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コゴラン Cogolin
南仏のポルクロール島 Ile de Porquerolles

| 南仏のポルクロール島 Ile de Porquerolles |
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11月に入ると日没が早まり、温かいスープが恋しくなります。吹き溜まりの枯葉が風に舞い上がり、秋の終りを告げています。あと1カ月もすればイルミネーションの花が咲き、クリスマス、その後は年越し……。コートの襟を立て、ポケットの中に手を差し込んで歩いていると、肩の重みが冷たい指先まで伝わってきそうです。 そう、こんな時は思いっきり手足を伸ばして、新鮮な空気を胸いっぱい吸い込みましょう。
南仏には陽光の下で自然と親しみながらハイキングやサイクリングが楽しめる島があります。その名はポルクロール島。イエール市(Hyères)の最南端ジアン半島にある港ラ・トゥール・フォンデュ(La Tour Fondue)から船で約20分の距離に位置し、人口350人。 村の広場には教会、郵便局、ホテル、レストラン、商店などが軒を並べ、フランスとは思えないほどのんびりしています。島の北側に白い砂浜が数ヶ所あり、夏はヴァカンス客で賑わうところでもあります。しかし、東西7km、南北3kmの小さな島は自然保護地区に指定されているので、主な交通手段は歩きか自転車です。 さて、夏の喧騒が去ったポルクロール島は秋の雨をたっぷり吸った大地と青い海が飾らない美しさを見せています。船が港に到着するたびに村は活気付き、グループのハイカーや家族連れが一斉に島の散策へと繰り出します。レンタサイクルショップも数件あり、マウンテンバイクで島を一周することもできます。
ハイキングの場合は、村の広場を後にして、まず16世紀建造のサント・アガット要塞へ登ります。村と港が見下ろせ、イエールの街がかすんで見えます。2000年に渡り、ローマ人はもとより、地中海を航海する民族にとりポルクロール島は戦略拠点でした。今でも、いくつかの要塞跡や監視塔が点在しています。 ブドウ畑やオリーブ畑を眺めながら、さらに森林の中を30分ほど歩くと、険しい海岸線からなる島の南側に出ます。港のある北側とは違い、断崖絶壁の上に灯台が立ち、人を寄せ付けない厳しい自然環境を想像させる景色です。 ハイキングコースは整備されていて、全長51kmもあります。地形は緩やかで、高低差が140mしかありません。でも、岩だらけの山道もあるので、しっかりしたトレッキングシューズを履いて行った方が無難です。そのほか飲料水、帽子、サングラス、日焼け止めクリームなどが携帯必需品です。 今から約40年前、ポルクロール島にもリゾート開発の波が押し寄せはじめました。1970年、環境保全の目的で、わずかの私有地を残し、島の総面積の8割(1,000ha)がフランス政府により買取られました。翌年、島の管理はポール=クロ国立海洋公園に委託され、今でも美しい自然が残されているのです。 島の中は禁煙で、焚き火やキャンプも禁止されています。特に、北風ミストラルが強い日は山火事を警戒し、森林地域は立ち入り禁止になります。いかに人間と自然の調和が壊れやすく、その保護には一瞬の油断も許されないということを物語っています。
青い水平線に目を細めながら、森林を吹き抜ける風に髪をなびかせ、自然の恵みを体全体に受ける幸福感。南仏の真珠ポルクロール島、透き通った海が心も体も洗い流してくれることでしょう。
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