ニュースダイジェストの制作業務
Mon, 27 June 2022

スピーチ

18人目マーキュリー賞は
ラップのT・チャップマン

「マーキュリー・プライズ」といえば、英音楽シーンで最も影響力のある賞。初回1992年のプライマル・スクリームを始め、スエード、パルプ、アークティック・モンキーズ、フランツ・フェルディナンド、エルボーら受賞者を見ても歴然だ。そんなメインストリーム入り(=商業的成功)が約束された音楽賞に今年選ばれたのが、南ロンドン出身の無名の女性ラッパー、スピーチ・デベル。

既にアルバム10万枚以上を売り賞最右翼と言われたフローレンス・アンド・ザ・マシーンや、10年選手のカサビアンら計12アーティストの作品から、大方の予想を裏切り彼女のデビュー・アルバム「スピーチ・セラピー」が栄冠に輝いた。「ガーディアン」紙音楽批評家ジュード・ロジャースによると、「何が気に入ったかって、ラップなのにラップに聞こえないところ。ジャズ、フォーク、ブルース、昔懐かしのTVサントラ……いろんな要素がある。で、とてもブリティッシュ。そこが素晴らしいと思った」。

ジャマイカ系英国人の中流家庭に生まれたスピーチ。6歳の時に父(7人の女性との間に子供9人)が家を出てから、積み木くずしまっしぐら。放校11回の後、とうとう家からも追い出されたのが19歳。以後4年間ホームレスとなり、ヤク中、アル中の巣窟ホステルを転々とする生活が続く(今は和解し母親と同居中)。そんなハードコアな人生を赤裸々に表現したストレートな歌詞を、耳に心地いいラップにのせて歌う。先述のジャズやフォーク調で緩和されている部分もあるが、なんといっても実年26歳よりずっと若いあどけなさの残る声が、ラップのイメージに反して新鮮。「ラップのトレイシー・チャップマン」と言われる所以だ。

そういえば、チャップマンは今どこに……。

 
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スミス京子:1997年渡英。牡羊座、O型、火星霊合星、七赤金星、左利き。好きな英国人はジョー・ブランドとジョージ・アラガイア。整形するならファーン・コットンかケイト・モス。おいおい。

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