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英仏バイリンガル幼稚園・小学校
lun 22 octobre 2018

国立図書館での「ウィークエンド・ジャポン」−−東日本大震災イベント

パリのフランス国立図書館で3月14日(土)、4年目を迎えた東日本大震災のイベントの一環として、日仏女性劇団 Séraph(セラフ)による「La Vague」の公演が行われました。

この作品はリシャール・コラス氏のフランス語原作「L’océan dans la rizière」(2012年3月Seuil社)の日本語版「波 — 蒼佑、17歳のあの日からの物語」(松本百合子翻訳 2012年12月集英社)を基に、Séraphの岡田小夜里監督によって脚本、演出、演劇化されたものです。日本語翻訳本「波」の帯で稲垣吾郎が評するように、人間の尊厳とはなにかを震災を通して考えさせてくれる作品です。

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コラス氏は、約40年日本に暮らし、95年よりシャネル日本法人代表取締役社長を務める傍ら、日本に関する小説、「遙かなる航跡」(集英社インターナショナル)「紗綾―SAYA」(ポプラ社)など、多数執筆しています。
まず、200人収容の小ホールでコラス氏の講演が行われました。

東日本大震災は東北地方に死者1万5842人、行方不明者3475人、けが人5890人を出しました。

コラス氏が地震から1カ月後に被災地を訪れ撮影したスライドをバックに、同氏が実際に目にした被災地の様子が語られました。同地の避難所には子どもから老人までの女性しかおらず、男性は行方の分からない家族を探しに出かけていたこと、辺りは腐敗したような海の、あるいは海藻の強い匂いが漂っていたこと、etc。

災害発生から1カ月間、人はショック、パニックなどで茫然自失の状態ですが、その後は将来に向け、具体的な行動に出る準備をするようです。

同氏は、常に災害で家族を失った人々のことを思わずにはいられないと言います。

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講演会の後は大ホールで演劇La Vagueの上演です。

劇団セラフは、日本人とフランス人女性により、それぞれの文化を照合し、その融合によって生まれる新しい表現を探求する、1992年に設立された女性だけの劇団です。女性の特性、そして日本、フランスというものを踏まえて、舞台での表現を探求する−−−主題は女性。フランス、およびフランス語圏において活躍する数少ない国際派劇団として日本文化を紹介しています。

−−蒼佑(そうすけ)は11年3月11日、17回目の誕生日に家族の全てを失った。始まったばかりの恋も波にさらわれ、終わった。ひいばあちゃんに聞かされていた「大津波」が町を飲み込んだのだ。過去を失った者に、果たして未来はあるのだろうか?−−
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(C)Japonaide

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(C)Yoriko Saito

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(C)Miho Matsumoto

ストーリーはフィクションですが、最後に被災者が語ったセリフは、コラス氏が実際の被災地で聞いた、そのままの言葉……。

迫真の演技に何度も目頭が熱くなりました。会場では悲しくてすすり泣く子ども、それにつられて涙があふれた大人もいたようです。

11年に東北で起きた津波災害の規模の大きさ、傷の深さを表現しながら、決して忘れてはならないことへの意義を強調し、災害時に生まれた絆、人間愛の素晴らしさ、相互協力の尊さを語る、感動の作品でした。

世界では 福島のことが大きく注目されている感がありますが、津波被害にあった地域にもたくさんの犠牲者が出たことに改めて気付かされました。

コラス氏が被災地に赴いたとき、何ができるのか救助センターの責任者に尋ねたそうです。すると、物資はもう十分あるが、精神的、心のケアが圧倒的に少ないとの答え。シャネルはフランスでの経験で、女性のがん患者で化粧や肌の手入れを施した人の回復がそうでない人に比べて早いことを知っていたので、シャネル・ジャポンは被災地の女性たちに化粧のサービスを行うことにしました。美しさを引き出す手伝いをすることで、女性は美、女性であることを再認識するのです。

被害の規模は計り知れませんが、人々の心にも深い爪痕を残した東日本大震災。自分にできることは何か、問い直してみました。
 

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