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Wed, 10 December 2025

LISTING イベント情報

国際交流基金主催 日本映画の巡回上映会 2025年2月7日(金)~3月31日(月)

国際交流基金主催 巡回映画上映会
新旧の「名作日本映画」
26作品を一挙上映2025年2月7日(金)~3月31日(月)

Japan Foundation Touring Film Programme 2025
Unforgettable: Memories, Times and Reflections in Japanese Cinema

海外への日本文化の紹介や、交流事業を推進する国際交流基金による主催で開催される、毎年恒例の日本映画巡回上映会。22回目を迎えた今回は、常に流動的に変化する現代の価値観と視点を背景に、正義という概念そのものに疑問を投げかける26作の新旧作品が集まった。英国32都市で開催されるが、ここではロンドンの2館についての上映スケジュールを紹介しよう。
www.jpf-film.org.uk

ICA
2025年2月7日~16日

The Mall, London SW1Y 5AH
Tel: 020 7930 3647
Charing Cross / Piccadilly Circus駅
www.ica.art

Riverside Studios
2025年2月21日~3月4日

101 Queen Caroline Street,
London W6 9BN
Tel: 020 8237 1010
Hammersmith駅
https://riversidestudios.co.uk

読者プレゼント

ロンドンのICAで上映される作品のチケットを3組6名様にプレゼントいたします。ご希望の方は応募フォームに必要事項をご記入の上、送信ください。たくさんのご応募をお待ちしております。

締め切り:2025年1月29日(水)午後6時

※ 応募を締め切りました。沢山のご応募ありがとうございました。

当選された方々には、弊社からご連絡させていただきます。


*RS: Riverside Studiosで上映

かくしごと Stay Mum(2024年、128分)
監督: 関根光才
出演: 杏、奥田瑛二、中須翔真

2月7日(金)18:00

かくしごと

長年絶縁状態にあった父が認知症を発症したため、渋々実家に戻った絵本作家の千紗子。ある日、事故で記憶を失った少年を助けるが、少年の体には虐待の痕があった。千紗子は少年を守るため自分が母親だと嘘をつき実家に連れて帰る。次第に新しい家族の形を育んでいく3人だが、その幸せな生活は長くは続かなかった……。北國浩二の小説「嘘」を映画化した人間ドラマ。

クオリア Qualia (2023年、96分)
監督: 牛丸亮
出演: 佐々木心音、久田松真耶、木口健太

2月7日(金)21:00

クオリア

養鶏場を営む家族を中心に、それに関わる奇妙な人々の姿を描いたブラック・コメディー。養鶏場に嫁いだ優子は義姉からいびられながら暮らす。あるとき養鶏場の住み込みのバイトに応募してきた女性を雇うが、それは夫の不倫相手だった。不倫相手を交えた奇妙な共同生活が始まり……。俳優の牛丸亮がメガホンを取り、2021年に上演された舞台作品を脚色。

お母さんが一緒 To Mom, With Love (2024年、106分)
監督: 橋口亮輔
出演: 江口のりこ、内田慈、古川琴音

2月8日(土)13:20

お母さんが一緒

親孝行のつもりで温泉地で母親の誕生日を祝おうとした三姉妹。性格も生き方も異なることから口げんかが絶えない3人は、誕生日を祝う方法に各自こだわりを持っており、それはやがて非難の応酬へとエスカレートする。そして楽しいはずの誕生会は修羅場へ。「恋人たち」の橋口亮輔監督が混乱を極める家族関係を愛情を持って描いた、往年のホームドラマへのオマージュ。

カラオケ行こ! Let’s Go Karaoke! (2024年、107分)
監督: 山下敦弘
出演: 綾野剛、齋藤潤、芳根京子

2月8日(土)15:30

カラオケ行こ!

ヤクザの男性と合唱団の中学生男子という普通は交わることのない2人を主人公にしたコメディー。中学最後の演奏会を前に声変わりに悩む聡実の前に、カラオケ大会で負けて罰が下ることを恐れるヤクザ、狂児が現れる。歌唱力を上げる必要のある狂児は、聡実にレッスンを依頼する。和山やまの漫画を映画化し、歌でつながった対照的な2人の奇妙な関係を描く。

護られなかった者たちへ In the Wake (2021年、134分)
監督: 瀬々敬久
出演: 佐藤健、阿部寛、清原果耶

2月8日(土)17:40、2月22日(土)17:30 *RS

護られなかった者たちへ

東日本大震災後の復興が進む仙台で発生した連続殺人事件をめぐり、生活保護制度の欠陥に迫る社会派ミステリー。2人のソーシャル・ワーカーが両手を縛られ餓死した状態で発見される。捜査一課の刑事である笘篠が怨恨の線から捜査を開始するが、この謎を解くには2011年の災害の真実に向き合わなければいけない。本作は第45回日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞。

茶飲友達 Tea Friends (2022年、134分)
監督: 外山文治
出演: 岡本玲、磯西真喜、海沼未羽

2月8日(土)20:15

茶飲友達

「茶飲友達、募集」という新聞の三行広告をみて男性が連絡すると、そこは高齢者のための売春クラブだった……。「燦燦‐さんさん‐」の外山文治監督が、2013年に実際に起こった事件を基に、高齢者の孤独や性などタブー視されがちな問題に正面から取り組んだドラマ。性の問題にとどまらず、誰しもが抱える「孤独」という現代社会の病理を明らかにしていく。

カルメン故郷に帰る Carmen Comes Home (1951年、86分)
監督: 木下惠介
出演: 高峰秀子、小林トシ子、佐野周二

2月9日(日)13:20、2月11日(火)16:20

カルメン故郷に帰る

東京でストリッパーをしているリリィ・カルメンが同僚を連れて故郷の村に戻ってくる。派手な服装の2人に戸惑いを隠せない村人たち。しかしリリィたちはストリップを最新の芸術と考えているため、皆の前で凱旋公演と称したダンスを披露し、村は大騒ぎに……。日本初の国産フル・カラー映画としても意義を持つ、戦後日本の道徳観の変化を描いた軽快なコメディー。

老後の資金がありません! What Happened to Our Nest Egg!? (2021年、115分)
監督: 前田哲
出演: 天海祐希、松重豊、草笛光子

2月9日(日)15:15、2月13日(木)16:00

老後の資金がありません!

専業主婦の篤子は老後資金を貯めるため節約に努めるが、夫や子どもたちは非協力的。そんなおり、義父の葬儀費用負担、篤子のパート解雇、夫の会社倒産、娘の豪華結婚式計画、浪費家の姑の同居と、次々と災難が降りかかってくる。老後2000万円問題に焦点を当て、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲監督が金銭が家族に与える影響をコミカルに描く。

破戒 Broken Commandment (2022年、119分)
監督: 前田和男
出演: 間宮祥太朗、石井杏奈、眞島秀和

2月9日(日)17:40

破戒

明治後期、小学校教師として暮らす瀬川は、被差別部落出身であることを周囲に知られないようにしている。しかし尊敬する作家で社会活動家の猪子の影響で、真実を語るべきか葛藤を深めていく。差別や不正への抵抗を描きつつ、20世紀初頭の日本の軍国主義への批判も織り込んだ社会ドラマ。これまで木下惠介、市川崑という巨匠が挑んだ島崎藤村の同名作品を映画化。

The Moon (2023年、144分)
監督: 石井裕也
出演: 宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ

2月9日(日)20:00、3月4日(火)20:00 *RS

月

かつて人気作家だった洋子は、スランプを脱するために森の中の重度障がい者施設で働き始める。しかし施設内での虐待や若い介護士のさとくんの奇妙な思想に直面し驚きを隠せない。そんな折、洋子は自身の妊娠に気付き、命の価値を再考する。2016年に実施起きた、知的障がい者殺傷事件を基に、福祉制度の問題や生の意味に迫る社会ドラマ。辺見庸の同名小説を映画化。

愛に乱暴 Rude to Love (2024年、105分)
監督: 森ガキ侑大
出演: 江口のりこ、小泉孝太郎、馬場ふみか

2月11日(火)18:10

愛に乱暴

丁寧な暮らしを実践する模範的な主婦の桃子が、夫の浮気や同じ敷地内に暮らす姑との確執、近隣トラブルなどによって徐々に追い詰められ、精神の均衡を崩していく様を描くサスペンス・ドラマ。吉田修一のベストセラーを基に、愛と執着の境界線を探った日常の狂気が描き出される。次第に平穏を失っていく妻を演じる、江口のりこの怪演が見もの。

デイアンドナイト Day and Night (2019年、134分)
監督: 藤井道人
出演: 阿部進之介、安藤政信、清原果耶

2月11日(火)20:20

デイアンドナイト

大手企業の不正を内部告発したことで、死に追いやられた父の死の真相を追う明石は、児童養護施設を経営する北村と出会う。子どもたちを生かすためなら犯罪も厭わないという北村の道徳観に影響された明石は、次第に父を死に追いやった者への復讐心を募らせていく。何が善で何が悪なのか、観る者の価値観を揺るがす犯罪ドラマ。プロデュースに俳優の山田孝之が参加。

嘘八百 We Make Antiques! (2018年、105分)
監督: 武正晴
出演: 中井貴一、佐々木蔵之介、友近

2月12日(水)18:20、2月21日(金)18:00 *RS

嘘八百

大阪にやってきた古物商と、腕は確かだが貧乏な陶芸家の2人が大胆な詐欺に挑むコメディー。古物商の則夫が手にした千利休の茶碗は、実は陶芸家の佐輔が作った偽物だった。則夫は佐輔の才能にいたく感心し、その腕を活かし一儲けをしようと考える。2人はある大御所鑑定士に一杯食わされていたこともあり、意気投合し……。古美術の裏側や陶芸の豆知識も交えた一作。

朽ちないサクラ Sakura (2024年、119分)
監督: 原廣利
出演: 杉咲花、安田顕、萩原利久

2月12日(水)20:30

朽ちないサクラ

ある女性がストーカー被害を訴えた後に殺害され、地元新聞が警察の怠慢を暴露する記事を掲載。警察広報担当の森口は、自分が酔って友人の記者に情報を漏らした可能性を疑うが、記者はそれを否定しながら1週間後に命を落とす。罪悪感に苛まれる森口は事件の真相を追ううちに、腐敗した警察組織の現状に直面する。一人の女性が国家情報機関の闇へ迫るミステリー。

99%、いつも曇り 99% Cloudy… Always (2023年、110分)
監督: 瑚海みどり
出演: 瑚海みどり、二階堂智、永楠あゆ美

2月13日(木)18:20

99%、いつも曇り

俳優で声優の瑚海みどりが自ら監督、脚本、主演を務めたヒューマン・ドラマ。夫と2人で暮らす45歳の一葉は、自分がアスペルガー傾向にあること、過去に流産の経験があることから、子どもを持つべきか悩む。家族や社会から「母性」を期待される女性の葛藤を追う。現代日本の硬直的な価値観に適応しようともがく一人の女性の姿が繊細に描かれる。

あんのこと A Girl Named Ann (2024年、113分)
監督: 入江悠
出演: 河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎

2月13日(木)20:30、2月23日(日)17:50 *RS

あんのこと

母親からの虐待と祖母の介護を経験し、小学校で不登校になり孤独に生きる少女、杏。薬物使用容疑で取り調べを受けるも、刑事の多々羅は罪を問わず、杏をリハビリ・グループへ誘う。心を閉ざしていた杏は、徐々に支援を受け入れるが、多々羅のスキャンダルの噂やパンデミックのため、杏の未来は再び揺らぎ始め……。社会問題と支援の限界を描く実話を基にした感動作。

夜明けのすべて All the Long Nights (2024年、119分)
監督: 三宅唱
出演: 松村北斗、上白石萌音、りょう

2月14日(金)18:20

夜明けのすべて

ひどい月経前症候群(PMS)に悩まされる女性と、重度のパニック障害で頻繁に発作を起こす青年。生きがいも気力も失いながら、職場で「普通」にするための苦労を知る2人は、次第に同志のような貴重な友情を育んでいく。やがて相手を助けることができるのではないかと考え……。「そして、バトンを渡された」で2019年本屋大賞を受賞した、瀬尾まいこの原作を映画化。

望み Hope (2020年、108分)
監督: 堤幸彦
出演: 堤真一、石田ゆり子、岡田健史

2月14日(金)20:40

望み

平穏で裕福な生活を送っていた家族が、殺人事件とそれにともなうメディアの執拗な報道に翻弄される様を描いた社会派サスペンス。ある日、息子の規士が帰ってこなくなった。やがてある少年が殺されたという報道が入り、規士が関与しているという。母親の貴代美は、犯人であっても息子に生きていてほしいと願い、父親の登は、殺されていたとしても息子の無実を望む。

碁盤斬り Bushido (2024年、129分)
監督: 白石和彌
出演: 草彅剛、清原果耶、國村隼

2月15日(土)13:00、2月25日(火)17:45 *RS

碁盤斬り

身に覚えのない罪を着せられて人生を狂わされた浪人、柳田格之進と娘のお絹が名誉を取り戻すために復讐を続ける姿を描いた時代劇エンターテインメント。囲碁が物語の中心に据えられ、盤上と現実で激しい戦いが繰り広げられる。古典落語の演目「柳田格之進」を基にした重厚な演出で、伝統的なテーマに現代的な視点を加えた意欲作となっている。共演に小泉今日子ほか。

化け猫あんずちゃん Ghost Cat Anzu (2024年、97分)
監督: 久野遥子、山下敦弘
声の出演: 森山未來、五藤希愛

2月15日(土)15:30

化け猫あんずちゃん

森山未來が37歳の化け猫の声を担当する、日仏合作のアニメ。子猫のときにお寺で拾われて以来30年以上も生きているあんず。今では言葉も話せるあんずは、ひょんなことから和尚の孫であるかりんの世話をすることになる。実写で撮影した映像をトレースしアニメーションにするロトスコープという手法で作られ、実写部分は「カラオケ行こ!」の山下敦弘監督が担当。

正欲 (Ab)normal Desire (2023年、134分)
監督: 岸善幸
出演: 稲垣吾郎、新垣結衣、佐藤寛太

2月15日(土)17:30、3月1日(土)20:10 *RS

正欲

言葉だけが独り歩きしている感のある「多様性」を理解すべく、それとは逆の「普通」という概念に焦点を当て、普通とは何か、普通を判断する権利は誰にあるのかを問いかけたドラマ。一見普通に見えながら、過去のトラウマから男性に対して恐怖心を抱く大学生や、表面上では分からないが、愛情ではなく奇妙なフェチで結ばれているカップルなどを主人公に描く。

犬神家の一族 The Inugami Family (1976年、146分)
監督: 市川崑
出演: 石坂浩二、高峰三枝子、三条美紀

2月15日(土)20:10、2月24日(月)20:10 *RS

犬神家の一族

戦後間もない日本、犬神家の当主が死去し遺言が明らかになる。財産を得る条件として、孫の一人が外部から来た珠世と結婚することが提示され、家族間に緊張が走る。やがて遺産争いは連続殺人へと発展し、探偵の金田一耕助が事件解明に挑む。横溝正史の原作を基にした市川崑監督の傑作ミステリー。独特の映像美、豪華キャストで、推理ドラマの金字塔といわれる。

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! The Scoop (2024年、98分)
監督: 小林啓一
出演: 藤吉夏鈴、髙石あかり、久間田琳加

2月16日(日)13:10、3月2日(日)18:00 *RS

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!

文学好きの高校生、結衣は憧れの作家である緑町このはがいるという名門校に入学。文芸部に入部するには、謎の多い緑町の正体を突き止めるという条件があった。調査で新聞部に潜入した結衣は、校内の不正と腐敗を隠蔽する学校の闇に直面する。映画初出演の櫻坂46の藤吉夏鈴が主演を務め、仲間と共に真実を暴こうと奮闘する。社会の縮図を描く学園サスペンス・ドラマ。

侍タイムスリッパー A Samurai in Time (2024年、131分)
監督: 安田淳一
出演: 山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの

2月16日(日)15:10、3月3日(月)20:10 *RS

侍タイムスリッパー

武士の新左衛門は京都の街で決闘中、雷に打たれ目覚めると21世紀の時代劇撮影現場にタイムスリップしていた。元の時代に戻る術も分からないままさ迷う新左衛門を、助監督の優子が臨時の斬られ役に起用。新左衛門は新たな道を歩み始める。もともと自主映画として制作されたが、時代劇の聖地ともいえる東映京都が全面協力した、笑いと感動が詰まったコメディー。

市子 Ichiko (2023年、126分)
監督: 戸田彬弘
出演: 杉咲花、若葉竜也、宇野祥平

2月16日(日)17:45、2月28日(金)17:45 *RS

市子

長谷川は恋人の市子にプロポーズし、市子も喜んで目に涙を浮かべて承諾。しかしその翌日、市子が突然姿を消す。しかも長谷川が警察に連絡するとその存在すら記録にないことが判明。市子の過去を追ううち、長谷川は旧友や知人らからその壮絶な半生を聞か され、驚くべき真実に突き当たる。現代の日本に存在する貧困、虐待、戸籍制度の問題を描いた人間ドラマ。

ペナルティループ Penalty Loop (2023年、99分)
監督: 荒木伸二
出演: 若葉竜也、伊勢谷友介、山下リオ

2月16日(日)20:50

ペナルティループ

素性不明の男に恋人の唯を殺された岩森は、自らの手で男に復讐することを決意する。ところが綿密な計画を立てて殺害を実行したものの、翌朝目覚めると周囲の様子は昨日と全く同じで、殺したはずの男も生きている。これに気付いた岩森は戸惑いながらも復讐を繰り返すが、何度殺しても時間がループしまた同じ日に戻ってしまい……。正義への執着が織りなすミステリー。

 

もうすぐクリスマス! ロンドンで楽しみたいイベント6選

12月に入り、クリスマス独特の高揚感が漂う季節になった。ロンドンでは、プレゼントを買うこと以外にも、この時期を存分に楽しめるイベントがたくさんある。ここではワクワクした気分になれるような、今すぐ行けるイベントを6選ご紹介。屋外のイベントに行く際はどうぞ暖かい格好で! (文: 英国ニュースダイジェスト編集部)

1日中遊べる! ハイド・パーク・ウィンター・ワンダーランド
Hyde Park Winter Wonderland

Hyde Park Winter Wonderland

運営年数を重ねるごとに新しいアトラクションが増えている、ロンドンの冬の風物詩。ホット・ワインなどクリスマスに関連するドリンクや軽食を提供するフード・ストール、氷の彫像が訪問客を迎える氷のバーや、そしてジェットコースターや観覧車などのアトラクションもそろい、大人も子どもも楽しめる。イルミネーションの下で滑るアイス・リンクもあり、とにかくアクティビティーが充実!

Hyde Park, London
2025年1月5日(日)まで
休: 12月25日(水)
プログラムの詳細はウェブサイトを参照
オフ・ピークは入場無料(各アトラクションは有料)
https://hydeparkwinterwonderland.com

運動を楽しみたい人にお勧め アイス・スケート
Skate at Somerset House

Skate at Somerset House

古代ローマや古代ギリシャの建築スタイルから着想を得た新古典主義の建物の中庭に設置されたスケート・リンクで、明るい日中やライトアップされた夜間にスケート体験ができる。ドリンクや軽食を提供するバーやレストランがあるほか、DJ がプレイしたり、ヴィンテージの洋服やギフトを販売するポップアップ・ショップが登場したりなど、滑ること以外にも楽しみが盛りだくさん。

Strand, London WC2R 1LA
2025年1月12日(日)まで
営業時間の詳細はサイトを参照
休: 12月25日(水)
大人£15~、子ども£10~
www.somersethouse.org.uk

写真撮影をお忘れなく! 光の庭園散策
Christmas at Kew

Christmas at Kew

キュー・ガーデン内を夜間に散策できるイベント。パーム・ハウスがイルミネーションで彩られるほか、20を超える光のインスターレーションが展示される。ホット・ワインなどこの時期にぴったりのドリンクを手に光の中を歩いてみよう。人気のイベントなのでチケットは必ず事前予約を。なお、キャンセルが出たらウェブサイトに反映されるので、定期的に確認することがチケット獲得率を上げる方法だ。

Kew, Richmond, London TW9 3AE
2025年1月5日(日)まで
16:20-22:00(最終入場は各ゲートによって異なる、詳細はウェブサイトを参照)
休: 12月25日(水)
大人 オフ・ピーク £25.50 / ピーク £32
子ども オフ・ピーク £16 / ピーク £20
www.kew.org

フェスティブな気分を味わおう クリスマス・マーケット
Christmas Market in Leicester Square

Christmas Market in Leicester Square

交通アクセスの良さから観光客を中心に多くの人々が訪れるレスター・スクエアのクリスマス・マーケット。輝くイルミネーションの下でホット・ワインを飲めばあっという間にクリスマス特有のワクワクした気分になれるはず。小規模なので、近隣を訪れたらぜひのぞいてみてはいかがだろうか。また、仮設のシュピーゲル・テントではキャバレー・ショー「ラ・クリーク」(La Clique)(有料)を上演。

Leicester Square, London
2025年1月5日(日)まで
月~金 12:00-22:00 土・日 10:00-22:00
休: 12月25日(水)
入場無料
www.underbelly.co.uk/festival/christmas-inleicester-square

家族全員で優雅な時を バレエを鑑賞する
Cinderella

Cinderella

ロイヤル・バレエ団による今年のクリスマスの演目、おとぎ話「シンデレラ」が上演。「アナと雪の女王」や「ハリー・ポッターと呪いの子」など、演劇や映画、ダンス、オペラにて受賞歴のあるクリエイティブ・チームが、シンデレラの幻想的な世界に神秘的な雰囲気をもたらし、夢の世界を演出する。本作は1948年12月23日に初演され、直近では昨年復活するまで約10年上演されていなかった有名作だ。

Royal Opera House, Bow Street, London WC2E 9DD
2025年1月16日(木)まで
プログラムの詳細はウェブサイトを参照
www.rbo.org.uk

きらびやかな光に包まれる イルミネーション巡り
London's Christmas Lights

London's Christmas Lights

ロンドンの街では、オックスフォード・ストリート周辺など人が多く集まる場所に、イルミネーションやかわいらしいクリスマスの飾り付けが見られる。どこも大金を投入した立派なものなので、見て歩くだけでも十分楽しい。写真のコヴェント・ガーデンのアップル・マーケットや、リージェント・ストリートの天使のイルミネーション「スピリット・オブ・クリスマス」、カーナビー・ストリート、ボンド・ストリートなど、ロンドン中心部から西部に集中している。なお、リージェント・ストリートのライトアップは、今年は16〜23時くらいまで。

 

楽しい行事が盛りだくさん! 英国の秋のイベント6選

涼しい気候が続くようになり、いよいよ本格的な秋が到来した。太陽を楽しむ夏が終わり、寂しい気持ちもあるものの、秋ならではのさまざまなイベントが控えており、まだまだお出掛けの機会はたっぷり用意されている。ここでは先々の旅行やイベント参加への計画を立てられそうな9〜11月の秋の主なイベントをご紹介する。 (文: 英国ニュースダイジェスト編集部)

隠れた名所を無料公開 Heritage Open Days
ヘリテージ・オープン・デイズ

Heritage Open Days

ヘリテージ・オープン・デイズはここ30年余り行われている企画。普段は一般公開されていない歴史的な建造物や通常は有料で見学できる場所が入場無料で公に開かれ、建物好き、歴史好きにはたまらないイベントとなっている。歴史的名所や自然の景勝地を保護するチャリティー団体、ナショナル・トラストが主催し、数多くの支援団体によってイングランド(www.heritageopendays.org.uk)、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドなど各地で開催。9月前半が中心だが、地域によって日取りはまちまちなので、詳細はHeritage Open Days+興味のある地域でオンライン検索を。事前予約制であることがほとんどなので注意したい。

秋の実りをお祝い Harvest Festival
収穫祭

Harvest Festival

英国では昔から豊作に感謝する収穫祭がある。当時のような自給自足の生活ではなくなったものの、農場の作物がどのようにして食卓に並ぶのか、また学校や教会などを中心に作物の寄付活動が行われるなど、食について考える日として9月末〜11月初旬に各地でイベントが開催される。この一環で、Apple Har vest Day と呼ばれるリンゴの収穫祭が特に有名だ。今年は10月1、2週目の週末にリンゴの果樹園がある各農場などで、さまざまなリンゴの即売会やリンゴからサイダー(通常はアルコール飲料)やジュースを作る様子の見学など、その土地ならではのリンゴが堪能できる。
www.bigapple.org.uk

小規模でも濃密な体験を Halloween
ハロウィーン

ハロウィーン

英国でのハロウィーンは起源前1000年以上の古代ケルト人の祭りにまでさかのぼる歴史ある行事の一つ。米国ほどポピュラーではないものの、自宅でパーティーをしたり、子どもたちは水を張ったボウルにリンゴを浮かべ、手を使わずに口だけで取るゲーム「アップル・ボビング」を行ったりする。大人は、ナイトクラブで開催される仮装イベントや、この時期限定の不気味なカクテルを楽しみながら一流パフォーマーによるショーの鑑賞など、ベニューごとに工夫を凝らしたイベントに参加するのがお勧め。予約が必要な場合が多いので事前チェックを忘れずに。
www.timeout.com/london/things-to-do/best-halloween-events-in-london

関連記事:そこまでポピュラーじゃない?英国のハロウィーン

英国の花火は「秋」 Guy Fawkes Night
ガイ・フォークス・ナイト

ガイ・フォークス・ナイト

英国では11月が花火の時期。17世紀に当時異教徒として排除されたカトリック教徒たちの一部により国会議事堂爆破テロが計画され、ガイ・フォークスなどの首謀者たちは自殺、死刑などに追い込まれ凄惨な死を遂げた。ここから国家の平和を祝うためにガイの人形をかがり火(Bonfire)で燃やし、花火を打ち上げることが慣習化。ガイ・フォークス・ナイトは11月5日だが、現在は11月1週目の週末に花火大会が各地で開催される。ロンドンではアレクサンドラ・パレス、ウィンブルドン・パーク、全国的には写真の英南東部ルイスのユニークなかがり火(Lewes Bonfire)が特に有名。
www.lewesbonfirecelebrations.com

関連記事:ガイ・フォークス・ナイトを楽しむための6つの豆知識

クラシックすぎる車が走る Veteran Car Run
ベテラン・カー・ラン

ベテラン・カー・ラン

英国は頻繁にクラシック・カー・ショーが開催されている、車好きが多い国でもある。その中でも一風変わったイベントが、ロンドンから英南東部ブライトンまでを走る世界で最も長く続いているラリー・イベントだ。出場できるのは1905年以前に製造された車のみ。よってこのイベントは、ゴールの順番を競うレースではなく、無事に走り切れたかどうかが評価基準であることも面白いポイント。モノクロ写真で見たことのあるようなクラシックな車が97キロの道を400台ほど駆け抜けていく様子は圧巻。今年は11月3日開催で、朝6時58分にロンドンのハイド・パークから出発する。
www.veterancarrun.com

より美しい景色を見るなら地方へ Autumn Colour
紅葉

ベテラン・カー・ラン

都心部でも樹木の豊かな公園や街路樹が整備されている英国では、近所を散歩するだけでも十分に冬の訪れを体感することができる。紅葉は早くて9月末から見られるが、本格的なシーズンは10、11月。ロンドンのキュー・ガーデンズ(www.kew.org)、エッピング・フォレスト、ハイゲート・ウッドなど、広大な公園や森林での紅葉狩りも楽しいが、より絶景を眺めるなら、湖水地方やスコットランドのハイランド地方などに足を延ばすことをお勧めしたい。これらの場所は未整備のぬかるんだ道が多いので、本格的なハイキングでなくとも、トレッキング・シューズを履いて臨むと安心して歩ける。

関連記事:ロンドンから気軽に行ける紅葉スポット

 

Exhibition at The National Gallery 2024-25 ナショナル・ギャラリーで開催の
エキシビション

記念すべき設立200年となる2024~25年にナショナル・ギャラリーで開催される大小のエキシビションの中から7つを紹介する。一つの作品をじっくり掘り下げる展示にも足を運んではいかがだろうか。

Information The National Gallery 10:00-18:00(金曜は19:00まで)
入場無料
(Van Gogh: Poets and LoversとSiena: The Rise of Painting 1300-1350はのぞく) 有料エキシビションのチケット価格はウェブサイトで確認を

Trafalgar Square, London WC2N 5DN
Tel: 020 7747 2885
Charing Cross/Leicester Square
www.nationalgallery.org.uk

The Last Caravaggio
2024年7月21日(日)まで

The Last CaravaggioMichelangelo Merisi da Caravaggio, The Martyrdom of Saint, Ursula, 1610 Oil on canvas , 143 x 180 cm, Intesa Sanpaolo Collection , Gallerie d’Italia - Napoli © Archivio Patrimonio Artistico Intesa Sanpaolo / foto Luciano Pedicini, Napoli, x5173

展示室46で観ることのできる「聖ウルスラの殉教」(The Martyrdom of Saint Ursula、1610年)は、バロック時代の天才画家、カラヴァッジオ(Michelangelo Merisi da Caravaggio、1571〜1610年)の最後の作品といわれており、今回、伊ナポリのザヴァロス・スティリアーノ宮から貸し出された。

13世紀の逸話「黄金物語」を主題に、フン族の王(画像左)からの結婚の申し込みを断ったため、至近距離から胸に矢を受けた初期キリスト教徒の英王女ウルスラ(同右)の姿が描かれている。怒り、暴力、死、罪、後悔、受容といったさまざまな感情が、大掛かりな背景なしに1枚の作品の中に込められており、あたかも舞台劇の1シーンのようだ。ウルスラの後ろにカラヴァッジオ自身の姿もひっそりと描かれていて、これがカラヴァッジオ最後の自画像ともなった。

The Triumphs of Caesar
2025年9月ごろまで

The Triumphs of CaesarL1323, RCIN 403958, Andrea Mantegna, about 1431-1506 The Triumphs of Caesar I: The Trumpeters, mid 1480s before 1506 Egg tempera on canvas, 270.3 × 280.7 cm. Royal Collection Trust / © His Majesty King Charles III 2023 The image may only be used for press and publicity purposes relating to the loan and only until the end of the loan.

展示室14で開催されるこのエキシビションは、イタリア・ルネサンスの画家アンドレア・マンテーニャ(Andrea Mantegna、1431~1506年)の連作「カエサルの凱旋」(The Triumphs of Caesar、1506年)6点が観られる貴重な機会。1630年に時の国王チャールズ1世が購入して以来、ロイヤル・コレクションとして400年近くにわたりハンプトン・コート宮殿が所蔵してきた。現在、同宮殿内のマンテーニャ・ギャラリー修復工事のため、昨年9月から2年間だけナショナル・ギャラリーに貸し出されているところで、同シリーズがこれほど長期間ハンプトン・コートを離れるのは初めて。

古代ローマ時代、ジュリアス・シーザーの凱旋パレードの模様を民衆の視点から生き生きと描いた連作で、「ガーディアン」紙は「トランペットの音が聞こえ、ゾウの糞の匂いまでしてきそうな」ほどの躍動感と評した。

Discover Degas & Miss La La
2024年6月6日(木)~ 9月1日(日)

Discover Degas & Miss La LaNG4121 Hilaire-Germain-Edgar Degas Miss La La at the Cirque Fernando, 1879 Oil on canvas 117.2 × 77.5 cm © The National Gallery, London

あまり知られていない傑作を新たな視点で紹介する「発見シリーズ」の第3弾として、フランス印象派の巨匠エドガー・ドガ(Edgar Degas、1834~1917年)による「フェルナンド座のララ嬢」(Miss La La at the Cirque Fernando、1879年)に焦点を当てたエキシビション。パリのサーカス団フェルナンド座の花形曲芸師であったララが、革のマウスピースを付けて空中にあがっていく姿を描いた同作のほか、ララを主題にした未発表作品、当時のララの写真なども併せて展示。

ドガはほかの印象派の画家とは異なり、屋外ではなく屋内の光や動きに惹かれ、「踊り子」シリーズをはじめ、19世紀末のパリの大衆演劇やオペラ座の舞台裏の様子が分かる作品を多く制作した。

Van Gogh: Poets and Lovers
2024年9月14日(土)~2025年1月19日(日)

Van Gogh: Poets and Lovers 左)NG3862, Vincent van Gogh, Van Gogh's Chair, 1888 Oil on canvas, 91.8 × 73 cm, © The National Gallery, London
右)NG3863, Vincent van Gogh, Sunflowers, 1888 Oil on canvas. 92.1 × 73 cm, The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1924 © The National Gallery, London.

わずか10年足らずの活動期間中に、約2000点の作品を制作した後期印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh、1853~90年)。今回の大規模なエキシビションでは、37年の短い生涯の最後の2年にあたる、南仏アルルとサン・レミで制作したゴッホの思想に焦点を当てる。この時代、「愛」に関連した詩的な想像力とアイデアがゴッホを制作に駆り立てた。その創造の源とは何だったのかを、オランダやフランスをはじめとした世界中の美術館や、個人コレクションから集めた50点以上の作品で振り返る。

多くの貸し出し作品に加え、ナショナル・ギャラリーが所蔵するゴッホの代表作「ひまわり」(Sunflowers、1888年)と「ゴッホの椅子」(Van Gogh's Chair、1888年)も展示。同館が1924年にこれらを購入してから100年の節目でもある。

Discover Constable and The Hay Wain
2024年10月17日(木)~ 2025年2月2日(日)

Discover Constable and The Hay Wain NG1207, John Constable, The Hay Wain, 1821
Oil on canvas, 130.2 × 185.4 cm, © The National Gallery, London

ザ・サンレイ・ルーム(The Sunley Room)で開催されている「発見シリーズ」の第4弾は、19世紀に活躍した英国の風景画家、ジョン・コンスタブル(John Constable、1776~1837年)による1821年の作品「ヘイ・ウェイン」(The Hay Wain)に焦点を当てる。200年以上経った現在でも、この絵は伝統的な英国の田舎のイメージと考えられているが、当時の観客の反応はどうだったのか。産業革命で刻々と変わりつつあった、そのころの英国における風景画の意義とは。本作や同時代画家による作品から、英国の風景画の社会的、政治的、芸術的な意味を探る。

また、「ヘイ・ウェイン」を制作した時点のコンスタブルのキャリアや、数年にわたって制作されたスケッチから最終作品を構成するプロセスにもスポットを当て、当時の画家たちに与えた影響なども紹介する。

Parmigianino: The Vision of Saint Jerome
2024年12月5日(木)〜2025年3月9日(日)

Parmigianino: The Vision of Saint Jerome NG33, Parmigianino 'The Madonna and Child with Saints John the Baptist and Jerome', 1526‒-7, Oil on poplar, 342.9 x 148.6cm © The National Gallery, London

展示室46で観ることのできるのは、マニエリスム初期のイタリアの画家パルミジャニーノ(Parmigianino、1503~40年)による、「聖母子と聖人たち」としても知られる「聖ヒエロニムスの幻視」(The Vision of Saint Jerome、1526~27年)。同作品は長年修復作業が続いていたが今回が10年ぶりの一般公開になる。パルミジャニーノが描いた多くの関連スケッチも併せて展示され、同作品制作までの過程を追う。

パルミジャニーノは伊北部パルマ出身で、幼いころから絵画を得意とし神童といわれた。21歳でローマに移り教皇に感銘を与え、「ラファエロ再来」と賞賛を受けた。今回展示される祭壇画は、パルミジャニーノのローマでの最初の大作といわれている。

Siena: The Rise of Painting 1300-1350
2025年3月8日(土)~6月22日(日)

Siena: The Rise of Painting 1300-1350 NG1139: Duccio Maestà - Panels, 1308-11 - The Annunciation Egg tempera on wood, 44.5 x 45.8 cm © The National Gallery, London

14世紀初頭の伊中部シエナには、ドゥッチオ(Duccio、1255/1260~1319年ごろ)、シモーネ・マルティーニ(Simone Martini)、そしてピエトロとアンブロージョ・ロレンツェッティ兄弟(Pietro and Ambrogio Lorenzetti)といった芸術家たちが次々に現れ、シエナ派と呼ばれる黄金時代を形成していた。このエキシビションでは、ゴシックからルネサンスへの橋渡しを果たしたシエナ派の魅力に迫る。特に中心人物のドゥッチオは、チマブーエ、ジョットとともに西洋絵画史上重要な画家の1人。ドゥッチオの代表作であるシエナ大聖堂の祭壇画「荘厳の聖母」(Maesta)には、上部の尖塔形部分や最下部にも板絵がはめ込まれていたが、現在では分割されて、ほかの美術館の所蔵になっている。今回のエキシビションではそれらの板絵が再結集し、一堂に展示される貴重な機会だ。

 

グローブ座でシェイクスピア作品を観よう Summer Season 2024

Globe Theatre

ロンドンのバンクサイドで異彩を放つ、茅ぶき屋根の円形劇場シェイクスピア・グローブ座では、現在毎年恒例のサマー・シーズンが開催中。本特集でエリザベス朝時代をおさらいをしたら、シェイクスピア作品を観てはいかがだろうか。10月まで順番に上演される6作品を紹介する。

シェイクスピア・グローブ座とは

Globe Theatre

シェイクスピアが活躍したエリザベス朝時代を今によみがえらせる、茅ぶき屋根の円形劇場。もともとは1599年にロンドンのバンクサイドに建てられ、座付き作家であったシェイクスピアの数々の名作の初演が行われたことで知られる。しかし、1613年に「ヘンリー8世」の舞台を上演中、小道具の大砲が茅ぶき屋根に燃え移り全焼。再建後1642年にもピューリタン革命の影響で閉鎖を余儀なくされたが、1997年、約400年の時を経てほぼ同じ場所に当時の姿で忠実に再現された。円形の建物の中央は当時と同じく平土間となっていて、屋根がない。そのためここで舞台を観る人は席もなく、雨が降れば濡れる立見席。それでも当時の雰囲気を楽しめるとあって人気が高い。グローブ座では現在、毎年4~10月にかけて、シェイクスピア作品を上演する「サマー・シーズン」のほか、グローブ座の歴史を紹介してくれるツアー(4~10月)もある。


Shakespeare's Globe
21 New Globe Walk, London SE1 9DT
Tel: 020 7401 9919
料金: £5〜75(Rough Magicは£15〜30)
最寄り駅: London Bridge / Blackfriars
www.shakespearesglobe.com

Much Ado About Nothing
「空騒ぎ」 2024年4月25日(木)~ 8月24日(土)

Much Ado About Nothing

2組の恋人同士が、策略や勘違いなどさまざまな試練を乗り越えて結ばれる、シェイクスピア中期のロマンチック・コメディー。名誉や侮辱、宮廷政治のあれこれといったこの時代ならではの道徳や風習が散りばめられた作品で、階級も立場も異なる2組のカップルのストーリーが平行して進んでいく。強くて自立した女性ベアトリスの毒舌ぶりが見もの。演出は、斬新な手法で人気の高いショーン・ホームズ。日本で2023年に「桜の園」と「リア王」を手掛けた演出家としても知られている。

Richard lll
「リチャード三世」 2024年4月9日(木)~ 8月3日(土)

リチャード三世

バラ戦争の渦中にある15世紀のイングランドを舞台に、王位継承のために兄や政敵を次々に亡き者にしていくヨーク家のリチャードを描いた歴史劇。生まれながらの不具であることに加え、残忍で狡猾だが機知に富み皮肉家な役柄であることから、俳優にとってはシェイクスピア劇の中でも「やりがいのある役」の一つとして人気が高い。今回は芸術監督のミシェル・テリーが主役を兼任。ただリチャード3世は側弯症だったこともあり、主役は体に障害を持つ俳優がやるべきとの声もあった。

The Taming of the Shrew
「じゃじゃ馬ならし」 2024年6月6日(木)~ 10月26日(土)

じゃじゃ馬ならし

気性の激しい女性をその婚約者があらゆる方法で「調教」し、ついには貞淑な妻に変身させるという、見もふたもないストーリーが展開するシェイクスピア初期のコメディー。現代においては女性蔑視といわれても仕方のない物語が、どのように演出されるのか興味深い。この作品は発表当時すでに過激な展開を心配する批評家もいたほか、ヴィクトリア朝時代の劇作家、ジョージ・バーナード・ショーも「まともな感情を持った男だったら、最後まで女性と一緒に観る勇気はない」と発言している。

Antony & Cleopatra
「アントニーとクレオパトラ」 2024年8月4日(日)~ 9月15日(日)

アントニーとクレオパトラ

ローマは男性が統治する帝国で、エジプトは女性が統治する王国。ローマの将軍アントニーはエジプトの女王クレオパトラに恋をし、2人の情熱が世界の秩序を混乱させ、何千もの命を危険にさらしていく。シェイクスピアが哲学者プルタルコスの「英雄伝」を基に描いた歴史劇。今回は話し言葉と手話を使った画期的なバイリンガル作品となっている。クレオパトラを演じるのは、「お気に召すまま」でセリアを、「ハムレット」でギルデンスターンを演じた聴覚障害のある俳優ナディア・ナダラジャ。

The Comedy of Errors
「間違いの喜劇」 2024年8月21日(水)~ 10月27日(日)

間違いの喜劇

幼少のころ生き別れになってしまった双子の兄弟と、その2人に仕える双子の召使いが巻き起こす騒動を描く、楽しいドタバタ・コメディー。シェイクスピア劇の中で最も短い作品の一つだ。1594年12月28日に、ロンドンのグレイズ・イン法学院で演じられたのが初演とされている。双子のアンティフォラス兄弟と、その召使いで同じく双子のドローミオ兄弟。兄弟は敵対する国にそれぞれ分かれて暮らしていたが、あるとき弟たちが兄を探すため兄の住む国へ行ったことから混乱が巻き起こる。

Rough Magic
「ラフ・マジック」 2024年7月20日(土)~ 8月24日(土)

ラフ・マジック

シェイクスピア作品ではないが、「マクベス」の登場人物である3人の魔女を主人公に心躍る冒険を描いた、家族そろって楽しめる夏休みならではのステージ。歌あり踊りありで観客たちも客席から参加できる。ほかのシェイクスピア作品からの引用なども多いので、子どもはもちろんシェイクスピア初心者にもぴったり。オリヴィエ賞にノミネートされた「ミッドサマー・メカニカル」に続き、グローブ座とスプレンディッド ・プロダクションズが手を組んだ上質の家族向けステージが展開する。本作品はグローブ座敷地内の別会場サム・ワナメイカー・プレイハウスで上演。ジェームズ1世時代の劇場をモデルにした小さな屋内劇場だ。

2024年9月13日(金)〜10月26日(土)には、劇作家で俳優のアン・オデックによる新作「Princess Essex」(「プリンセス・エセックス」)がサマー・シーズンを締めくくる。エドワード王朝時代にビューティー・コンテストに出演した黒人女性を主人公にしたコメディーで、オデックが主役を演じる。
 

2人の大物女性アーティストがロンドンで展覧会を開催 オノ・ヨーコ / ジネブ・セディラ

2人の大物女性アーティストがロンドンで展覧会を開催 YOKO ONO / ZINEB SEDIRA
オノ・ヨーコ / ジネブ・セディラ

西洋中心主義、もしくは男性中心主義的だったアート業界が、黒人や女性、そのほかのマイノリティー・グループに属するアーティストたちの作品を率先して紹介するようになって久しい。女性アーティスト、黒人アーティストという区別化した呼称も次第に使われなくなってきている。ここでは、現在ロンドンで開催されているそうした展覧会を二つ紹介する。現代よりも社会の構造や基準に多様性がなかった時代を生き抜いてきた、オノ・ヨーコと、植民地主義という負の遺産を長く引きずる社会を体現したジネブ・セディラ。この2人の大規模な展覧会の様子を伝える。(文: 英国ニュースダイジェスト編集部)

パフォーマンス・アートの先駆者YOKO ONO: MUSIC OF THE MIND

Yoko Ono

PROFILE Yoko ONO(小野洋子) 前衛芸術家、音楽家、平和運動活動家。1933年2月18日東京生まれ。父親は日本興業銀行総裁を務めた小野英二郎の三男、母親は安田財閥の祖である安田善次郎の次女。56年に米ニューヨークのサラ・ローレンス大学を中退し、作曲家の一柳慧と結婚。前衛芸術活動を始める。59年、前衛芸術グループのフルクサス(Fluxus)に参加。66年、現代芸術協会の招きでロンドンへ。69年にジョン・レノンと結婚し、共に平和活動、音楽、創作活動を行う。2000年代になってから再評価が高まった。

英国ではいまだに「ビートルズを解散させた女」といわれ、ジョン・レノンの妻というフィルターを通して見られることが多いオノ・ヨーコ。だがオノ自身は1950年代半ばから米ニューヨークでアーティストとして活動しており、コンセプチュアル・アートや参加型アート、パフォーマンス・アートの先駆者の一人でもある。テート・モダンで開催されるこの展覧会では、オノ・ヨーコが70年にわたり制作したこれまでのパワフルな作品200点以上を一挙に紹介。言葉、楽譜、インスタレーション、映画、音楽、写真など多様な方法で、オノが現代カルチャーに影響を与えた軌跡を振り返る。

オノの作品はメッセージ性が強いことが特徴だが、その表現方法は詩的で時としてユーモラスだ。初期の作品にはその特徴がよく表れており、同展覧会ではその例として1953~61年のインストラクション・アートを紹介している。インストラクション・アートは作者が鑑賞者に向けて指示(instruction)を出すスタイルで、見る者は指示に従って作品を想像し、経験し、完成させる。オノの指示には、FLYやTOUCHのような簡単な動詞、または「心臓の鼓動を聴く」、「街の水たまりを全て踏む」といった鑑賞者の想像力に訴えるさまざまな指示がある。同展ではこれまで見ることのできなかった初期のインストラクション・ペインティングや、自費出版アンソロジー「グレープフルーツ」の草稿展示のほか、64年のパフォーマンス「Bag Piece」を実際に体験できる。

Yoko Ono, FLY 1970-71

展覧会のメインは、1966年以降のロンドン滞在中に生み出された過激な作品の数々だ。将来の夫であり長年のコラボレーターであるジョン・レノンとの出会いをもたらした、今はなきインディカ・ギャラリーでの展示作「Apple」(66年)や、ロンドンのリッソン・ギャラリーの「Half-A-Room」(67年)をはじめ、英国で上映禁止になった短編「フィルムNo.4」(別名「Bottoms」)などが展示。また、ハエが裸の女性の体を這う様子がオノの声と共に流れる「FLY」(70~71年)や、ブラジャーを脱ごうとしてもがく様子を収めた「Freedom」(70年)など、フェミニズムを主題にした映像作品も観ることができる。

Yoko Ono, Film No. 4 (Bottoms) 1966.

60年代以降は、アートとグローバルなメディアを融合させ、平和運動に力を注ぐ作品が増えた。69年にはベトナム戦争に反対し、「WAR IS OVER!(if you want it)」のキャンペーンを行い、映画「BED PEACE」(69年)は、オノがジョン・レノンと共にアムステルダムなどで行った有名な「ベッドイン」のイベントを記録。同展ではオノが2016年に始めたプロジェクト「Add Colour(Refugee Boat)」も展示される。これはギャラリーの白い壁と白いボートに鑑賞者が各々絵の具で色を描き加えるようにしたもので、移民問題について考えることを促すような工夫がされている。

最後のスペースには、「My Mommy Is Beautiful」(2004年)を展示。これは参加型インスタレーションで、鑑賞者が自分の母親の写真を貼り付け、個人的なメッセージを付けることのできる15メートルの壁からなる。また、1996年に初めて実現したインタラクティブなアート作品「Wish Tree」がテート・モダンの入り口で訪問者を迎える。これは七夕の短冊のように、通りすがりの人々が平和の願いを木に吊るすことができるもの。世界に争いが絶えない昨今の状況では、特別な意味を持つはずだ。

EXHIBITION INFO Tate Modern 2024年9月1日(日)まで
10:00-18:00 
£22
Bankside, London SE1 9TG
Tel: 020 7887 8888
Southwark/Blackfriars/St Paul's駅
www.tate.org.uk

アルジェリアの歴史を体現Zineb Sedira: Dreams Have No Titles

Zineb Sedira

PROFILE Zineb SEDIRA(ジネブ・セディラ) 映像アーティスト。1963年パリ郊外ジュヌヴィリエ生まれ。86年にロンドンに移住し、セントラル・セント・マーチンズ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツなどでアートを学ぶ。現在はロンドン南部ブリクストン在住。初期の作品では自身の家族の経験に基づいたテーマが多かったが、近年ではさまざまな歴史的な題材にも取り組んでいる。英アーツ・カウンシル、グラスゴー現代美術館、ウルヴァーハンプトン芸術博物館、ヴィクトリア&アルバート美術館などに作品が所蔵されている。

ホワイトチャペル・ギャラリーで開催されている「夢はタイトルを持たない」と題されたこの展覧会は、2022年第59回ヴェネツィア・ビエンナーレのフランス館でも発表された彫刻、音楽、パフォーマンス、映像からなるマルチメディア・インスタレーション。1960~70年代にフランス、アルジェリア、イタリアで制作された政治色の強い映画作品とセディラ自身の過去を交錯させ、フィクションと現実の境界をあいまいにした没入型のインスタレーションだ。

作品を観る上で必要なジネブ・セディラの生い立ちを先に伝えると、セディラは1963年にアルジェリアからの移民の子としてパリ郊外ジュヌヴィリエ(Gennevilliers)で誕生。子ども時代にゲットーのような移民街で暮らし、両親がひどい差別に遭うのを見て育ったという。アルジェリアは62年にフランスの植民地支配から独立したばかり。武装蜂起や鎮圧など双方の国に犠牲者が出て、当時はアルジェリア問題が人々の心を占めていた時代だった。また、映画によって人々の団結を訴えようとする前衛的な映画作品が多く制作されていた時期でもあった。当時映画館で上映されていた、アルジェリアのフランスからの独立までを描いた「アルジェの戦い」(66年)などの映画が、その後のセディラの作品に大きく影響を与えたという。

Installation view from Dreams Have No Titles at the Venice Biennale 2022 Photo: Thierry Bal

セディラはホワイトチャペル・ギャラリーの展示スペースを、かつてこうした社会変革のために作られた映画のセットに変えている。前述の「アルジェの戦い」はもちろん、あるスペースでは、イタリア人監督エットーレ・スコラの映画「ル・バル」(83年)のダンス会場になり、会期を通して本物のタンゴ・ダンサーが指定の時間に登場する。またそこで流れるのは「ル・バル」を模してセディラ本人がダンサーを演じる映像で、それを撮影するクルーたちの姿も収められている。そしてさらには、それを鑑賞する現在の来場者たちの姿も映し出され、自分が入れ子状態になった作品の一部に取り込まれていることに気が付くという具合だ。また別のスペースでは、セディラのロンドンの自宅のリビング・ルームを再現。展示で使用されている映画やフィルム・ポスター、オブジェなどが壁や棚に並べられており、鑑賞者は、実際にソファに座って読書したり、考えたり、おしゃべりをしたり、テレビを見たりすることができる。そこで流れる映像では、英アーティストのソニア・ボイスとキュレーターで現在のホワイトチャペル・ギャラリーのディレクター、ジレーヌ・タワドロスが、90年代のロンドンのアートついて議論しており、この作品も気が付くと鑑賞者がインスタレーションの一部になっている。

Installation view from Dreams Have No Titles at the Hamburger Bahnhof – Nationalgalerie der Gegenwart, Berlin2023

上階のスペースでは、メインとなる映像作品「夢はタイトルを持たない」を上映するための映画館が作られている。ここでセディラは、過去の映画からの引用や再現、記録映像の断片、政治的なビラなどのオブジェを使いながら、自らの生い立ち、アルジェリアの独立、移民の歴史などを語る。個人の記憶と集団の記憶との境界が曖昧になるよう語っているのが特徴だ。本展覧会を通して、セディラはフィクションと現実、現在の自分と過去の歴史、鑑賞者と参加者といった対比が固定されたものではないこと、物事を外側からではなく内側から捉えてみようと訴え、社会の動きに傍観者とならないよう、私たちに参加を促しているのだろう。

EXHIBITION INFO Whitechapel Gallery 2024年5月24日(金)まで
火・水、金〜日 11:00-18:00
木 11:00〜21:00
£12.50
77-82 Whitechapel High Street, London E1 7QX
Tel: 020 7522 7888
Aldgate East駅
www.whitechapelgallery.org
 

MCM London Comic Conがロンドンに帰ってくる!

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ポップ・カルチャーの祭典MCM London Comic Conがロンドンに帰ってくる!

MCM London Comic Conがロンドンに帰ってくる!

パンデミックの影響で開催が延期されていたMCM London Comic Con(MCM ロンドン・コミコン)が完全復活!ポップ・カルチャーを愛する全ての人に贈る、最高の3日間がロンドンのExCeL Londonで5月27〜29日に開催される。著名な声優陣からサインがもらえたり、ESEA(East and Southeast Asian)カルチャーを楽しめるブースなど、多数のイベントが目白押しだ。

MCM コミコンの魅力

豪華なゲストに会える

豪華なゲストに会える

「僕のヒーローアカデミア」の爆豪勝己役、「進撃の巨人」のコニー役の吹替版を担当した声優クリフォード・チェイピン(写真左)や「アバター伝説の少年アン」ズーコ王子の声を担当したダンテ・バスコ(同右)など、アニメや映画界で活躍する人気俳優や声優たちが多数登場。ゲストによっては写真撮影ができたりサインがもらえたりと、ファンにはたまらないイベントだ。

Pop AsiaでESEA カルチャーを体感

Pop AsiaでESEA カルチャーを体感

オタク、J-Pop、K-Popなどアニメから最近のミュージック・シーンまで、アジアのカルチャーに特化した「ポップ・アジア」では、K-popのステップを学ぶダンス・イベントが行われるパフォーマンス・ステージや、千羽鶴を折るワークショップ、漫画の基本を理解するマンガ・デッサンなどが体験できる。休憩にはうどんやたい焼きなど懐かしい味で体力をチャージしよう。

実際にゲームで遊べる

実際にゲームで遊べる

サイド・クエスト・エリアでは友人との対戦プレイ、黙々とソロ・プレイなど、さまざまな形で最新ゲームからレトロなゲーム、ボードゲームまで、あらゆるゲームが楽しめる。また持参したゲーム機で遊んでOKなスペースも設置。週末には、三つのゲームに挑戦し最高得点をマークしたら賞品がもらえる「MCMサイド・クエスト・チャンピオンシップ」が開催される。

才能あふれるクリエーターと会話

才能あふれるクリエーターと会話

アーティスト・アレーでは、国際的に活躍するクリエーターやアーティスト、また漫画を愛する人が作るファン・アートや自主制作の漫画が購入できる。オンラインで手に入れられなかった貴重なバックナンバーや、アニメにこだわらないクオリティーの高いオリジナルのアートなど、さまざまな作品が出展。作り手と直接会話ができ、互いの熱意を交換できるのも魅力だ。

好きなヒーローに会える

好きなヒーローに会える

ツリーハウスでは、大人はもちろん、子どもが存分に楽しめるイベントがいっぱいだ。漫画のキャラクターが選べるフェイス・ペインティングや子ども向けの本が読めるミニ図書館などのほか、自分でデコレーションするフェイス・マスクやマグカップなどのワークショップもある。また、親も安心の休憩スペースが完備されているので、子どもが疲れてぐずっても大丈夫。

舞台裏を知る多数のパネル・セッション

舞台裏を知る多数のパネル・セッション

会場には多数のステージが設けられ、公演やダンスなどさまざまイベントが開催される。コスプレ大会はもちろんのこと、その道のプロによる自身のコスプレをアップグレードするテクニックや漫画作りに必要なチームワークについて、リーグ・オブ・レジェンドの音楽の秘密、フィクションにおけるLGBTQ+の表現方法……など、新たな知識を得られる公演がいっぱい。

人気のイベントなので早めにご購入を!チケット好評発売中!

MCM London Comic Con

MCM London Comic Con 5月27日(金)〜29日(日)

27日(金) プライオリティー・エントリー 10:00-18:00
( ジェネラル・エントリーは12:00〜)
28日(土) プライオリティー・エントリー 9:00-19:00
(ジェネラル・エントリーは11:00〜)
29日(日) プライオリティー・エントリー 10:00-17:00
( ジェネラル・エントリーは12:00〜)

エントリー・チケットに含まれるもの

  • 最新のコンソール、PC、レトロゲームに加え、ボードゲームと「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のプレイ
  • 折り紙ワークショップ
  • マンガ・デッサン・ワークショップ
  • 日英両方を操るラッパー、シャオ・ダウのライブ・パフォーマンス(29日)や武道クラブ、ウーティアン・マーシャル・アーツ・インスティチュート(28日)による指導
  • 英国の相撲チャンピオンであるマンディープ・シン・クンディによるライブ・デモンストレーション(27日)

会場: ExCeL London
One Western Gateway, Royal Victoria Dock, London E16 1XL
Custom House for ExCeL(DHL)
Tel: 020 8271 2135
mcmcomiccon.com
※チケット購入は11歳以上。同伴の場合、10歳以下の子どもは無料

 

注目の新作映画

ロックダウンの影響で、自宅での映画鑑賞が主流となった英国だが、規制ルールが緩和され、大画面での映像体験が日常に戻ってきた。劇場のみの公開作品が大部分を占めるようになってきたので、映画館を訪れる際は各ウェブサイトで鑑賞の注意点を事前に確認してほしい。

Bull

英国アカデミー賞受賞の経験がある英監督ポール・アンドリュー・ウィリアムズの最新スリラー。行方不明となっている自身の息子を探すため、再び動き出した元ギャングで殺害担当のブル。かつて自分を裏切った仲間たちに、残忍かつ非情な復讐劇を次々と仕掛けていく。ブル役のニール・マスケルはドラマ・シリーズ「ユートピア」や「ピーキー・ブラインダーズ」など数多くのスリラー、犯罪ドラマに出演する実力派俳優。暴力的な描写の中に垣間見える繊細な心の動きにも注目したい。

11月5日(金)公開(劇場のみ)(18)87分
(Paul Andrew Williams)
Neil Maskell, David Hayman, Tazmin Outhwaite
www.signature-entertainment.co.uk

Spencer

死後20年以上経ってもメディアに頻繁に取り上げられるダイアナ元妃をフィーチャーしたドラマ。チャールズ皇太子との仲も冷え込み、二人の関係についてさまざまな噂や憶測が飛び交うなかで迎えた1991年のクリスマス。サンドリンガム宮殿に王室メンバーが集まって食事や射撃を楽しみ、平和なムードに包まれる一方で、ダイアナ元妃は自身の心の中である決心を固めていた。本作はその数日間に起こった出来事を描いている。ダイアナ元妃役には映画「トワイライト」シリーズで名を広めたクリステン・スチュワート。

11月5日(金)公開(劇場のみ) (12A)111分
(Pablo Larraín)
Kristen Stewart, Timothy Spall, Jack Farthing
www.spencer.film

You Will Die at Twenty

洗礼式で「20歳で死ぬ」と予言された少年の誕生から20歳になるまでの人生を描いたスーダン発のドラマ。宗教観の厳しい同国の村に生まれた少年ムザミルは、先の予言から過保護になった母親と暮らし、村人から「死の息子」と呼ばれ罵倒される日々を過ごしていた。絶望的な毎日に一筋の光が見えたのは、ある撮影監督に出会ったことだった。撮影のいろはを教わるうちに、ムザミルは自国のルーツである伝統的な価値観と、生きることへの抑えきれない情熱との間で揺れ動くことになる。

11月12日(金)公開(劇場のみ) (12A)105分
(Amjad Abu Alala)
Mustafa Shehata, Islam Mubarak, Mahmoud Maysara Elsaraj
www.newwavefilms.co.uk

Ghostbusters: Afterlife

コメディー映画「ゴーストバスターズ」の32年ぶりの続編。原因不明の地震が発生する米国の田舎町に引越してきたシングル・マザーのカリー、息子のトレヴァー、娘のフィービーの3人家族は、あるきっかけから祖父が残した遺産の秘密と、ゴーストバスターズとのつながりを知る。ビル・マーレイやダン・エイクロイドなど、オリジナル作品で活躍した俳優たちも多数登場し、ファンにはたまらない演出も。監督は同シリーズの1、2作目でメガホンを取ったアイヴァン・ライトマンの息子、ジェイソン・ライトマン。

11月18日(木)公開(劇場のみ) (12A)124分
(Jason Reitman)
Carrie Coon, Finn Wolfhard, Mckenna Grace
www.sonypictures.co.uk

 

大英博物館でお披露目
再発見された北斎の作品

日本を代表する浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849年)の特別展が現在ロンドンの大英博物館で開催中だ。「失われた作品」と呼ばれる北斎の未公開作品100点余りが世界で初めて一般公開されている。

‘Meijian Chi avenges himself on his enemies with the sword’ 中国の怪奇譚から取られた、宿敵に復讐する眉間尺‘Meijian Chi avenges himself on his enemies with the sword’ 中国の怪奇譚から取られた、宿敵に復讐する眉間尺

なぜ「失われた作品」なのか

北斎の晩年ともいえる1820~40年代に、図鑑「万物絵本大全図」のために制作した肉筆画(版画用の下絵)103点。何らかの理由で図鑑は発表されず、どういった経緯でかそれらの肉筆画はパリに渡り、長くフランス人の個人収集家に所有されていた。1948年に1度パリのオークションに登場したが、そのときもプライベート・コレクションとして収蔵され、以来所蔵者が分からなくなったまま70年近い月日が経過。2019年にパリで再発見され、翌年に大英博物館が購入した。

「万物絵本大全図」とは

庶民が興味を持つ森羅万象の物事をハガキ大の版画でコンパクトにまとめた図鑑で、江戸末期には多くの絵師がこうした図鑑を刊行していた。北斎も、神話や宗教、歴史上の人物、動物や植物、そして庶民の生活など、中国やインドなどの海外 をも含めた森羅万象の図103枚を描いた。しかし、これらの下絵は版木に彫られることなく版画図鑑として刊行されることもなかった。通常、浮世絵の下絵は版木に写しとられる過程で版下として廃棄されることが多い。この103枚は版画が彫られ ることがなかったゆえに肉筆画コレクションとして生き延びることになったのだ。今回、展示と併せて大英博物館から出版された「Hokusai: The Great Picture Book of Everything」(「万物絵本大全図」)は、初めて本来あるべき姿に印刷されたということになる。

‘Various aquatic birds’ さまざまな水鳥を描いたもので、中央下のカモは後に北斎が別の作品に流用した‘Various aquatic birds’ さまざまな水鳥を描いたもので、中央下のカモは後に北斎が別の作品に流用した

Hokusai: The Great Picture Book of Everything

2022年1月30日(日)まで 
10:00-17:00(金は20:30まで) 
£9(土・日は£11)

The British Museum(Room 90)
Great Russel Street, London WC1B 3DG
Tel: 020 7323 8181

www.britishmuseum.org/hokusai

 

ハロウィンにぴったりの日本映画
J-Horror Weekender / 10月29日~31日

BFIでは100 Years of Japanese Cinemaと並び、ハロウィン時期に合わせたジャパニーズ・ホラーのミニ特集も開催。欧米でリメイクされ「J-Horror」という言葉も生み出した人気作品6本を紹介する。

リング(15)
Ring(1998年、96分)

Ring

10月29日(金)18:10 NFT2

監督: 中田秀夫
出演: 松嶋菜々子、中谷美紀、真田広之

仄暗い水の底から(15)
Dark Water(2002年、101分)

Dark Water

10月29日(金)20:30 NFT2

監督: 中田秀夫
出演: 黒木瞳、菅野莉央、小口美澪

Cure キュア(15)
Cure(1997年、115分)

Cure

10月30日(土)18:00 NFT2

監督: 黒沢清
出演: 役所広司、萩原聖人、うじきつよし

回路(15)
Pulse(2001年、119分)

Pulse

10月30日(土)20:40 NFT2

監督: 黒沢清
出演: 加藤晴彦、麻生久美子、小雪

オーディション(18)
Audition(1999年、115分)

Audition

10月31日(日)15: 20 NFT3

監督: 三池崇史
出演: 椎名英姫、石橋凌、國村隼

殺し屋1(18)
Ichi the Killer(2001年、128分)

Ichi the Killer

10月31日(日)18:00 NFT3

監督: 三池崇史
出演: 浅野忠信、大森南朋、塚本晋也

 
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