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フランスニュースダイジェスト
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mar 22 mai 2012

ストラスブールようこそ我が町へ

アルザス地域圏バ=ラン県ストラスブールから


I氏の世界観を変えたホテル・レストラン

アルザスで郷土料理修行中のI氏が、深夜レストランの冷蔵室で見たものは……。

I氏は京都でレストランを営む一家の次男で、彼が任されていた百万遍の軽食喫茶は学生によく知られていて、私も京都時代に行ったことがある。その町っ子のI氏が、どういうわけかアルザスの村でフランスの郷土料理を習うことになった。

ボレンベルグはコルマールの南15分ほどのRN83沿いにあるが、いったんRN83を降りると、車一台通るのがやっとというようなぶどう畑の中の道に入り、しばらく斜面を上って、本当にこのまま行っていいのだろうかと思い始めたころ、忽然と現れる。

ぶとう畑

当時、私が日本語を教えていたバルトルディ高校の生徒の中にこのレストランのお嬢さん(アデライド)がいて、「アナタノウチハ、ドコデスカ。」と質問すると、「ぼれんべるぐデス。」と言うので、今度は 「ソコニハ、ナニガアリマスカ。」と尋ねると、 「ワタシノウチシカアリマセン。」と言うので、びっくり仰天したのだが、なんとそのアデライドの家にI氏が修行に来たわけである。

様子を聞くと、ひとりフランス語で頑張っているというので、しばらくして日本料理が恋しくなったであろう頃を見計らって家に呼ぶと、I氏は次のように語ったのである。

「自然に囲まれて、ものすごくいいんですけど、自分の車がないんで、ひとりでカフェにビールを飲みに行くこともできないんですわ。それで、この前、仕事が終ってから、冷蔵庫、ゆうても一部屋ぐらいあるんですけど、そこに行ってビールを一本取ろうと思って、ガラッと扉を開けて入ったんですわ。そしたら、いきなりつまずきそうになって、よう見たら、イノシシが横になってて、こう、ぼくを見上げてるんです。こわいですねえ。そういえば、裏で鴨を撃ったりしてるのは知ってたんですけどねえ。」半年ほどの滞在で、I氏は世界観が変わったそうである。

食堂

食堂

1年後、私がアデライドたち高校生を引率して日本に旅行したとき、生徒たちはI氏が新たに任された京都のレストランで、久しぶりのデザート付きフランス料理を存分に味あわせてもらうことができたのである。

ぶとう畑


 
● アクセス
コルマールから、RN83で南のBelfort方面へ出て、Rouffachを通り越した後、 D18 のWesthalten方面に乗る。STOP表示ところを Bollenbergへ。
● Domaine du Bollenberg
68250 Westhalten
http://www.bollenberg.com
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TEL: 03 89 49 60 04
FAX: 03 89 49 76 16

大西正子大西正子
仏政府給費留学生としてパリ第4大学大学院で比較文学を専攻。アルザスに移り、ストラスブール大学を始めとして幅広く日本語を教える一方、翻訳に携わる。17年ぶりにパリに戻り、今秋より再び大学の教壇に。
 
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