英王室「新時代」、若者の支持課題
チャールズ国王即位1年
8日、国王即位1周年を記念しロンドンのハイド・パークで41発の礼砲を放つ王立騎馬砲兵部隊
(ロンドン 9月7日 時事)70年以上英国君主の座にあったエリザベス女王が死去し、チャールズ国王(74)が後を継いでから8日で1年。国王は今年5月に正式に戴冠し、カミラ王妃と共に公務に奔走している。「チャールズ時代」は比較的順調に始動したものの、特に若い世代で王室への関心が著しく低下しており、国王が背負う課題は重い。
女王は昨年9月8日に96歳で死去し、長男チャールズ国王が即位した。長きにわたり「英国の象徴」として敬愛された女王を失った衝撃は大きく、国中が悲しみと深い喪失感に包まれた。
チャールズ国王は即位に当たり、女王と同様に「生涯にわたる(国家への)奉仕」を約束。母親ほどの求心力と人気を持ち合わせない国王の治世には懸念も出たが、国王は各地で人々と積極的に接し「親しみやすい王室」を演出した。国民も女王時代を懐かしみつつ、国王をおおむね温かく受け入れている。
ただ、王室にとって、若年層の無関心を指し示す最近の世論の動きは大きな悩みの種だ。1周年を前に今週初めに公表された調査では、18~24歳の年齢層で「王室は英国にとって良いものだ」と答えたのはわずか3割。65歳以上では77%に上っており、世代間格差が浮き彫りになった。王室存続を望む若者の割合も37%にとどまった。
エリザベス女王死去から1年 王族ら、静かに追悼
(ロンドン 9月8日 時事)エリザベス女王が死去して8日で1年がたった。王室はこの日、1968年に撮影された未発表の女王の肖像写真を公開。公的な記念行事は行われず、チャールズ国王はじめ王族は、それぞれの場で祈りをささげるなどして静かに追悼した。報道によると、国王は8日、女王が最期の時を過ごした北部スコットランドのバルモラル城近くの教会でカミラ王妃と礼拝に出席。国王の長男ウィリアム皇太子夫妻は、追悼礼拝に参加するため南西部ウェールズを訪れた。8日はチャールズ国王の即位1年にも当たり、ロンドン中心部のハイド・パークなどで記念の礼砲が放たれた。
王室を離脱し米国に移住した国王の次男ヘンリー王子も、慈善団体のイベントに出席するため一時帰国。8日朝には、女王が眠るロンドン近郊ウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂を訪れる姿が目撃された。