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mardi, 01/06/2010 14:00CET

バルビゾン Barbizon

バルビゾン風景画家を虜にした村

画家たちの村、バルビゾン。1830年から75年にかけて、パリ郊外のフォンテーヌブローの森の端にあるこの小さな村に風景画家がこぞって滞在した。ジャン=フランソワ・ミレーやテオドール・ルソー……彼らは後にバルビゾン派として美術史に名を残すことになる。彼らの描いた名作の景色が今も残る自然豊かな村に、日帰り旅行に出かけよう。
(Texte et photo : Kei Okishima)

ルソーのアトリエが隣にある小さな教会 村の中心を通る大通りにある小さな教会。横にはルソーのアトリエがある

パリから1時間弱!自然豊かなバルビゾン

ミレーの描いた「晩鐘」の舞台。晴天の春の大地には、ミレーが描いた神秘的な雰囲気は漂わない。ただ、パリから1時間も掛からないこの場所に、ミレーの愛した自然が穏やかに出迎えてくれることに感動する。

歴史画が絵画の世界で常に高い地位にあった19世紀前半、風景画といえば歴史画を引き立てるように工夫されたものがもてはやされていた。このような伝統を重んじる教育に失望した画家が望んだのは、自然を厳しく見つめ、ありのままにその姿を描くこと。パリ郊外にあるフォンテーヌブローの森は、そんな画家たちが主題を見つけるのに格好の場所だった。くしくもその頃、チューブ入りの絵具が発明され、外で絵を描くことが可能になり、パリ-ムラン間を走る鉄道も開通、生活費の安さも手伝ってバルビゾンは画家の集まる村となる。

ぜいたくな落書きが残るガンヌの宿

150年以上経った今も、バルビゾンは当時の面影を残す素朴な石造りの家が立ち並ぶ。バルビゾンの見どころは、村の中心を通る大通り(Grande Rue)に集まっている。まず訪れたいのがバルビゾン派の画家が泊まったガンヌの宿。現在は市立バルビゾン派美術館としてその姿を残す。ガンヌ夫妻は貧乏な画家たちをわずかな宿泊費で泊まらせ、温かく迎えた。そしてこの宿は、画家が集まる和気あいあいとした芸術家宿になった。晴れの日は外に出て主題を探す画家たちも、雨の日は家にこもる。暇を持て余した画家たちは、壁や家具などに絵を描き続けた。その壁の一部が現在でも残されており、画家たちが宿泊費代わりに置いていった絵などバルビゾン派に欠かせない絵と共に見ることができる。

ぜいたくな落書き ガンヌの宿2階、部屋の仕切りに残されたデッサン

バルビゾン派美術館 ガンヌの宿
Musée départemental de l'Ecole de Barbizon, Auberge Ganne
92, Grande Rue 77630 Barbizon
TEL : 01 60 66 22 27
水~月 10:00-12:30、14:00-17:30(7・8月 18:00まで)、火休
入場料:3€

素朴な石造りの家 ミレーのアトリエ

農民の自然な姿を描き続けた画家ミレーのアトリエは、大通り27番地にある。パリにおけるコレラの流行を避けて1849年にバルビゾンへ移ったミレーは、そのまま死ぬまでここで生活した。アトリエには当時の写真やデッサン、自画像、パレットなどが展示されており、有名な絵の裏にあるミレーの暮らしぶりを伺える。

ミレーのアトリエ 当時の雰囲気をそのまま残すミレーのアトリエ

ミレーのアトリエ
L’atelier Jean-François Millet
27, Grande Rue 77630 Barbizon
TEL: 01 60 66 21 55
木~月 10:00-12:30、14:00-17:30、火水休
入場料:4€
www.atelier-millet.fr (音が出ます)

特別メニューを発見

バルビゾンを訪れる観光客が驚くのは、この小さな村のレストランやホテルの質の高さ。中でもHôtellerie du Bas-Bréauは、1971年に昭和天皇・皇后両陛下が訪れたレストランだ。天皇が召し上がった料理は「Menu de l’empereur Hiro Hito」という名のコースとして現在も残されている。一週間前までに予約をすれば当時と同じコースを楽しめる(85ユーロ/人、2人~)。

オテレリ・デュ・バ・ブレオ
Hôtellerie du Bas-Bréau
22, Grande Rue 77630 Barbizon
TEL: 01 60 66 40 05
www.bas-breau.com

ミレー「晩鐘」創作150周年記念展

この村を舞台にミレーが描いた「晩鐘」。制作150年周年を記念し、「150ème anniversaire de la création de《l'Angélus》」が現在開催中だ。

ゴッホやダリが「晩鐘」をモチーフに作品を描いたことは有名だが、同じことを150人の現代アーティストが今日行ったとでも言おうか、「晩鐘」から受けたインスピレーションをもとに各アーティストが思い思いに制作した作品が、町の至る所にちりばめられている。見応え十分な150の個性豊かな作品を見つめると、改めて「晩鐘」の意味を考えさせられる。世界各国から集まった作品はまさに「21世紀の晩鐘」。裸の男女をモチーフにしたものや、環境破壊を危惧するかのように広がる大地にゴミが散乱する作品など、アーティストの表現は多岐に富む。日本からはバルビゾンと姉妹都市の朝来市を始め兵庫県から6人のアーティストが参加している。

町の中心である大通りを抜けると、そこには画家たちがリュックを背負って主題を探し、一日中過ごしたというフォンテーヌブローの森が広がる。大通りでたっぷり堪能したアートの香りを胸に、画家たちが愛した森を歩いてみたい。

ミレー「晩鐘」創作150周年記念展
150ème anniversaire de la création de 《l'Angélus》
2010年7月31日まで
水~月 10:00-12:00 / 14:00-18:00、火休
入場料:無料
Espace Culturel Marc Jacquet
Pl. Marc Jacquet 77630 Barbizon
TEL : 01 60 66 41 87

アクセス
パリ・リヨン駅からSNCF Montargis行きの電車に乗り、ムラン(Melun)駅下車(30分程度)。ムラン駅から8km(タクシーで15分程度)。
観光局・観光案内
バルビゾン観光局
Office du Tourisme de Barbizon

水~日 10:00-13:00 / 14:00-18:00、 月火休
Pl. Marc Jacquet 77630 Barbizon
TEL: 01 60 66 41 87
www.barbizon-tourisme.com


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