン。1620年に建設された由緒ある建物の中庭に面したギャラリーだ。秋一番に打ち出すのは、マチュー・バーニー やピエール・ユーグに続いて注目されるイギリス人作家タシタ・ディーン。さまざまな土地を旅行し、16mmフィルムの映像に記録する題材は、人間であったり自然であったり、展開の読めない事象だったり、一色では描けない人の心のようなものなど。今回紹介されるのは日本狂言界の最重鎮、人間国宝の茂山千作翁を映像にとらえた作品。単に対象を作品に取り込むのでは なく、自分がその対象の中に取り込まれるように作品が生み出される。ディーンの目は人間国宝をどのように媒介するのだろう。庭を挟んだ向い側のJGMギャラリーでは、中国人リー・ヨンビンの映像作品とモノトーンの精密な自画像が展示されている。

写真)Tacita Dean Human Treasure, 2006 Courtesy Galerie Marian Goodman, Paris/New York et Frith Street Gallery, Londres

サントンジュ通り19番地のアルミヌ・レッシュは2人の奇抜な若手作家で開幕だ。ドイツ人のグレゴール・ヒルドブラントは、自身が愛聴する1930~40年代のドイツ大衆音楽を作品にしてしまった。つまり、歌が録音されているカセットテープのテープの部分を横幅5メートルのキャンバスに貼付けて音をそこに封印しているのだ。作品名はもちろん、それぞれの歌の題名。イギリス人のベルナビ・オスキングの3点もまた凝っている。洞窟内部の絵を描くために、実際に体にロープを巻きつけて洞窟に入り込む。壁面から採取した色素を絵の具に混ぜ、懐中電灯のみを頼りにその場で制作をし、文字通り「洞窟絵画」が出来上がった。

ロイ・リキテンシュタイン

Equipo57
シャポン通り13番地のフィリップ・カッシーニでは ロイ・リキテンシュタインが1967年に制作した珍しいシリーズが展示されている。10枚の地平線は、写真とシルクスクリーンとカラービニールのコラージュ作品。顔よりひと回り大きい横位置キャンバスに統一され、両目で絵全体をとらえた後は、そのまま絵の世界に入り込んでいけばよい。

写真・上)Roy Lichtenstein, Landscape no. 9,1967 Photo © Courtesy Galerie Philippe Casini, Paris 
写真・下)Equipo 57 Banquettes, triangulaires, 1961 © Galerie Denise René

最後に、戦後フランスのアート界をリードした老舗画廊ドゥニーズ・ルネに立ち寄った。フランコ政権下のスペインを逃れてパリで知り合った5人の若者による活動Equipo57を今再び取り上げている。カラフルな色 を組み合わせた絵画作品は、一見すると抽象芸術ではあるが、実は緻密な数学的根拠で色やスペースの配分が決められている。27日のオープニングには、老齢に達した在りし日の若者がギャラリーにそろうそうだ。

パリ3区のギャラリー
Marian Goodman Gallery et JGM Galerie
79, rue du Temple
Galerie Almine Rech
19, rue de Saintonge
Galerie Philippe Casini
13, rue Chapon
Galerie Denise René
22, rue Charlot  / 営業時間:14:00~19:00 日月休
マレ地区のアートギャラリー
Equipo 5714世紀、シャルル5世がシテ島を離れてサン・ポールに居城を構えると王家や家臣がそれに続いた。教会も建築され、調度品や装飾品を作る職人たちが周囲にアトリエを構え、マレ地区は流行の街になった。18世紀には一時忘れられたが19世紀に盛り返し、近代化の波をくぐり抜けて街の歴史は保存され、今再び流行の街になった。

写真・右上)Equipo 57 PA 19, 1959
© Galerie Denise René, Paris
写真・右下)Equipo 57 Sans titre, 1961
© Galerie Denise René, Paris
 
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