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ロンドンのゲストハウス
dim 22 octobre 2017

山下 哲也さん

パリを愛し、パリに
愛されるギャルソン

山下 哲也さん
Tetsuya Yamashita

Garçon

肩書き カフェ・ド・フロールのギャルソン
経歴 1973年、東京都生まれ。大学時代に、当時表参道にあったカフェ・ド・フロールでギャルソンを始める。98年、初めてパリに来て、本場パリのカフェ・ド・フロールでギャルソンをしようと決意。不可能と知りつつも、その熱望を持ち続ける。2002年9月に渡仏し、アリアンス・フランセーズで語学を学びながら、03年夏より予備要員のギャルソンとしてカフェ・ド・フロールで働き始める。05年4月より、名実ともに「メゾン」のギャルソンとして正式にカフェ・ド・フロールに立つ。
嗜好 24時間仕事バカです。

どんな経緯でカフェ・ド・フロールのギャルソンに?

ヘミングウェイの「日はまた昇る」に興味を持ち、東京・表参道のカフェ・ド・フロールでアルバイトを始めたのは、大学生だった1996年4月。このカフェに対する強い情熱を持ったのはこの時からです。翌年夏、京都に同支店を立ち上げるというので加勢しに行き、そこでフロールの支配人フランシスと出会いました。その時の彼の「パリに来てみてはどうか」という言葉をうのみに、パリに旅行しました。あらゆるカフェを回り、「世界に通用するギャルソンになる」と決意。それもパリのフロールで。でも、そこのギャルソンは白人のフランス人のみです。不可能だと分かっていました。それでも、世界一のギャルソンを目指し表参道の同カフェでギャルソンを続け、フランシスには「自分を1人のギャルソンとして見て欲しい」と訴え続けました。

一念発起して渡仏したのは2002年。語学学校へ通っていた03年夏、ちょうど休暇中のギャルソンに代わり、予備要員(エキストラ)としてフロールに立つことに。その後05年、幸運にもギャルソンが1人引退し、空きが出たため、そこで正式なギャルソン「メゾン」の20人の1人に抜擢(ばってき)されました。不可能が可能になったのです。

どんな思いでギャルソンを務めていますか?

ギャルソンとして何ができるか常に考えています。ギャルソンのだいご味の1つに、お客さんと人生を共にできる喜びがあります。例えば、独身時代は1人だったが結婚して2人で、更にはお子さんを連れていらっしゃるというように、何年も通って来られる方の変化を共にできます。また、より強く、より速く、より美しくギャルソンをしたいというモットーを堅持しています。感覚的、肉体的な限界を押しながら店内に立つことで、見えない物も見えるように感じるのです。精神を研ぎ澄ますと、お客さんの欲望も、あたかも物質のように見える感覚に陥る。それが喜びです。ギャルソンの務めを通して、人間の可能性を探っているのでしょう。

何よりも大切なのは、自分のアイデンティティーを忘れずにいること。老舗のカフェ・ド・フロールのギャルソンであることに大きな誇りを持つ一方で、自分の背後にいつも日の丸を背負っているつもりでいます。自分を通してどうしても日本を見られるので。「1人以って、国興す」の精神です。

始めは「初の外国人」として常連さんたちの視線を厳しく感じましたが、それは結果を出せば認めてもらえると強く信じていました。フロールでのギャルソンに並々ならぬ情熱を持っていましたし、それを見ていた周囲の人々が盛り立ててくれたことも大きな助けでした。また、これまでの伝統を打ち破り、大きなリスクを負って日本人のギャルソンを雇用してくれた支配人、日本人が認められるようになるまでフランスの各ジャンルで道を切り開いてくれた日本人の先輩方、そんな方々のお陰と、感謝を忘れることはありません。

カフェはフランスの文化がすべて詰まっている、いわば文化的財産だと思っています。それでも、フロールのような昔ながらのカフェは皆無に近い。フロールは歩合制という給与体制を貫き、ギャルソンは自分のテーブルで勝負しています。ギャルソンたちは1世紀以上もフロールのエスプリを守り、そこの「ギャルソン」を演じる一流の役者でもあります。

将来の目標は?

ずっとパリのフロールに立ち続けるためにフランスに来ました。行く行く老舗カフェの最古参のギャルソンが日本人だったら面白いな、と想像します。また、本場のカフェのギャルソンを経験した人が少なく、イメージだけで作られているカフェが日本には多いのではないでしょうか。フランス文化が詰まったカフェの魅力、良さを正確に体現したカフェを日本に伝えたいとも思っています。

 

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