人間性溢れる真の美を
探求し、創造し続ける
本橋 拓也さん
Takuya Motohashi
Créateur en cosmétique &
Maquilleur professionnel
| 肩書き | 化粧品開発者・メーキャップアーティスト |
| 経歴 | 東京都生まれ。メーキャップアーティストを目指し、東京ザ・ベストメーキャップ・スクール(現フロムハンド)に入学。1983年、コーセーに入社、美容研究所に所属する。87年から、ソニア・リキエル化粧品(東京アルビオン)のチーフメーキャップアーティストを務め、90年、アルビオン・フランスのパリ支社に配属される。2001年に同社を退社し、南仏に移住。02年、Why not? を設立し化粧品開発をしながら、メーキャップアーティストとしてパリコレ、カンヌ映画祭などでメーキャップを担当。 |
| 嗜好 | 自然の中で過ごす時間を大切にしています。 |
メークに興味を持ち始め、渡仏した経緯は?
実家が化粧品店を営んでおりました。小さい頃からなじんでいた環境でしたし、家の仕事を手伝う上でも、メーキャップを習うことはとても自然な成り行きでした。その後、日本の化粧品メーカーに勤務し、フランスのデザイナーズブランドの化粧品開発に携わっておりました。ずっとあこがれていたフランスには仕事で何度も来ておりましたが、だんだんと「出張」ではなく「居住」したいという願望が強くなり、フランス支社への転勤を希望し、願いがかなったのです。
現在、ヨーロッパ・マーケット向けの開発コンサルタントをし、またメーキャップアーティストとしては、パリコレを中心に活動しております。パリコレのメーキャップを担当することで、世界でレベルの高いデザイナーと一緒に仕事をするチャンスが得られるのが、フランスの魅力であります。
欧米と日本で化粧品のコンセプトや好みは違いますか?
化粧品開発分野から見た場合、スキンケアに関して、日本向けと欧米向けの商品作りや訴求の仕方には違いがあるように思います。欧米へは科学的な特徴を消費者に向けて大きく押し出すのに比べ、日本へはもっと感触や官能的な部分を大切にし、訴求をします。メーキャップ商品に関しては、肌や髪、目の色の違いなどから、必然と色作りは変わってきますし、化粧文化、慣習の違いから質感なども変わってくることが挙げられます。特に、近年の日本の傾向は、欧米人のまねではなくアジア人の美を生かすメーキャップが主流で、それが当然化粧品作りにも影響を与えています。
日本人とフランス人の間には、化粧品に対する考え方、化粧習慣、嗜好(しこう)、肌や顔の造形、また気候や水などの環境にも大きな違いがあります。例えば、フランス人はポイントでメーキャップしていくのに対し、日本人はフルメーキャップを施します。フランスではマスカラが重要アイテムなのに対し、日本ではフランスであまり使用頻度の少ないファンデーションが高い使用率を示しています。
スキンケアにおいては、特に洗顔と化粧水の使用概念に大きな違いがあるように思います。今でこそ、泡立てて水で洗い流すタイプの洗顔料が欧米でも発売されていますが、以前は、硬水で顔を洗い流すことは考えられませんでした。これも、日本のブランドや商品の効果で、徐々にヨーロッパ人の意識が変化しています。また、化粧水に関しては、日本で「保湿」という観念なのに対し、フランスでは「拭き取り」商品なので、使用方法や重要度にも違いがあるのです。
メーキャップとは?
メーキャップとは白いキャンバスに色をつけていくことではありません。土台となるキャンバスは皮膚であり、人です。皮膚は立体的で熱を持ち変化します。そして、人には「気持ち」があります。それらを考えて施していくのが私の考えるメーキャップであり、同時に、そこに難しさがあると思います。外側に変化を施すメーキャップは内側(気持ち) にもプラスに作用し、「美しくなった」という自信につながる効果があります。本当の美とは内面から輝くことです。気持ちが高揚すると、顔色や表情も明るく変化します。メーキャップとはそれを実現するお手伝いの一手段です。できれば近い将来、自分の考える「美」の詰まった化粧品を開発したいです。
パリ・プレタポルテコレクションで、ファティマ・ロペスを始め、3ブランドのメーキャップを担当予定。
9月27日(火) ~10月5日(水)








