さて、昨年11月のホステルは楽しんでいただけましたか?
今月はもう一方のホステルをご紹介致しましょう。
中央駅(サンシャール)近くのホステルは主に短期滞在で出発か到着の準備のために宿とする人が多い中、(ビューポート)の方はさすがに観光地。せかせかするよりものんびりしたい人が、海や太陽をじっくり満喫するために2週間くらいゆっくりと過ごす人が多いらしい。
海まで徒歩圏内、レンタル自転車だったら海岸線をずっと散歩できるし、海の見えるレストランも近く。
本当に言う事のない立地なのです。ホテル激戦区の中では唯一良心的な価格であろうホテルの1つです。
まず、入り口には幸せを運んでくる、コウノトリの大きな壁画があります。

元々このホテルの取材をしようと思ったのもこの鳥が目に入ったのがきっかけでした。
ダイナミックに飛んでいるコウノトリはなんだか頼もしい。

下にある小引き出しのようなものもオーナーさんが蚤の市で買ったもの。
少し壊れてる部分もありますが、それもまた味ってことで。

内装はビューポートにあるほとんどの建物がそうであるように、ここも例外ではなく、屋根がむき出しになってるような、キャバノンのような造りになっています。たくさんのビューポートの建物はこうなっており、ちょっとかわいらしいです。

山小屋みたい!
天井に窓があるのも気持ち良さそう。
そういえば、至る所に壁画のようなちょっとしたイラストが直に書かれていますね。


「これはね、マルセイユのアーティストが各部屋に違うモチーフを描いているんだ」
「素敵ですね!なんだかおみやげにしたくなっちゃいます」
「今の所はないんだけどね。この敷地内に彼のアトリエがあるんだ」
「え!そうなんですか?見れるの?」
「彼がいれば、ね」
残念、この日彼はちょうどバカンスで出かけていました。
「それにしてもおしゃれですね、どちらのホテルも。何か秘密があるんですか?」
「秘密、というほどじゃないけど、ここの3人の共同経営者、実は全くホテル業の人たちじゃないんだ」
「え!」
「きっとだからこそ斬新なイメージや装飾を思いつくんだろうね」
「ちなみに、何をされて来たんですか?
「映画の美術さん、エンジニア、そして心理学者」
「うわー!見事にバラバラ。そして本当に接客にすら従事してないっていうか…驚きです」
「そういう何でもないような人たちがさらりと作ってしまったのがこのホステルさ」
「ちなみにどうして?」
「昔スペインに行ったときにおしゃれなホステルがあって、安いのにアートギャラリーに来たみたいな、そこのホステルがいつまでも忘れられなくて、それでマルセイユに帰ってきて、自分たちも若者の思い出作りに一役買いたい、と思って始めたってわけ」
「なんだか素敵なストーリーですね。マルセイユに家あるけど、泊まってみたくなりました」
「アハハ、いつでもおいで」
そういって、こちらのレセプションのレミさんは笑った。

こちらはロビー休憩室。
バルセロナっぽい闘牛のイラストがとても
ダイナミックで引き付けられます。
こういう陽気で気さくな人が出迎えてくれて、ちょっぴりマルセイユの秘密を教えてもらえるようなホテルって、実は「探さないと」分からなかったりします。
インターネットで安く探せるホテルもいいですが、たまにはこんな地元の人たちも思わずうなってしまう、そんな素敵ホテル(ホステル)に泊まってみてはいかがでしょう?
そして、4年間に渡りようこそわが町へを担当して参りましたが、私のつづるマルセイユ編は今回で最終回になります。
今までたくさんの方に読んでいただいて感謝の気持ちでいっぱいです。
たまに記事に関しての感想をいただいたり、実際に行ってみたよ、と言うお声をいただいたり、また取材した先に戻ると「今日日本人が来たよ!レイコの記事をみたんだって」とうれしそうに話すのを聞いて私もとてもうれしくなります。
パリとは違って情報がない分、知られざるいろいろなマルセイユを紹介しようとがんばって参りましたが、皆様の心のどこかに「次はマルセイユに行ってみたい!」と思っていただく事ができたら、こんなにうれしい事はありません。
またどこかでお会いしましょう、それでは皆さん、アビアントー





福井れいこ





