| mardi, 16/06/2009 11:56CET | |||
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1870年、普仏戦争に敗退したフランスはドイツに隣接する領土の大部分を奪われてしまう。しかし、第一次世界大戦後にロレーヌ地域圏の領土がフランスに返還され、モゼール川周辺のドイツと結びつきの強かった領土がモゼール県となった。(編集部 柳澤 創) ポンピドー・センター分館 フランスの北東ロレーヌ地方に位置するモゼールは、ベルギー、ルクセンブルグ、ドイツとの国境に隣接した県。TGV東方面が開通してからは、パリ-メッツ間の移動時間が1時間半に短縮され、首都からのアクセスが便利になった。地理的にも、モゼールは欧州のほぼ中心にあることからフランス国外からのアクセスも良く、欧州市場の重要な拠点としての魅力も兼ね備えている。 そんな地理的利点を考慮し、パリ市にある総合文化施設ポンピドー・センターは分館の建設地としてモゼール県メッツ市を選んだ。設計は、日本人建築家坂茂とフランス人建築家ジャン・ド・ガスティヌ。2009年秋の完成を予定している。この建造物の主な特徴は、作品展示スペースの天井が通常の美術館よりも高いこと。これにより、一般の美術館では展示が不可能だった大作の展示も可能となった。中国の編み笠のフォルムをイメージしてデザインされた屋根には、埃や雨水による汚れが付着しないテフロン(フッ素樹脂)加工された素材を採用。また、屋根のフォルムは効率よく雨水を集められるため、集められた雨水は建造物周辺の施設や公園で再利用される。機能性だけでなくエコロジーについても考えられた建造物だ。
クリスタルの発祥地とエミール・ガレ展 アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家、エミール・ガレはモゼール県ナンシーに生まれた。普仏戦争時には義勇軍に志願し、フランス敗戦後は父親の経営する陶器・ガラス会社の美術部門の責任者となる。父親引退後に工房の責任者となってからは、パリ万博などで多くの作品を発表し評価を高めていった。1885年には、ナンシー水利森林学校に留学していた農商務省官僚の高島得三と交流を深め、日本の文化や植物などの知識を得たと言われている。当時フランスは、ジャポニズムの影響で日本画や浮世絵に人気が集まっており、ガレも自身の作品に日本的な要素をふんだんに取り入れていた。現在ヴィック・シュール・セイユで開催されているガレ展では、動植物や日本に影響を受けた彼の作品を見ることが出来る(8月末まで)。 モゼールは、クリスタルガラスの発祥地としても知られており、サンルイ・レ・ビッシュ市には、クリスタル工芸作品や歴史を知ることが出来る美術館がある。
エミール・ガレ展
2009年8月30日まで Musée départemental Georges de La Tour Pl Jeanne d'Arc 57630 Vic sur Seille TEL:03 87 78 05 30 開館時間:9:30~18:00、月休 入場料:一般7€、割引3.50€、16歳以下無料 クリスタル美術館
La Grande Place - Musée du Cristal Saint-Louis Cristalleries Saint-Louis rue Coëtlosquet 57620 Saint-Louis-les-Bitche TEL:03 87 06 40 04 開館時間:10:00~18:00、火休 入場料:一般6€、割引3€ 地理的条件を生かした大工業ゾーン 県内に40カ所以上の工業ゾーンを有するモゼール。流通経路も陸路(鉄道・道路)、空路、水路(モゼール川)などが利用出来ることから、仏国内外の企業から注目を集めている。工場を構える主な企業として、日本郵船NYKグループ(物流)、IKEA(流通)、Total Petrochemical(生産)がある。ドイツ国境に近いアンバック市には、コンパクトな車体が人気のSmartの組み立て工場があり、車体組み立て工程の見学が可能。個人、団体いずれも予約制で、美術館でSmartの歴史を観た後、工場で車体組み立ての工程を見学する。
スマート生産工場見学
Centre de communication smart Europôle de Sarreguemines 57913 Hambach Cedex TEL: 03 87 28 28 34 Email: 月~金:ガイド付き見学(フランス語、英語、ドイツ語)要予約 見学料:個人4€、団体20名まで50€、団体40名まで90€ おいしいものの宝庫 ![]() ドイツに近いモゼールでは、 おいしいハムやソーセージが いっぱい モゼールはおいしい食べ物の宝庫でもある。代表的なものを上げると、マンステール・チーズ、ブリ・ド・モー(チーズ)、エスカルゴ、フォアグラ、各種ハムやソーセージ。スイーツでは、1895年から造られている手作りレモネード(Limonade Lorina)、素朴な味わいのマカロン・ド・ブレー(Macaronde Boulay)、ハチミツ、ミラベル(すももの一種)のタルトやジャムなど。そして、忘れてはならないのが各種ワイン。口当たりが良くすっきりと飲みやすいモゼール・ワイン(Vinde Moselle)や、ガメ種85%の白ワイン、コート・ドゥ・トゥールなどが人気だ。食後酒には、ナシやミラベルのオードヴィや、プラム酒ケッチュ(Que tsche)などがある。 ![]() モゼール名産のミラベルを ふんだんに使ったタルト メッツに近いアムネヴィル市にあるレストラン、タヴェルヌ・ドュ・ブラッスール(Taverne du Brasseur)では、ロレーヌ地方の郷土料理が食べられる他、レストランオリジナルの地ビールを飲むことが出来る。 パリからT G Vで1時間半。モゼールは日帰りや週末のプチ旅行にぴったり。最近旅行してないなと感じているあなた、ふらりとモゼールに遊びに行ってみてはどうだろうか?
取材協力:Comité Départemental du Tourisme de la Moselle(モゼール観光局)、Moselle développement(モゼール県開発局)、Musée départemental Georges de La Tour(モゼール県立美術館ジョルジュ・ドラ・トゥール)、Smart France SAS、Centre Pompidou Metz |
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| *掲載当時の情報です |


経済と文化の交差点
建設現場に隣接された案内所に展示されているポンピドー・センター分館模型(屋根なし)
建設中のポンピドー・センター分館 ©Hajime Yanagisawa
左)ジャポニズムに影響されたエミール・ガレの作品には、日本を感じさせるデザインが多い
5月7日、モゼール開発局主催で行われたコンパクトカー、Smar tの工場見学に訪れた日系企業関連者 ©Moselle Développement


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