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はちきれそうに青い空を破るかのごとく大量の雨が一度に降るのが南仏の秋です。カサカサに乾ききっていた大地は潤い、夏枯れの雑草たちにも活気が甦ります。朝夕は肌寒いほど気温が下がり、ポプラやプラタナスの葉が色付き、緑一色だった山は朝もやのヴェールで覆われるようになります。

モール山塊の緑と秋深まったブドウ畑

松葉を押しのけて出現したラクテール・デリシュー
秋雨で程よく土が湿った後、風のない晴天の日が続くと、森の中では朽ちた落ち葉が所々盛り上がってきます。湿り気を含んだ独特の匂いに誘われてのぞいてみると、予想通りキノコが頭をもたげています。南仏の人々が好むキノコといえばラクテール・デリシュー(lactaire délicieux)です。
このキノコは傘や柄を切るとミルクのような汁がでることから、ラクテールと呼ばれています。何種類かあるラクテール中で、特に食用として好まれるのがラクテール・デリシューです。傘の色はサーモンピンクで、直径10cm前後の大きさです。切り口が鮮やかなオレンジ色に変化するのが特徴。モール山塊では松とジャイヤントヒースの林で採れます。

この日の収穫はまずまず、キノコの両側はヒースとマツの葉

フライパンで炒め、パセリ、ニンニク、塩で味付け
では、このラクテール・デリシューの調理方法を紹介しましょう。
オリーヴ・オイルを加えたフライパンに薄く切ったキノコを入れ、10分ぐらい焦がさないよう注意しながら強火で炒めます。みじん切りのニンニクとパセリを加え、塩で味をととのえ、肉料理の付け合せにするのが一般的な食べ方です。歯ごたえのあるキノコなので、柔らかくなるまで充分炒めるのが美味しくいただくコツです。また、茹でたキノコをオリーブ・オイルに漬けて、数ヶ月保存することもできます。
| サラダやシャルクトリの付け合せ、おつまみとして好まれます。 |
| ブイヨンの材料* |
| ワインヴィネガー |
カップ1杯弱 |
| 辛口白ワイン |
カップ2杯 |
| みじん切りタマネギ |
1コ分 |
| ローリエの葉 |
2~3枚 |
| タイムの小枝 |
1本 |
| コリアンダー |
数粒 |
| 塩、コショウ |
適量 |
| *キノコの量は500gが目安です。それ以上の場合はワインの量を増やしてください。 |
| 作り方 |
| 1. |
大き目のキノコは一口大に切る。 |
| 2 |
キノコをフライパンで炒め、水がでたら、火を止め、ざるに上げて、水気を切っておく。 |
| 3 |
次に、材料を入れたブイヨンを沸騰させ、水切りしたキノコを入れ、30分ぐらいとろ火で茹でる。 |
| 4 |
キノコをざるに上げ、もう一度水切りし、冷ましておく。 |
| 5 |
煮沸殺菌しておいた広口瓶に詰め、オリーヴ・オイルをキノコが覆われるまで注ぐ。 |
| 6. |
低温の暗室におき、二週間ぐらい待つ。 |

ラクテール・デリシューのマリネ(オリーヴ・オイル漬け)
今年の秋は大量の雨が降り、北風ミストラルの勢いはまだ弱く、キノコの当たり年です。この時期、森に近い路肩に車が止まっているのをよく見かけます。キノコを探して、人々が森の中に入っているのです。カゴとナイフを持ったセミプロのような人もいれば、グルメでキノコが好きな人、散歩のついでにキノコを探す人など、週末の森は賑やかです。
しかし、狩猟のシーズンと重なるので、キノコ採りに行く時は目立つ服装をした方が懸命です。深い森の奥で、イノシシと間違えられるという話しをよく耳にするからです。
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反橋妙子(sorihasi taeko)
1980年高度成長の日本経済を後に渡仏、仏語そして言語学を取得。リヨンで日本語教師を経て、南仏に移転後は翻訳・通訳・ガイドに転身。仏人の夫と一人息子と三人暮し。
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