
Wish You Were Here
 あなたがいたら / 少女リンダ(1987 / 英)
反抗的な16歳の少女リンダが、家族との不和、性的体験などを通して自分の生き方を見つけていく様子を、ユーモラスかつ瑞々しく綴った青春映画。


WestSussex.info
| 監督 | David Leland | 
|---|---|
| 出演 | Emily Lloyd, Tom Bell, Jesse Birdsall | 
| ロケ地 | Bognor Regis | 
| アクセス | London・Victoria駅からBognor Regis駅まで列車で約2時間弱 | 
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- 今週は80年代に多感なティーンエイジャーたちの心をわしづかみにした青春映画です。
 - 時は戦後、閉鎖的な港町の問題児、少女リンダの物語。幼い頃からひねくれてはいたものの、12歳で母親を亡くしてからは奇行に走ったり、性的に挑発的な態度を見せ、汚い言葉を連発したりとやりたい放題。正直で歯に衣着せぬ物言いをする半面、非常に繊細なハートを持っている女の子です。
 - 公開当時、日本でも話題を呼んだが、実在の人物の少女時代を基に描かれてることを知っていた人は少ないんじゃない?
 - 僕も今回初めて知って驚きました。その人物とは、英国で70〜80年代に売春宿を経営して逮捕され、世間を賑わせたマダムのシンシア・ペインだったんですね。
 - ちなみにマダムっていうのは日本で言うポッシュな奥様の意味ではなく、売春を斡旋する、いわゆるポン引きのことね。
 - 脚本及び監督も務めているデービッド・リーランドは、当初「Personal Service」という映画の脚本として、まずはシンシアの少女時代から書き始めたそうですね。しかしこれが予想外に長くなり、物語の中核であるマダム時代の話になかなか行き着けなくなると気づき、少女時代の話は別の作品として書き改めることにしました。それが本作というわけです。
 - ちなみにその「Personal Service」は、モンティ・パイソンのテリー・ジョーンズ監督によって映画化されたんだよな。
 - 売春宿の話とあって下ネタ満載ですが、さすがテリー・ジョーンズ、ただのコメディーでは済ませず、心を打つ作品に仕上げています。本作同様、事実を基にしたフィクションとなっていますが、モデルが同一人物だけに併せて観ると非常に面白いです。
 - しかしこの「Personal Service」、日本では劇場未公開でビデオのみのリリースだったようだが、邦題がヒドイな。「Hなエッチな変態SMクラブ」って、オーイッ!
 - あははは、ほんとにひどいですね。ビデオ屋でも誤ってアダルト・コーナーに置かれてたんじゃないですか。確かに少々偏った性的嗜好を持つ人々が登場しますが、あっけらかんとしてて全然いやらしくないですよね。むしろ大笑いです。
 - 話が大きく逸れてしまいましたが、この「あなたがいたら / 少女リンダ」のロケ地となったのは、ウエスト・サセックスのシーサイド・リゾート、Bognor Regis及びWorthingです。前者は小さい町ですが、英国内で最も好天に恵まれた場所とも言われ、美しいビーチはメディアなどでも多く取り上げられています。後者は大きいリゾート・タウンで、詩人のオスカー・ワイルドが住んでいたことでも有名ですね。
 - リンダが自転車でシーサイドを颯爽と走り抜けるシーンや、ノスタルジックな商店街の風景が印象的ですよね。パステル・カラーを基調としたリンダのポップな服装が、また港町にピッタリ合っていて素敵です。
 - リンダを演じたエミリー・ロイド、むちゃくちゃ可愛いな。この映画で一躍脚光を浴びたのも頷けるわい。
 - 本作を思春期に観てハマった人で、年齢を重ねてからもう一度観たら、当時と違う感想を抱いたという人が結構多いみたいです。なので、以前観たことがある人も二度観してみてはどうでしょう。
 - その際はぜひ「Personal Service」もね。いやこれ、ほんとに面白いから!
 
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 反抗心からか汚い言葉をわざとまくしたて、ときにはメロディーをつけて歌っちゃうリンダ。しかし精神科医に「F」と「C」で始まる罵り言葉を言ってみてと言われて「分からない」と答えるあたりに、彼女の本当の心が表れているかのようだ。早熟で不安定、でも強い精神力の持ち主。ラスト・シーンは爽快だ。リンダとお父さんの衝突は切なく思うが、そのあたりの行く末もぜひ「Personal Service」でご確認あれ(笑)。
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