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ロンドンのゲストハウス
mer 22 février 2017

知っておきたい保険制度
2016年、
ミュチュエルの制度が変わる

フランスで現在、健康保険(セキュリテ・ソシアル、以下セキュ)で還付されない医療費は、ミュチュエル(Mutuelle:互助保険)でカバーされている。しかし2016年からミュチュエルの制度が大きく変わる。この制度の改正で、会社や従業員、個人事業主などに、具体的にどのような変化が起こるのだろうか? (取材協力:ASSETS Assurances)

今回の改正で、どのような点に変更があるのでしょうか?

これまでのフランスの保険制度は、健康保険があり、そこで還付されない部分を補うためにミュチュエルがあるという2階建ての仕組みになっていました。またミュチュエルは日本語で任意保険と訳されているように、任意の保険でもありました。しかし2016年から、新たな法律に則った補償内容のミュチュエル、コントラ・レスポンサーブル(Contrat responsable、以下CR)ができ、CRは会社員であれば幾つかの特別な場合を除いて、全員加入するように義務付けられます。そしてCRでカバーできない分に関しては、個人でオプションを選択して、追加で保険料を支払うことも可能です。つまり、セキュ、ミュチュエル(CR)、CRのオプションという、3階建ての仕組みになりました。

CRとは簡単に言うと、第2のセキュのようなものです。例えば、現在医者にかかった場合、診察費はセキュの算定基準(Base de remboursement)に基づいて還付されます。現在セキュの割合は70%となっていますが、残りの30%を、このCRが補うことになるわけです。

そうなると、CRとこれまでのミュチュエルとの違いは何なのか? という疑問点が出てきますが、大きな違いはCRには最低補償額と最高補償額が決まっているという点です。これまでのミュチュエルは、一般的にはセキュの算定基準の100%、150%、200%というように、補償率に差を設け提供しており、掛け金の高いミュチュエルの場合には400%の補償が付いている商品もありました。しかしCRの場合には最高補償金額が200%と決まっています。そのため、それ以上の補償を望む人はCRのオプションを個人で加入する必要があります。この部分に関しての会社負担は一切ないので、個人で全額負担する必要があります。

この改正の背景には何があるのでしょうか?

まず、会社契約のミュチュエルがある従業員と、会社契約のミュチュエルがない従業員の不平等をなくすという目的があります。

また、医療費の削減という目的があります。例えば眼鏡を作る場合には、CRでの最高補償金額が850€に設定され、回数も2年に1度に制限されました。これまでは最高補償額の制限がなかったので、掛け率の高いミュチュエルに加入している場合には、1000€を超えるような場合にもミュチュエルの補償で賄える場合があったのです。

また医療費の削減という面でいうと、もう一つ大切な改正がありました。CAS(contrat d'accès aux soins)というもので、CASにサインしている医師としていない医師の治療費還付には、大きな差が出てきます。もちろん、これにより医師側にも変更がありました。CASにサインした医師は、社会保障費の一部をセキュが負担するという利点があり、サインしていない場合には、このようなセキュの負担がありません。

CRに加入しないという選択肢もあるのでしょうか?

現在ミュチュエルに加入していない会社はCRに加入する義務があります。ただ、すでにミュチュエルに入っている場合には、CRに変更した方が良いとされるものの、変更しないという選択をすることも可能です。ただCRに変更しない場合には、会社は保険税を2倍支払う必要があります。通常CRの保険税は7%ですが、それが14%に上がり、会社負担分の保険料は課税対象になります。会社にとっては大きな負担となるはずですから、ほとんどの会社が時期に従ってCRに変更することになると思います。

変更の期限はあるのでしょうか?

現在ミュチュエルに加盟していない会社は、2015年末までに、従業員にCRを用意して、提示しなければなりません。現在すでに会社でミュチュエルの契約をしている場合は、2017年末までにCRへの変更手続きをすることになります。ただし、加入したのが去年の8月9日以降の場合や、この日以降にミュチュエルの項目に何らかの変更があった場合などは、2015年末までに変更をしなければならないケースがあるので、十分にご注意ください。

また、自由業や個人事業主などTNS(Travailleur non salarié)の場合には、2016年3月31日までに今加入しているミュチュエルをCRに変更する必要があります。この変更を忘れると、保険税が7%から14%になる他、マドラン法 (Contrat d'assurance Madelin)の課税所得控除が受けられなくなります。ただTNSの人で現在ミュチュエルに加入していない人は、入る義務はありません。

会社がCRに変更した場合、従業員は全員加入義務があるのでしょうか?

ある一定の基準を満たす場合には、加入しなくても良いことになっています。例えば、夫婦で異なる会社に勤めており、両社ともCRに加入した場合は、どちらか一方のCRを選択することができます。また、現在ミュチュエルに入っていない会社が新しくCRに加入する場合、従業員は無条件で拒否する権利があります。ただその際にも会社としてはCRを用意し、従業員に提示する義務があり、従業員は拒否することを書面で雇用者に提出しなければなりません。有期雇用者(CDD)や季節労働者の場合は、契約が12カ月未満の社員は、CRへの加入を拒否することができます。逆に学生やインターン生は社員ではないので、会社側はCRを提示する必要がありません。

CRの補償内容は誰が決めるのでしょうか?

会社の規模によって、具体的な決め方の規則は異なるのですが、基本的には従業員の総意を得るという考え方です。現在すでにミュチュエルに加入している会社は前述のように2017年までにCRに変更すればよいのですが、2年猶予があるとはいえ、従業員の総意を得るためにはさまざまな手続きを踏む必要があり、大変な作業です。法的な規定に則って補償内容を決定したという証拠を法的な文書として残しておかないと、後から問題になる可能性があるので、十分に注意を払う必要があります。

CRの会社負担金は最低で50%となっています。もちろん50%以上を福利厚生として会社が払うことは可能なので、この件についても経営者と従業員の間で合意する必要があります。

※ 今回の保険の改正についてはl’article 56 de la loi de financement de la sécurité sociale pour 2014における法改正を盛り込んだDécret no 2014-1374 du 18 novembre 2014を法的根拠としています。

参考リンク : http://www.legifrance.gouv.fr (Loi de financement de la sécurité sociale pour 2014)

保険(ミュチュエル)制度改正についての説明会
問い合わせ: 01 53 79 97 97(ASSETS Assurances)
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