この発明により、絵画では再現が難しい精密描写の大量作成が可能となり、写真黄金時代の幕開けとなる。
そして、1884年にはガラス版タイプだった感光剤が、イーストマン・コダックによって現在でも使用されている持ち運びの便利なフイルムタイプにかわり、写真機も小型機が多く誕生した。
写真の特性といえば、印刷同様に同じ内容の写真を大量に複製できるという点にある。とはいえ、この複製も元となるフイルムを始めとする原盤があって初めて可能になること。
そこで、フランス政府は80年代にフイルムを保存する施設の建設を計画し、90年代に初頭に、「建築、国立世襲財産保存センター(La médiathèque de l’architecture et patrimoine)」を誕生させ、同施設内に写真アーカイブ(Archives photographiques)を作った。現在、写真アーカイブ本部となるベルサイユ近郊の、サンシール要塞には200~300万点のフイルムが保存されている。
この施設には、パリ・コミューン、パリ・オスマン大改造計画時代のパリの写真を始め、フランスや旧フランス植民地の建築物などの貴重なフイルムや、2001年からは著名写真家のフイルムも扱うようになり、19世紀パリの写真家ナダール、19世紀後半から20世紀前半のパリを撮ったアッジェ、20世紀の写真界に大きく貢献したアンドレ・ケルテスなどの作品が所蔵されている。
デジタルカメラ全盛期の現在、銀塩写真は徐々に衰退の道を辿っているが、銀塩写真の描写力は、現在でもデジタルでは再現不可能なぐらいに優れている。
需要が無くなれば、いずれ銀塩カメラも世の中から完全に姿を消してしまうのだろうが、いつか銀塩が見直され再注目されるようになる頃に過去の作品を再現できるように、今後も引き続きフイルムの収集と保存を続けてもらいたいもんだ。
建築、国立世襲財産保存センターについて:
http://www.mediatheque-patrimoine.culture.gouv.fr

サンシール要塞

館長のパリゼ氏

パリゼ氏と日本大学の高橋教授

まだ、カテゴリ別に分けられていないフイルムの数々

フイルムだけでは無く、印画紙にプリントされた写真もある

カテゴリ別に保存されたフイルムは技術者によって再プリントされることも

データベース作成のために、保存されているフイルムはデジタルスキャンされる

ガラス版に敢行されたオートクロームフイルムは、特殊な機械で分析された後にスキャンされる

オリジナルの色に近づけるために色温度の調節された明かりの下で調べる

スキャンされた画像は、オリジナルと見比べて微調整される

19世紀から20世紀初頭パリで活躍した、ダゲールが請け負った
(ダゲールスタジオ)写真の注文票

膨大な資料のダゲールスタジオの帳簿類
(Photo by Jimmy)








