ついこの間まで30℃近くあった暑さがうそのように、急に秋が訪れたフランス。
この季節なると、紅葉で黄色く色付いた丘が連なるフランスの田舎を訪れたくなります。
そんなとき、この季節にぴったりのバスの旅があると聞き、参加しました。
10月8日(土)、JALファミリークラブ会員の中から抽選で当選した20名の方々と共に「秋のシャンパーニュ日帰りバスツアー」で豊穣 (ほうじょう) の地、シャンパーニュ地方へ。
ツアーは全てJALPAKが手配。訪れるのは2つのシャンパンカーヴに、ランス大聖堂とフジタ礼拝堂。シャンパーニュ地方の見どころをきっちりおさえた日帰り旅行です。そして今旅の目玉は、幻のシャンパンと名高い「サロン」のカーヴを訪れること。この充実したスケジュールに、出発前から心が躍ります。

これだけ盛りだくさんの内容は、バスや車でないと日帰りではなかなか回れません。快適なことに、バスはトイレ付き。そして、シャンパンを1ダース買ったとしても、シャンパンを飲んでほろ酔いになったとしても、バスでパリまで帰れるのです。
われわれ一行は、朝8時ごろオペラ通りを出発し、シャンパーニュ地方へ向かいます。
往路の車中では、シャンパンとその地方のことを何でも知っている知恵袋、JAL PAKの野神さんの解説がBGMに。何も知らずともシャンパン通になった心持ちで、最初のテタンジェのシャンパンカーヴに到着。
このカーヴは、13世紀に礎石が据えられた修道院の跡地に作られたもので、地下深く、長い回廊が迷路のように交差しています。シャンパンのボトルが整然と積み上げられ、これが頭骸骨ならまるでカタコンベのようです。


ここで、シャンパンが高価な理由を知りました。静かに眠っていると思われるボトルは、人の手により3週間ごとに1/8回転され、その後澱を抜き、最低でも3年は熟成のために寝かされるのです。
ランスと言えば、ゴシック建築の傑作、ノートルダム大聖堂です。フランク王国の初代国王クロヴィスが洗礼を受けて以来、歴代フランス国王の戴冠式が行われた場所。見逃せないのは、光を通して青が見事なシャガール作のステンドグラス、そして、眺めるだけでこちらも口元がほころぶ、ファサードのポルタイユ(入り口)にある「ほほえみの天使」像。

続いて、「フジタ礼拝堂」と呼ばれるノートルダム・ド・ラ・ペ礼拝堂。驚くのは、80歳のフジタ画伯がわずか3カ月で壁一面にフレスコ画を施したこと。とてつもないエネルギーです。そのフジタ画伯の棺はこの礼拝堂の舗石の下に納められています。

いよいよクライマックス。サロン社のシャンパンカーヴの訪問です。ランスからは離れたメニル・シュル・オジェ村にあります。休日にもかかわらずデュポン社長自らわれわれを迎えてくれました。カーヴから「サロンの庭」と言われるワイン畑まで丁寧に案内して下さいました。

不作だった年には生産を見合わせ、最上級のシャルドネの一番搾りのみで1種類のシャンパンだけを生産し、熟成に10年以上の長期間を要することが「幻のシャンパン」と呼ばれるゆえんです。1914年の創業以来、ヴィンテージシャンパンは30しか存在しません。ちなみに、冷夏だった今年のサロンは……存在しないそうです。
99年のヴィンテージを口にしたところ、正直、何と表現したら良いのか分かりませんが、デュポン氏の言うように「くるみの香り」と、繊細な気泡が口の中いっぱいに広がり、幸せな気分になりました。

このサロン社は見学者を制限しており、年間でも120人ほどしか訪れないということ。今ツアーの参加者20人というのは、人数制限があったためですが、サロン社にとってはかなり多い人数。
われわれにとっては、少ないこの人数のお陰でバスもゆったりと座れ、道中皆和気あいあいと、短い秋の楽しい思い出の1ページとなりました。
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