日本で平和に暮らすつもりが、仏人と関わっている限り、ときに心がねじれそうになる。
息子の友達、トマ(6歳)。私は甥っ子のように可愛がっていた。「ウチに遊びに来る?」と私。トマは飛んで喜ぶと思いきや「ノン」。「?」同じ質問をしたが同じ反応。急に心がしぼむ私。後で知ったが、ママに怒られた直後で機嫌最悪。単に八つ当たりされた?息子と2人で帰ろうとした時、トマのママに引き止められた。夕飯はわが家でと決め込んでいた彼女は焦る。「どうして?」執拗なママの尋問にトマの答えは七変化。「ノンなんて言ってない」→「はっきり聞こえなかった」。挙句の果てに「何聞かれたか分かんなかった。彼女仏語下手だから」。
でた~、思い出させてくれるわ。フランスの職場でトラブルがあり、張本人(仏人)がやり玉に上がって逃げ場を失った時に出てくるお決まりのフレ-ズ。「○○の仏語が分からなかった」。勿論○○には外国人名が入る。
親から子へ伝承される、おそるべし仏式責任転嫁のテクニック。子供は親をよう見とる。
| A : T’① as mauvaise mine ces derniers temps. | 最近、顔色悪いねえ。 | |
| B : Je ne ②supporte plus. | もう我慢できないわ。 | |
| A : ③De quoi tu parles? | 何のこと? | |
| B : Une secrétaire au travail. Quand il y a des problèmes, elle dit ④systématiquement qu’elle n’a pas bien compris mes instructions. | 秘書よ。トラブルがあったらいつも言うのよ、私の指示がよく分かんなかったって。 | |
| A : Ca veut dire? | それ、どういうこと? | |
| B : Ca veut dire que c’est à cause de mon français. | 私のフランス語のせいってこと。 | |
| A : Elle te ⑤rejette la responsabilité, c’est bien ça? | あなたに責任転嫁してるってことね。 |
① avoir mauvaise mineで「顔色が悪い」。mine は「顔色」。「顔色が良い」は、avoir bonne mine。
② supporterで「耐える、我慢する」。supportable は「耐えられる、我慢できる」。「耐えられない、我慢できない」は、insupportable。
<類義語> (順に) tolérer、tolérable intolérable。 Insupportableの類義語にはinfernalもある。
③ De quoi tu parles? で「何のことを言ってるの?」parler de ~で「~のことを言う」。De quoi と、deを忘れずに。A qui tu parles? で「誰に言っているの?」parler à~で「~に言う」。A quiと、àを使うことに注意。
④ systématiquementは「徹底して、終始一貫して、常に」の意で使われることが多い。
⑤ rejeter la responsabilité à~で「~に責任転嫁する」。
参考文献
Dictionnaire Historique de la Langue Française par Alain Rey, Robert









