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lun 21 mai 2012

マルセイユようこそ我が町へ

プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏ブーシュ=デュ=ローヌ県マルセイユから

マルセイユの“輝ける建物” ──ル・コルビュジェ

建築家ル・コルビュジェ

建築やデザインを学んでいる人にとっては必ず耳にした事のある名前ですよね。コルビュジェが構想した都市計画に基づく集合住宅の中で、最初に建設された建物がここ、マルセイユにあります。

今回は、その集合住宅「Unité d'Habitation」に潜入してみました。

Unité d'Habitationの住宅のタイプは1人用のロフト、あるいは4人家族向けのメゾネットタイプ。およそ340戸が入り、約1600人が住めるように設計されています。

外観
外観
外観です。各戸のテラスには「コルビュジェカラー」が使われており、
玄関の扉やポストの色もこのカラーに統一されています。

それでは中に行入ってみましょう。屋上には居住者用のプール、ジムが設置されています。 3階にはホテル、レストラン、書店(コルビュジェ関連)、総菜店などがあり、こちらは私たちも利用することができます。

屋上のプール
屋上にあるプール。

平日はUnité d'Habitation内に併設されている保育園の子供たちが使ったりしています。それにしても絶景!

廊下
廊下はまるで現代美術館の展示会場のような雰囲気……。

至る所に光りが入るように設計されているので、太陽の多いマルセイユではほとんど電気を付けなくてもいいように配慮されています。 凄い!

一般住宅の廊下
こちらは一般住宅の廊下。ちょうど建物の真ん中に位置しています。

今回は一般家庭の一室を見せていただくことに。

すっきりとシンプルな間取り、キッチンはほとんどが建設当時のまま残されています。

働いている人の眼鏡も
サロン。壁一面が窓ガラスになっており、
すべてを折りたたむと縁側のようになるデザイン。
夏は風通しが抜群! 締めれば防音ばっちりとのこと。

キッチン
キッチンにも至る所に工夫されたデザインが!

キッチン

シンクも張り合わせが一切なく、いつまでも清潔に保てるよう考えられたそう。固形石けんをはめる所やスポンジを置く所などもきちんと作り付けられています。

からくりはまだまだあるんです、サロンに戻りまして……

縁側

縁側にある小さなこれ。何だと思います?

実は人の座る場所が足りなくなったときに使える「ベンチ」なのだとか。扉の下の方に付けられた板は「飲み物を置ける場所」。
すごい! の一言ですね。
おっと、どさくさにまぎれて私も掛けてしまいましたよ。

まだまだ秘密はあります。

これ,開けると……

中にヒーターが入っているのです。
こうやって、すべての部屋に暖房が行き渡るようにしているのですね。

無駄のないすっきりとした設計が、既に60年前からされていると考えるとビックリでしょう?

下に降りてみましょう。

下は「夫婦の寝室」及び「子供部屋」です。夫婦の寝室は大体がサロンと同じ間取りになっています。上のサロンとキッチンスペースには扉がありませんでしたが、下の階は子供と大人の部屋に区切りがつけられるようになっています。(ちなみに1人用の場合は、上の階だけで成り立っています)

階段
この溝の階段。

これは子供がはいはいをした時にきちんと掴まる場所があるようにと作られているそうです。小さなアイデアが事故を防ぐのですね!

ベッドルーム
収納
細かな所にも作り付けの収納があって
家具を買わなくてもいいくらいです。

収納
これ、何だと思います?
写真左→右の様に、扉になっているのです!
中にいろいろなものが収納できるように作られていて、
思わず「忍者屋敷」?

部屋
さて、反対の場所が子供部屋。
当時は「夫婦+子供2人」という家庭が一般的だったらしく、
子供部屋も同じものが2つ。

洗面台
洗面台の家具が……

洗面台
ベッドのヘッドになるように置かれています。
これもオリジナル。

他にも子供部屋同士の壁が引き戸になっており、開いて一緒に遊べるように設計されていたり、子供がテラスから落ちないように金網が作り付けられていたりするなど、さまざまなからくりのあるコルビュジェのこのアパートはいくら見ていても飽き足らないくらい、本当に興味深い所でした。 アイデアとデザインがこんなにもすばらしく融合しているアパート、見たことありません!

ああ……ここに住めたらいいなぁ!

「ちなみに、お値段はどのくらいするんですか?」

と聞いてみたところ、意外にもこの地区(8区)の他のアパートとさほど変わりがありませんでした。理由は「マルセイユの人はコルビュジェに興味がないから、彼らにとってはただの建物」らしいのです。

あれ~?

今も昔も変わらずここに建てられているUnité d'Habitationなのに、マルセイユ人からすれば、わりとどうでもいい建物だったようで、むしろ建てられた当初は「batiment fada(バカたれな建物)」と呼ばれてバカにされていたのだとか!

それでも、他の場所とは違っていつまでも利用されながら残っているのは素晴らしい。これからもずっと残っていてほしいと願っています。

 
● Unité d'Habitation
280, bd Michelet 13008 Marseille
M: Rond point de prado②
21番のLuminy行バスに乗り、Le corbusier下車(Rond point de prado駅から10分弱)
● Unité d'Habitationの公式サイト
www.marseille-citeradieuse.org
● コルビュジェホテル(日本語あり)
www.hotellecorbusier.com
● 一般の部屋をご覧になりたい方はこちらまで
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福井さん福井れいこ
Marseilleに魅せられて早7年。マルセイユを日本に知ってもらうため、すてきなモノを探し歩く日々。好きなものは51(マルセイユのお酒)、好き なサッカーチームはL'OM(マルセイユのチーム)風呂場にはマルセイユ石鹸……、と既に「マルセイユ人」顔負けのマルセイユ人っぷり。ひっそりコラムはじめました。フランス, コンメーム。
http://francequandmeme.wordpress.com/
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