パリから約200km北東に行ったピカルディー地方にある友人の家までドライブ。
古い家を修復したので披露したいという友人が、お昼にビュッフェを開くというので、それに間に合うように車を走らせます。
青空が広がる五月晴れの週末。緑いっぱいの田舎で澄んだ空気を吸おうとするパリジャンたちで、郊外に向かう高速道路は混みがちです。しかし、私たちの取ったルートA16は、観光地に向かう高速道路ではなかったので、渋滞もなく思ったよりもスムーズに進みます。
高速道路を降りると、強い風のために一面の麦畑が波立っています。この辺りは風力を利用した発電が盛んです。最近、フランスではこの風力発電機に注目が集まっており、この地域を手本に、イル・ド・フランス地域圏でも来年では100~200機、この高さ120mの発電機が設置されるそうです。

田舎の道では標識が見にくく、迷いながらも何とか到着。友人宅は、威風堂々と、立派なお城です。3年前、友人がこの家を購入した直後に訪れた時は廃虚のようだった住まいも、「何と立派に生まれ変わったではないか」と感心。この建物の基礎は14世紀にさかのぼります。

ランチのビュッフェは、14時過ぎの遅いスタート。到着した時にはアペリティフでした。田舎のランチはのんびりです。人々とも会話が弾み、日常を忘れるひととき。
実は、ランチ以上に楽しみにしていたことがあります。それは、ぼろぼろな壁、今にも崩れ落ちそうだったあの廃虚がどう改装されたか。
3年をかけて、それが見事に修復されています。壁については、2人の女性が生地を選ぶところから張るところまで丹念に作業をしてくれたそう。壁と同様の生地が張られているいすにも、統一された美を感じます。この日のビュッフェのためにサービス係まで引き受けてくれた彼女たち、この家にはなくてはならない存在です。

天井のペンキも奇麗に塗られ、調度品もぴかぴか。非の打ち所がない修復、さぞかし大変だっただろうなと想像しながら、お手洗いにあった扉を開けたところ、何と、城内の修復されていない部分へ通じてしまいました。好奇心の強い私は、こっそりのぞいてみます。
床に開いた大きな穴、自由に通り抜けるすき間風、雨漏りを受けるバケツの数々、これぞ修復前の姿! 今もまだ手が付けられていない部分があったのです。天井は木の合わせ目から日光が差し込んでいて、雨が降ったらどうなるのだろうと心配です。

建物の重要部分650㎡ほどは修復済みということですが、残りの工事には財政状況に応じてのんびり取りかかるとのこと。今後は、数部屋を宿泊施設としてまたは結婚式などイベントができるスペースとして貸すそうです。

城主であることをうらやましく思いながらも、お城を維持する苦労を考えると、2LDKのアパートでいいやと、諦めるしかない私たちでした。

城主のクリスチャン
Château XVIIIème de Yaucourt-Bussus
TEL: 03 22 27 83 96 /06 09 88 85 45
www.chateaudeyaucourt.fr








