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lun 21 mai 2012

パリのカントリー雑貨屋さん

カントリー雑貨屋

スローライフという言葉がすっかり板についた感のある昨今。日本では、田舎風の部屋を手作りするカントリースタイルが人気を呼んでいます。カントリー・ファンに言わせると、素朴で温かい家具にかこまれて暮らすのがたまらないのだそうです。しかし、その世界の先進国といえばフランス。なんてったって、10人に1人がセカンドハウスの持ち主で、暇さえあれば田舎を訪れて家造りを楽しむのだから、その愛情の深さがうかがい知れるというもの。そこで今回は、「お手頃」で「かわいいアイテムが豊富にそろう」と評判のパリのカントリー雑貨屋さんをのぞいてみました。(Texte et photo par Kazushi Takeuchi)

素朴な「アメリカン」、格式高い「ブリティッシュ」

人気が高まっているとはいえ、カントリーはまだまだマイナーな分野。この特集を読んで初めてその存在を知る方も多いことでしょう。そこで、手始めに人気のカントリースタイルを3つご紹介します。

まず人気が高いのが「アメリカン・カントリー」。

簡単に言えばかつての人気TV番組「大草原の小さな家」 を理想とするスタイル。イギリスを後にした開拓者たちが、遠く離れた故郷に思いをはせながら作り上げたのがこの様式。イギリスの家具に見られる細かな装飾はなく、実用性のみを重視してつくられたシンプルなスタイルです。

続いて「ブリティッシュ・カントリー」。

石造りの家をベースとした庶民のためのスタイル。もともとイギリス貴族の自然回帰志向の影響を受けているせいか、どことなく格式の高さを感じますが、堅苦しさはなく、自然との調和を重視しているのが特徴。

装飾的でロマンチックな「フレンチ」

そして今回ご紹介する「フレンチ・カントリー」。

ブリティッシュ・スタイルと同様に、貴族の暮らしから生まれたスタイル。時代とともに装飾的な部分がうすれ、庶民の生活にマッチする形が確立されました。かつての面影を残す装飾的なデザインに、白、赤、青といった色が多く使われ、他のスタイルに比べるとカラフルでどことなくロマンチックな雰囲気が感じられます。また、文化が行き交う大陸の国という土地柄上、周辺の国々からの影響を受けているのもフレンチの特徴です。

このように、知れば知るほど奥が深いカントリー。まずは入門編。プロが教える「フレンチ・カントリー」のワンポイント講座を交えつつ、パリのお店を巡ってみましょう。

「おばあちゃんの想い出」がテーマ
Comptoir de Famille

Comptoir de Familleカントリー雑貨のファンでなくても思わず「かわいい!」と口ずさんでしまうのでは? 「おばあちゃんの想い出」をテーマに、フランス全土でチェーン 展開するComptoir de Familleは、まさにカントリー雑貨の王道をいく店。広い店内には、いかにもカントリーといった雰囲気の小物たちが勢ぞろい。特に赤と青で統一された、アンティーク風なイラストが描かれた食器類は必見。種類も豊富なので思わずコレクションしたくなるかも。

「おばあちゃんの想い出」をテーマにディスプレイされたかわいい食器類。これらはすべて店のオリジナル品。古くから伝わるフランスのデザインを基本に、現代のデザイナーの手によってアレンジが加えられ、まったく新しいカントリー雑貨として生まれ変わりました。どこか懐かしさを感じさせつつ、現代のインテリアと一緒に使っていても違和感がないのにもうなずけます。さらに、ディスプレイにもこの店ならではのこだわりがあります。新しい家具では表現できないフランスの田舎のイメージを、木目調のアンティークの家具を使うことによって見事に再現しています。そのため、店内にいるとまるで一昔前にタイム・トリップしているかのような気分になります。いくらカントリー調の小物や雑貨を揃えても、ベースの家具がスチールだったりカラフルなものでは、全体としてカントリーの良さは表現できません。テーマを具体的に演出するということが、いかに大変であり、またいかに楽しいかということを、この店は教えてくれているようです。


コントワール・ドゥ・ファミーユ Comptoir de Famille
35 / 37, Passage Jouffroy 75009 Parismap
Tel:01 47 70 51 12
営業:10:00-19:00 / 休:日
M:Grands Boulevards (8, 9番線)


これならできる?プチ・カントリー術
カントリー術色は赤80%、青20%
店長のベンサーナさんいわく、「カントリー風の部屋を作るポイントは、小物はレプリカでもいいけれど、家具はアンティークを使うこと。全体の配色は、ベージュを基本に赤80%、青20%の割合で」なのだそうです。

カントリー術壁の演出でワンランクアップ
壁の演出はカントリーの世界では上級テクニック。簡単な方法は、古い絵が描かれたポスターやプレートを壁に貼ること。また棚(シェルフ)の設置も有効。真横に並べるのではなく段差をつけて固定するのがポイント。
毎日使えるアンティークが見つかる店
ウードゥブルヴェ

EWアンティーク・ショップが集まる「サン・ポール村」に、ひときわ雰囲気のある店を発見。店内に入ると、19~20世紀のカントリー・テイストな食器や雑貨がところ狭しと並んでいて、まるで小さな美術館のよう。もともと、「だまし絵」の画家でもあるオーナーがコレクションしていた品々を売りに出したのがオープンのきっかけ。「毎日使えるアンティーク」というテーマからも分かるように、物を大切にする心をあらためて実感させられるお店なのです。

開店前、画家を本業とするオーナーが自分の好みに合うものを、こつこつと買い貯めただけに、小物や家具それぞれにこだわりと温かさが感じられます。しかも、単に部屋の中に並べて鑑賞するのではなく、「日常生活を送る中で実際につかえるもの」というテーマに沿ったものばかりとあって実用性は抜群。たとえば、マドレーヌ用の型だったり、手鏡だったり、ちょっとした小箱だったり。あくまでも脇役として使われる小物がここでは主役。キッチンまわりで使うものを中心に、ダイニング、リビング、寝室とすべてのシチュエーションで使える雑貨が盛りだくさん。さらに、画家であるオーナーが得意とする「だまし絵」をアンティーク小物に描いた特別なインテリアも見どころのひとつ。種類はさほど多くないものの、アンティークと現代アートがミックスされたユニークなインテリアは見ているだけで、なんだか楽しい気分になります。個別のオーダーも受け付けているので、もしお気に入りの家具があれば、ぜひお試しあれ。


EW EW
21, rue Saint Paul 75004 Parismap
Tel:01 42 77 55 11
営業:11:00-13:00, 14:30-19:00 / 休:火・水
M:Saint Paul(1番線)


これならできる?プチ・カントリー術
カントリー術壁に動きをつけて
壁を使った演出法に注目。キャニスターをディスプレイとして応用し、さらに段差をつけることで動きが生まれ、見る人の目を楽しませてくれます。

カントリー術色はマロン、カフェオレ
この絶妙な雰囲気を創り出すキーワードは、 やはり「色」でした。全体としては薄めでやさしい色で統一し、部分的にはマロン、カフェオレ、カフェクレームといったやや茶色がかった色を重視しているそうです。
ロマンチック・カントリーをお探しなら
ジャルダン・デュリス

4年前にオープンした「Jardin d'Ulysse」は、フランスらしいロマンティック・カントリーが売りの店。カントリー雑貨ではあまり見かけないピンク色も思いきって使っているし、店のシンボルはなんと「ハート」。とにかく女性心をくすぐるお店です。

Jardin d'Ulysse

「ラブリー」なスペース以外にも、「シック」「ナチュラル」「アジアン」「こども」とテーマ別にコーナーが分かれていて、全体として見やすいディスプレイに。


Jardin d'Ulysse Jardin d'Ulysse
9, boulevard Malesherbes 75008 Parismap
Tel:01 42 65 28 01
営業:10:00-19:00 / 休:日
M:Madeleine (8,12,14番線)
www.jardindulysse.com


カントリー術これならできる?プチ・カントリー術
ライトや壁のキュートな使い方
「赤ちゃん用カントリー」のスペース。天井から下がった刺繍布のライトや、壁をキャンバスのように使うキュートな演出はぜひ参考にしたいもの。
センスあふれるカントリー・ショップ
ベル・エ・ルー

サン・マルタン運河から通りを少し入ったところに、小さな雑貨屋さんがあります。店の名は「Belle&Loups(美女と狼の意)」。リメイクされた20~50年代のアンティークが中心で、小さな店内に並ぶセンスあふれるアイテムは一見の価値あり。

Belle & Loups

オーナーのペトロさんは元グラフィック・デザイナー。ポリシーのひとつは「多くても2色以内に色をおさえること」なのだそう。さすがに店内のセンスはいい。


Belle & Loups Belle & Loups
10, rue de la Grange aux Belles 75010 Parismap
Tel:06 61 44 02 53
営業:16:00-19:00 / 休:月・火・水
M:Jacques Bonsergent (5番線)


これならできる?プチ・カントリー術
カントリー術大事なのはやはり「壁」
写真は鏡つきのフック。フランスの田舎に行くと、実際にこんなアイテムがたくさんあって、 やはり「壁」にセットされているのだそう。

カントリー小物

カントリー食器 カントリー食器
シリーズになっていて、思わず全部揃えたくなる食器たち。12€から。
(Comptoir de Famille)
キャニスター 6種類のキャニスター
大、中、小が揃った カントリーテイスト満載のキャニスター。 6種セットで300€。
(EW)
食器棚 「マンゴーの木」の食器棚
小物というより大物ですが、「マンゴーの木」の棚(写真正面)。562.50€。
(Jardin d'Ulysse)
牛乳瓶 2色の牛乳瓶
なんとも大人心をくすぐるかわいいビン。 大9€、小8€。
(Comptoir de Famille)
動物のオブジェ 動物のオブジェ
動物のオブジェを置くと、カントリーになるんだって。日本で見たような……。 21.5€。
(Jardin d'Ulysse)
ティーセット 40年代のティーセット
青で統一された40年代のティーセット。 右35€、左2点セット45€。
(Belle & Loups)
 

*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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