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フランスニュースダイジェスト
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lun 21 mai 2012

シャンベリーようこそ我が町へ

ローヌ=アルプ地域圏サヴォワ県シャンベリーから


芯から温まるサヴォア風ポテ

これまでレストランやお呼ばれで沢山の美味しいフランス料理を食べてきたけれど、私の心に今でもはっきりと記憶に刻まれている料理はそう多くはない。私の記憶力の問題?なのか贅を尽くしたシャトーレストランの食事などは、その時は繊細な料理や飾り付けに感動一押しなのに今それを口で説明しようとするととても難しい。

そんな私でもなぜか今でも鮮明に思い出せる料理があります。

それは夏期講座でフランス語を始めたばかりの頃リヨンのレストランで食べたポトフ。 通っていた語学学校の校長先生がみんなで夜レストランにいこうと提案して、リヨン名物のブッションというレストラン街に色んな国籍の生徒と一緒に繰り出した。その年のフランスは、9月中盤はすでに涼しく秋の気配。

各自頼みたいものを頼むことになり、私はポトフを選択。一時間が過ぎたように感じた。まだ誰のオーダーも来ていない。皆は、お構いなしにおしゃべりしている中フランス式のサービスを知らない私は「一体いつになったら食事にあるつけるのだろう?」とそわそわ。1時間半位たった頃、私たちのテーブルの食事が一斉に運ばれてきてその時「ああ、フランスはみんなで食事のひと時を分かち合う事はとても大切な事なのね」と納得しました。 私のポトフは、大きめに切った人参、カブ、ジャガイモ、ネギなどいっしょに骨髄が添えられ、マスタードはお好みで横にそえられていた。

透き通ったスープがきらきらと輝いて、お皿からとても温かい空気が感じられた。待ちわびていた事もあり、すぐ食事してスタート深い味わいに感激してしまった。骨髄がまたとろけるようで美味。スープも具もさらさらと身体にすばやく吸収されて、今でも思い出すたびにあの日の暖かい晩餐の雰囲気をはっきり思い出すことができるのです。それから、冬になるとポトフに挑戦するけれどいつも納得いかない出来栄えで最近はポトフから遠ざかっていました。

つい最近、娘の誕生日にフランスのカトリーヌおばあちゃんから食事の招待を受けました。

「何か食べたいもののリクエストある?」

娘はソーセージが大好き。大人の私たちはどちらかというと野菜が食べたい。さらにせっかくだからサヴォアの郷土料理が食べてみたい食いしん坊の私。主人が、子供の頃から親しんだママンの味の記憶をめぐらせて提案してきたのは

「サヴォア風 ポテ」(正式名 Potée Savoyarde)

そんな料理を知らなかったので当日を待ちわびていた私。あらかじめ写真に撮って記事にするかもしれないよと伝えておいたので彼女も気合を入れていたよう。

ポトフとポテの違いは、調べたところ肉の種類にあるらしい。ポテは基本的に豚肉を用いる料理をさし、各地方で使う材料が異なる。

サヴォア風の特徴は、豚肉は肩ばら肉の塩漬け(palette salé)、胸肉の塩漬け (petit salé) jambonneauを使い、野菜の方はちりめんの葉っぱが特徴のサヴォアキャベツ(choux verts)、ジャガイモ、ニンジンなどを使う。

これを大きな大鍋にいいれて、クローブを加えアクをとりながらコトコトと2時間あまり煮たら出来上がり!

基本的なレシピは存在するけれど、やはり各家庭でそれぞれのアレンジが加えられている家庭料理。

カトリーヌおばあちゃんのレシピの特徴は胸肉の塩漬けの代わりに、スモークソーセージとpoitrine fuméeを使用。この方が、塩気がマイルドになるそう。

炒めた玉ネギ、そして白ワイン1カップを加えると味がぐんとよくなるそうです。 そして圧力鍋を使って1時間ほど弱火で煮込めば完成。

サヴォア風ポテ

お味の方は、野菜とお肉がとても柔らくて美味。別でゆでておいたジャガイモをそえる事によって、少し塩気のあるお肉がマイルドに口の中で変身。皆でおしゃべりを楽しみながら、囲む食卓はとても和やかでかつてリヨンで食べたポトフと同じ温かい気持ちになれました。

私がかつて作っていたポトフに足りないものはこれだったのね。

料理の腕はもちろんのこと。それと楽しくテーブルを囲む家族や仲間達。愛情一杯に溢れていないとこの料理は輝きをもたないのです。

今年は寒いフランス、ポトフは多めに作って大切な家族や友人を呼んで楽しいひと時を過ごすのにもってこいの料理です。

エヴルー由布子さんエヴルー由布子
東京都出身。サヴォア地方に暮らし始めて3年目。日本人には観光地としては馴染みが少ない地方ですが、遊びに来た人は必ず気に入ってくれます。そのお手伝いをするのは私の楽しみです。
 
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