マルセイユのメインストリート「カヌビエール(cannebiere)」通り。
突き当たりがヴューポール(vieux port)に出る大きな通り、と言うとわかりやすいかもしれません。ここをずっと上って行くと上の方に広場があります。
何げなしに見ているのですが、そこにはいつも気になるアイツがいるんです。

キリン…ですね。

(実際にはこんな本でできているキリンであり、本物ではありません。)
「何これ?」
「さぁ……」
誰に聞いても首をかしげるばかり。
確か2〜3年前にできたような気がするのですが、実はマルセイエーも知らないこのキリンの存在はもしや都市伝説?!
ところでこのキリン、実は去年の春にここで特集する予定でした。
そう、5月頃。
私は一時帰国をしなくてはならなかったので、写真だけ撮り貯めて日本で記事を書こうとしていました。
いざ書く時になり、キリンのことを詳しく調べてみようとネットを見ると

「ガーン、燃えてる」
(漫画のようなオチですが、事実です)
こうして私の記事は書けずじまいで終わりました。
結構可愛かったのに……。
それにしてもなぜキリン?
消えることないこの疑問、その上ある日私はfacebookでキリンから友達申請がきました。
「がーん!キリン、実在してるの?いや、実在はしてるんだけど、facebookとかするんだ!」
もちろん「承認」し、様子を伺うことに。
普段キリンの口から発せられるのは、マルセイユのちょっとした小ネタ。
これは一体……。
ある日メールを送ってみた。
***
拝啓キリン殿
私はfacebookで友達の福井れいこです。
実はあなたについてかなり気になってるので、どこかで会えませんか?
***
するとキリンからすぐに返事がやって来て
***
れいこさんへ
メッセージをありがとう!
是非お会いしましょう、何でも聞いてください。
金曜日のお昼にいつもの所で待ってるよ!
***
返事が来た!!
いつもの所って!
キリン動かないし、あそこしかないじゃない!
というわけで、とある金曜日にキリンを訪ねに行って来ました。

素材が変ってます。
待つこと2分、後ろから1人のムッシューが声をかけてきて
「君がれいこ?」
「はい、あなたは?」
「ボクはキリンの通訳」
ひぇー!!
キリンってば、通訳雇ってるわけ?
思わず見上げてしまいました。
近くのカフェに行くとマダムが一人居て、3人で話すことに。
私の目の前には2人のフランス人が運営しているように見えますが、彼らはあくまで「通訳」であり、姿を見せるほどではない、ということでした。
「なぜキリンなんですか?」
「実はキリンは1826年にはじめてマルセイユにやって来たんだ。アフリカからね」
「その後外交のシンボルとしてみんなに愛されたんだ。そんなエピソードから2013年の文化の首都のシンボルとしてキリンがいいかな、ということで選ばれたんだ。ちなみにゼラファという名前はアラブでキリンの意味。地中海っぽい感じがするだろう?」
「本当!それにしてもどうしてモチーフが本だったんですか?」
「はじめはブックフェアのみの特別展示だったんだ。だから最初は本でできてたでしょ?」
「そうですね、3000冊って聞いてます。でも燃えちゃいましたよね」
「笑。そう、この時マルセイユのサッカークラブ「L'OM」が優勝して、パレードをしたんだよね。そのときに、勢い余って火を付けちゃったんだよ。もう、がっかり!
でも読書好きにはたまらないよね、本があまり好と縁がなさそうな悪ガキどもに燃やされたんだから。だから読書家たちはこれでなくならせてたまるもんか!と立ち上がり、こうして今新しく生まれ変わったキリンがここにいるんだ。アートブックコレクティフと言う団体を中心にマルセイユの企業が協力してくれたんだよ。ちなみに原因となったL'OMのクラブチームもね…笑」

こんな感じで市やら会社やらが協賛してくれています。
今度はどんなことがあってもびくともしない強いゼラファを!
ということで、生まれ変わった姿はこちら。

とにかくまつげが長いっ!

本をモチーフに使って、素材はブリキにしたとのこと。
これなら燃えなくて安心!
「そうだったんですか」
「ゼラファの隣にブックスタンドがあるだろう?」
「あぁ、あそこにはたまに本が入っていますよね?」
「そう、青空文庫でね。読まなくなった本をここに置いていくと誰かが持って行って、というシステムでみんなが借りて行くんだ。」
「返ってくるんですか?」
「まぁ、来ない時もあるかもしれないけれど、また置いていく人もいるから、いつも違った本がそろっていていいでしょ?」
「そうですね」

来たときには空っぽだった本棚。
話しているうちにムッシューが入れて行った。

ウッディアレンの本、渋い!
「これ、ここで借りたもの?」
「いや、もう要らないもの。要らないの、置いていっていいんでしょ?」
「もちろん!」
こうやってこの後読書談義に花が咲きます。
「そうそう、ちなみにfacebookでつぶやいてるのは?」
「ゼラファだよ」
「あなたじゃなくて?」
「いえ、ゼラファです。」
(もう、だんだんおかしくなってきたぞ!)
「結構いろいろな事していますよね、日本へ行ったり」
「そうなんだ!見てくれてたかい?」

あれ?これ、新宿じゃないですか!ゼラファ、いつの間に…
「いつの間に旅行してたんですか!ずっとカヌビエールにいたような気がしたけどね」
と言うと、フフフッと笑う通訳。
……っていうか、L'OM好きなんだ。
なになに?信仰が「本を燃やさないもの」
燃やされちゃったもんね……爆笑!
「今度面白いことあったら教えてよ、いろいろつぶやくからさ」
ゼラファの目線で語られたマルセイユは結構面白いんですよ。
キリンと友達になりたい方は「news digestを見たよ!」と書いてfacebookで友達申請をするともれなく友達になれます。
私目線でもなく、フランス人目線でもない、マルセイユのゼラファ目線の地元事情、こっそりのぞいてみませんか?
今回は新たなマルセイユのゆるキャラ(?)ゼラファにインタビューしてみました。
| ゼラファのfacebook facebook.com/zarafa.lagirafe |
| ゼラファに会える所 Place Léon 13001 Marseille 1番線reformé canebiereで下車そのまままっすぐcanebiere通りをいくと居ます。 |





福井れいこ





