1887年、白ロシア(現・ベラルーシ共和国)のユダヤ人地区に生まれたマルク・シャガール。23歳でパリに留学した彼は、次第に天から与えられた才能を開花させていきま す。久しぶりに故郷へ里帰りしたシャガールは、友人の家で優美な一人の女性に出会いました。宝石商の娘「ベラ」。
シャガールは、後にベラとの出会いをこう語っています。「美の神が、そこに舞い降りてきたかのようだった」と。
二人は、1915年に結婚。シャガールの絵は、ますます浪漫的に変化していきます。もっと大輪の花束を。愛するベラを。食卓の果物を。そして、誕生した愛娘を。
幸せな日々に、暗い戦争の影がひっそりと押し寄せてきたのは、いつ頃のことだったのでしょうか。ユダヤ人迫害というナイフで持って、ナチス軍はシャガールを「退廃的な絵を描く画家」として追いつめていきました。
第二次世界大戦の最中、身の危険を感じたシャガールは、愛する家族を連れて米国へ逃亡。しかし、そこで待っていたのは、悲し過ぎる「ベラの死」でした。
1947年、パリに舞い戻ったシャガールは、やがて輝かしい太陽を求めて、南仏の地へ…。
今回ご紹介する「シャガール・ツアー」は、3月末まで閉館中のニース・シャガール美術館にかわって、彼の心に触れることのできる特選ツアーです。
地中海を眺めながら、6人乗りの車で丘を上がっていくと、カーニュ・シュール・メールのグリマルディ城に到着。城内には、シャガールの名画4点が飾られています。
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左)カーニュ・シュール・メールのグリマルディ城 |
続いて、麗しの「サン・ポール・ド・ヴァンス」へ。シャガールが、97歳で夢の国へと旅立った場所です。街の小学校には、彼が寄贈したモザイク画が。童心に帰りたくなるような「色彩と愛情の輪舞」に、時を忘れて…。
さらに、本ツアーのハイライト、マーグ財団美術館に到着。木立の中に佇む美術館では、彼の大作9点を心ゆくまで鑑賞できます。
最後は、ヴァンスに佇む礼拝堂へ。白い壁面に、オレンジ色の太陽に照らされたシャガールのモザイク画が、一際輝いて見えます。
人間を、植物を、動物を、この世に生きる生命への愛を謳い上げた浪漫画家、シャガール。さあ、彼の人生を訪ねて、南仏へと出発しませんか?

左・中)礼拝堂で、シャガールのモザイク画を見つめる芸術的なひととき…
右)ヨーロッパ屈指の美術館と称される「マーグ財団美術館」。カンディンスキー、ミロの作品など も合わせて楽しみたい
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