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フランスニュースダイジェスト
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lun 21 mai 2012

コゴランようこそ我が町へ

プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏ヴァール県コゴランから


緑色の朝食

復活祭と共に賑わい始めたコゴランの町は、春がちょうど今真っ盛りです。街路樹や森の木々に芽が吹き、柔らかそうな若葉が少しづつ膨らみ、黄緑から深い緑へと色付いています。形も大きさも異なった木々が朝もやに霞み、緩やかな曲線を描きながら草原から山へと続きます。冬の間、ミストラルに枝を震わせていた樫やプラタナスの木は淡若葉に包まれています。糸杉やパラソル松はモスグリーンの上着を窮屈そうに身に着けています。

ポプラやプラタナスの若葉
常緑樹の深い緑の向こうには、ポプラやプラタナスの若葉が朝日に映える。

4月下旬は珍しく春の嵐が吹き荒れ、気温が南仏にしては低めの毎日でした。例年だったら、もうとっくにコートを片付けてしまっているところです。5月に入り、やっとコットンの上着が重宝されるようになりました。家にこもりがちだった町の住人たちも陽気に誘われ、観光客に混じりプラタナスの並木の下を歩き出し始めました。嵐が去り、春めいた野原は名も知れない草花で埋め尽くされます。背高のっぽの雑草たちは爽やか朝日を浴びて、風でしなった茎を精一杯伸ばしています。タンポポのような黄色い花はすでに綿帽子を被り、そよ風の誘いを今か今かと待ちわびています。

路肩には、畑から抜け出して自生する麦が細い穂をゆらゆらさせて、スピードを上げて通り過ぎる車を見送っています。けなげな緑の中に、鮮やかな赤い斑点が風に揺れているのが見えます。燃える火のように赤いコクリコ(coquelicot)の花が束の間の春を詠っているのです。白や黄色が多い野生の花々の中で、この赤い花は可憐な姿に情熱を秘めています。夏になれば、他の草花と同じ運命を辿り、ジワジワ照り付ける太陽に降参して、姿を消してしまいます。

麦の穂
風に揺れる真っ青な麦の穂
ヒナゲシ
日本語ではヒナゲシ、コクリコはフランスの代表的な野の花

立春が過ぎサマータイムに変わると、朝日と共に目が覚めるようになり、朝起きするのが億劫でなくなりました。早起きの小鳥のさえずりを聞きながら眺める、清々しい緑が朝食の前のご馳走です。ゼラニウムの葉っぱは大きくなり、あと1カ月もすればツボミがつき始めることでしょう。例年になく、テラスのジャスミンの花がたくさん咲き誇っています。今思い返すと、あの冷たい冬の雨がなければ、花や緑の美しさに心を奪われることはなかったに違いありません。今年の初めは、これでもかと叩きつけるように大雨が降ったのです。

そんな天候を思い出しつつ、空模様をうかがうと雨雲は遠のいたような気配、晴れた日が続けば気温はうなぎのぼりに上昇する南仏です。あっという間に、町や村は車で溢れ、、道路が混雑し、このまま真夏へ突入するかもしれません。そして、ビーチには鮮やかなパラソルが咲き始め、小麦色の肌を嬉しそうに披露しながら行き交う人々がかっぽし始めます。

ジャスミン赤紫の蕾と刈り込みの若葉
ジャスミン赤紫の蕾と刈り込みの若葉
ジャスミン赤紫の蕾と刈り込みの若葉
雨のち晴れ、爽やかの朝日に映える新緑と遠くの山

反橋さん反橋妙子(sorihasi taeko)
1980年に渡仏。仏語を学び、言語学修士号を取得。リヨンで日本語教師を経て、南仏に移転後は観光ガイドとして南仏を回る。現在、通訳・翻訳業を専門とする。 taeko3011.jimdo.com
 
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