先月末にマルセイユで行われたBOOK FAIRに行ってきました。
音楽関係の書籍、タイポグラフィーや自費出版のアートブック、BD(フレンチコミック)を取り扱う書店のブースが所狭しと並び、まさに本好きにはうってつけな楽しい2日間でした。
テントが2つあり、初日に訪れたのはマルセイユの書店協会が開催している書店会場。この協会に加盟している60以上の書店が「当店オススメ」の書籍を持ち込んでスタンドを設置しているのです。

自著の本を持って来ている書店に作家が飛び入り、急きょサイン会が催されたり、最近出した書籍のエピソードが語られたりと、楽しい企画も盛りだくさん。
あいにくの雨(特にマルセイユでは珍しい!)だったのですが、さすが読書家たち……普段家に居るからでしょうか、この日は大入りだったそうです。
私はこの日、Greffier de Saint-Yvesのアジア書籍(主に日本)ブースをお手伝いする任務があったのですが、チョコチョコと出掛けては今まで知らなかった書店の店主と話し込んだりしてしまいました。
これから普段の日も書店に行くのが楽しくなりそうです。

次の日、このBOOK FAIRには「もう1つテントがある」ということを知りました。 昼休みに出掛けてみることに……。
するとそこでは、全く違う催しが行われていたのです。

こちらは「Atelier Vis à Vis」というブックアート(あるいはメールアート)を作る協会が開催している展覧会だったのです。
元々メールアートやブックアートが大好きな私は大・興・奮!
聞けば、今年で13回目。(今まで住んでたのに全く気が付かなかった)
毎年1カ国を決め、そこの国で活躍しているブックアーティストを紹介します。
今年はロシア。
ロシア……。
ロシアのアートは何となくイメージがわかなかったのですが、かなり繊細! こんなに細かな作業なのにもかかわらず、アーティストに男性が多いというのにもオドロキです(参加しているロシア人は大きかったのです)。
ロシアでは最近ブックアート・ブームが再来しているのだそう。
招待アーティストの1人、Mikhail Pogarskyさんの話によると20年位前に一度消滅してしまったけど、またブームがやって来たとのこと。
また、今回おひとり日本の方が参加されていました。
菅野あきひろさんという、ご家族でブックアートをされている方です。
今回は菅野さんが家族全員の作品を出展されていました。
なんだか日本の方も参加していると思うとうれしくなってしまいます。
ブックアートやメールアートは、日本では製本や豆本作り、またはクラフトとして一部で親しまれており、私も日本にいた時はよく旅行でもらったチラシやレシート、電車のチケットなどを貼って、本にして旅のしおりを作ったりしていました。けれども、フランスを始め世界でもこういうものがあり、「ブックアート」「メールアート」として確立され、協会まで存在していることは初めて知りました。
フランスでは、パリに1つ、そしてマルセイユのこのAtelier Vis à Visが大きなブックアート協会として活動しているとのこと。
主宰のダニエルさんに話を伺いました。
「今はパソコンで行われている作業も、昔はすべてひとつひとつ手で行われていました。
大変かもしれない。でもそれだからこそ、本に対する愛着もわいてくると思います。
また『思い出に本を作りたい』『予算の都合でたくさんは作れない』という人のためにも、できるだけ素敵な本が作れるようにお手伝いをしています。
最近では、マルセイユの小学生たちとプロジェクトを組んで新しい本を作りました。 遠足でマルセイユのランドマークに行ってスケッチをし、それぞれのデッサンを本にすることや、各自担当のアルファベットを作り、それにちなんだポエムを書くというものです。
企画から編集、デザイン、製本までをどのような流れで作るのかを伝えられるし、彼ら自身の本ができるということは最大の喜びでしょうね。またそれを他の人にも知ってもらうことができるのです」

話を聞いて、久々に何か作ってみたいな、
という気持ちにさせられました。


形もさまざまな本……見てるのが楽しそう、
まるで美術館のようです。
最近では電子書籍が流行っていて、雑誌の刊行部数も少なくなってきたり、本の購入率が下がったりという話をよく耳にします。
それでも紙の質感や、ページをめくる時のドキドキ感、さらに手作りではありますが自分の作品が本になるというちょっと誇らしい気持ち、このような感覚はやはり電子書籍では得られないものなのではないでしょうか?
世界に数点しかない本のページを大事そうにめくりながら見せてくれたダニエルさん。これからもこの「手作り製本(ブックアート)」とともに楽しい企画を立ててくれそうです。
ちなみに、来年のブックフェアには日本の招待を考えているらしいですよ?!
私も出品してみようかな……なんて夢を見てしまいます。

主宰ダニエルさんと菅野さん
| ● Aterlier Vis à Vis のサイト www.ateliervisavis.com |





福井れいこ





