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フランスニュースダイジェスト
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mar 22 mai 2012

セネガル出身の彫刻家

家族がバカンスへ行ってしまい、1人パリに残されアクセク働いている私。田舎に滞在している家族から毎日入る1日の終わりの電話は、「今日は皆で川下りをして…」とか「桑の実を摘みに行って…」とか、楽しそうなことの連続で、「う〜っ!」と私の感情を逆なでするようなもの。

聞き流すようにしていたのが、8月も終盤にきて、とうとう我慢できずに、「負けた」と思いながらも、2日だけ合流することに。フランス中に夏の太陽が戻ってきた日、TGVでアンジュー地方に旅立ちました。

家族と合流し、都会の生活を忘れるために田舎道をあてもなくドライブ。牧場に戯れる牛や馬たち、教会のある村の景色が次々と現れ、田舎生活って退屈じゃないのかしらかと思っていた矢先、意外な風景が目に飛び込んできました。

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17、18世紀に建てられたような屋敷の広い庭に、青や赤、黄色の原色オブジェ。車を止めて少し様子をうかがっていると、アフリカ人の家族と思われる数人が車に乗ってこちらに向かってきました。少し後退して通り過ぎるのを待っていると、われわれの前でぴたっと車を止め、その中から1人降りてきました。すると、開いた窓をのぞき込むように、ドキドキしている私に、どこから来たのか尋ねてきました。「パリからですが、でも日本人です」なんて慌てて答えると、彼は「日本かー! 大好きだ!」と大きなごつい手で握手をしてきて、外出しようとしていたところを引き返し、われわれを家に招いてくれました。

広い庭に植えてある木々にはしごが掛けてあり、作成中の作品を「好きに見ていいんだよ」と、大っぴらに見学させてくれます。ヤギや雄鶏も自由に散歩しています。

半端でない作品の数、その技術に、好奇心から名前をうかがいました。彼の名は、ウスマン・ゲイ。日本に5年も滞在したことがあり、日本でも大きな展覧会を開いたことのある彫刻家だったのです。

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彼は「この庭、箱根の彫刻の森美術館みたいにしたいんだよ」と言います。

更に屋敷へと通され、石の彫刻作品の数々を目にして思わず感嘆の声を上げました。

6歳で既に彫刻を始め、10歳の時には、展覧会に出す作品は賞を総なめにする程の神童だったようです。フランスのアカデミー会員で後のセネガル大統領となったレオポール・サンゴールが、彼の才能を見抜いてパトロンとなったというから驚きです。確かにただ者ではありませんでした。

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生い立ちからサンゴールとの出会い、更に政治まで、ざっくばらんに話してくれ、実に人懐こく、まるで以前からの知人だったようなその人格に、これまで世界中で多くの人に愛されてきたことがよく分かります。

最後には「またいらっしゃい」と家族皆で見送ってくれました。

ウスマン・ゲイは、次の展覧会を開くべく、現在は作品を制作しながら田舎でバカンスを楽しんでいるそう。パリの生活に疲れた時、彼のところを訪れたいな、と思わせる人物でした。

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