「日本には非常にクリエイティブで優れたアニメーション作品が多く存在する。また、一般にフランスでは『アニメ=子供向け』であるのに対し、日本には子供も大人も、さまざまな世代が楽しめる作品が存在することが重要だ」と語るのは、本映画祭の代表および芸術監督を務めるイヴ・ブーヴレ氏。これまでも本映画祭はアニメーション作家の高畑勲、山村浩二両氏を招いたり、手塚治虫氏のオマージュ企画を実現している。
そして今回、一昨年前に開催された日本映画祭「Kinotayo」で映画「マインド・ゲーム」を知り、湯浅政明監督の才能に惚れ込んだブーヴレ氏のオファーによって、同作の映画祭出品&湯浅氏のゲスト来場が実現した。
湯浅氏は現在、4月より放送が開始されるTVシリーズ「カイバ」の制作中。多忙を極める中での来仏だが、2月7日にはForum des image主催による本映画祭関連イベントにも参加した。
湯浅氏が影響を受けたさまざまなアニメ作品および自身の手掛けた作品それぞれを1シーンずつ紹介し、アニメーションの魅力、そして氏の創り出す作品、たぐいまれなイマジネーションの秘密に迫るこのイベント。会場を埋め尽くす観客の暖かな拍手に迎えられた湯浅氏は「日本ではこんなにたくさんの観客を前にしたことはありません。フランスに来られてうれしい」と挨拶を述べた。

「トムとジェリー」や「タイガーマスク」など影響を受けた作品から、「恥ずかしくて見られない」という初めて絵コンテを手掛けた「落語館」、アニメーターとして参加した「ちびまる子ちゃん」や「クレヨンしんちゃん」、映画監督第一作目にして傑作「マインド・ゲーム」、そして新作「カイバ」から出来立ての映像など、合計20シーンあまりを上映。ファンならずとも心ふるわせる映像の数々に観客の目は釘付け。さらに、過去や制作当時の思いを踏まえ、自身の価値観で一作品ずつ解説が行われるという、なんとも豪華な一夜となった。


© KAJIWARA Ikki - TSUJI Naoki / Kôdansha - Tôei Animation

© 2004 MIND GAME Project
上映終了後も、初めて目にした湯浅作品に衝撃を受けた観客から次々と質問を受け、サイン攻めにあった湯浅氏。3時間という長さを感じさせるどころか、すっかりフランス人の心を掴んでしまったようだ。
Image par image:3月9日(日)まで開催
「カイバ」:4月よりWOWOWにて放送開始








