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Tue, 19 March 2024

育自の時間。親と子を育てる英国の学校

2002年に画家の夫とともに当時7歳の息子を連れてイングランド南西部コッツウォルズ郊外に移住。現地の小学校から大学受験までを実体験した母親の目から英国教育を見つめます。


最終回 巣立ち
外国育ちの子供が日本社会、すなわち日本の企業に入り、活躍できるのか。海外で子育てをしている親の目から見ると、「グローバル化を進めている日本企業には、ネイティブ並みに英語が話せる我が子のスペックは高いに違いない」と思ってしまいますが、そんなに甘いものではないことを、息子の日本での就職活動に触れて思い知らされました。
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第28回 日本留学のススメ
日本人家庭である私たちが英国に移住して10年目に、当時17歳の息子と決めた「日英の大学同時受験」。幸い日本の大学でも英語で学べる学位コースが設置され始め、その審査方法も英国と変わらず、海外で育った日系の子女にとっては大変ありがたい選択肢が増えた時期でした。
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第29回 22歳の国籍選択とアイデンティティー
英国育ちの息子が日本の大学へ進学して以来、英国に住む日本人ママ友たちから度々受けた質問があります。それは子供の国籍問題。国際結婚をした日本人の子供は、現行の日本の法令では20歳までは重国籍ですが、22歳になるまでに国籍の選択をしなければなりません。
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第27回 大学受験 ― 揺れる親心
海外で暮らす日本人家族や、国際結婚して子供を現地で育てている日本人にとって、我が子が将来、どこの国に軸足を置いて生きてゆくかという、国際児だからこその悩みに遭遇することもあると思います。
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第26回 日本語Aレベルで芥川文学に出合う
英国に限らず海外で子育てをしていると、必ずぶち当たるのが日本語の問題です。幼少期の間は日本語を中心とすることが可能な場合もありますが、就学するとたちまち日本語から現地の言語に母語が入れ替わってしまいます。
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第25回 「モンスター・ペアレント」になる
「モンスター・ペアレント」とは、言うまでもなく、学校や担任の先生に対して自己中心的かつ理不尽な要求をする親のこと。そうした意味合いとはかなり異なるかもしれませんが、ここ英国では、親も「モンスター」になった気持ちで心を強くして、学校に抗議しなければならない場面に出くわすことが多々あります。
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第24回 難しい選択
9月も半ばを過ぎ、新学年度を迎えた子供たちも、ようやく学校生活のリズムに慣れてきたころでしょうか。この秋にイヤー10(14~15歳)に進級した子供たちは、イヤー11の学年末に受ける英国の義務教育修了試験GCSEに向けての授業が本格的にスタートしたことと思います。
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第23回 英国流「反抗期」回避の術
子育てをしていると、10代を迎えたころから急激に大人びて生意気になり、親の言うことには耳も貸さなくなる子供が増えると思いますが、我が家も同様でした。いわゆる「反抗期」というものだと思いますが、急成長する身体に精神的な部分が追いつかない、またはその逆もありと、子供自身の苦しみも、もちろんあるのでしょう。
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第22回 制御不能(!?)なティーンエイジャー
8月も半ばを過ぎると、いよいよ9月からの新年度開始に向けて、親はなにかと新学期の準備に、子供は名残惜しい夏休みをぎりぎりまで楽しもうと、気忙しい日々を過ごすことになります。
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第21回 宿題のない夏休み
英国は新学年が9月から始まるため、学年末後に当たる夏休みには基本的に「宿題」はありません。例えば小学生ならば、夏休み中の絵日記や工作課題などに悩まされることもなく、開放感あふれる休みを楽しむことができます。
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第20回 英国流夏休みの過ごし方
英国の公立校もいよいよ夏休み。この時期は日本へ親子共々、里帰りされるという方も多いでしょう。我が家の場合、毎年夏は英国全土にあるナショナル・トラストで巡回個展を開催しているため、親子での里帰りはかなわず、子供の単身搭乗が許された日本の航空会社を利用して、12歳から一人で日本の祖父母宅へ一時帰国させていました。
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第19回 驚きの英国中等教育 その2
すっかり夏らしくなってきました。ボーディング・スクールを始めとした英国の私立校は、既に夏休みに入っているところが多いと思いますが、公立校は日本とほぼ同じ、7月半ばから夏休みに入ります。
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第18回 驚きの英国中等教育
英国式中学受験を経験したら、いよいよセカンダリー・スクール・ライフの開始です。英国の中等教育では、小学校時代に経験した「思考能力の鍛錬的教育」がさらにグレードアップしていきました。
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第17回 英国式お受験事情 その3
前回に引き続き、英国式中学受験についてのお話です。英国の中学校(セカンダリー・スクール)は11歳に達した年の9月から始まります。
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第16回 英国式お受験事情 その2
英国の小学校「お受験」は、子供の誕生直後の願書登録が望ましいと前回ご紹介しましたが、「もう遅いわ」と諦めることはありません。英国内の私立校への入学希望者は減りつつあり、その対策として最近、私立校は中国を始めとした海外からの留学生に目を向けているのです。
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第15回 英国式お受験事情 その1
息子の学校生活を通じて、英国で「真の学力」が身に着くのは、「考える力」を育成する初等教育で、そしてそれらの成果が見えるのは中等教育になってからだと感じましたが、日ごろの授業ばかりではなく、お受験事情もまた、日英では大きな違いがありました。
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第14回 英国で考えさせられた「真の学力」その2
読み書き・計算の基礎学力の低下がニュースになると全国学力テストの内容を変更したり、学力テストそのものの存在の意義が問われれば数年間は廃止したり、更には義務教育修了試験に当たるGCSEの試験制度を大きく変えようとするなど、英国の教育現場は実に目まぐるしく変動しています。
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第13回 英国で考えさせられた「真の学力」その1
息子が通っていたコッツウォルズ郊外の小さな村にある、小さな公立小学校。今となっては10年以上前の体験となってしまいましたが、当時も英国における児童の基礎学力の低下は、よくニュースなどでも耳にしました。
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第12回 目まぐるしく変化する教育システム
今号からは、英国の教育現場が抱える様々な問題について目を向けたいと思いますが、我が子が現地校に通っていた10年以上前と現在とでは、状況が大きく異なります。
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第11回 社会性が目覚める学校イベント
節目節目の大型行事が日本ほどはなく、物足りなさを感じることもあった英国の公立小学校でしたが、逆に日本の学校生活ではお目にかかれないような、社会と密着したイベントは結構ありました。その一つ一つの規模は小さいながら、子供たちも喜んで参加していました。
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小野まり小野まり NPO法人ナショナル・トラストサポートセンター代表。2002年、画家で夫の小野たくまさ氏とともに当時7歳の一人息子を連れコッツウォルズ郊外へ移住。現地の小・中・高等学校、大学受験を母親の立場として体験。教育関連の連載エッセイやナショナル・トラスト関連の著書多数。最新刊に「図説 英国ナショナル・トラスト (河出書房新社)」がある。
英国王室流教育の極意: エリザベス女王からジョージ王子まで(河出書房新社)英国王室流教育の極意ビクトリア女王からジョージ王子まで、英国王室の子育てや教育を語る一冊。憧れのプリンス、プリンセスが受けた教育とは? 英国のパブリック・スクールや筆者が体験した公立校の教育システム及びその現状が網羅されている。
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