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英仏バイリンガル幼稚園・小学校
mer 20 septembre 2017

今回の映画:モンテーニュ通りのカフェ Fauteuils d'orchestre (仏2006)

テーマ:小悪魔風パリジェンヌと、おとぼけフランス男になるためのコツを盗めっ!!

舞台はパリ8区のモンテーニュ通り。劇場、高級ホテルのオークション会場など、音楽、演劇、絵画などクラッシックなアートが集まり、リッチでお高い地区。地方から出てきた若い女性ジェシカ(セシール・ド・フランス)はそこにあるカフェで働き始める。人懐こくて好奇心旺盛な彼女は、この界隈に一つしかないこのカフェに集まる人々に関わっていく。

シチュエーション

ジェシカは好奇心から、高級ホテルのバーに入り、値段に驚きながらも、ジュースを注文する。その横には、ちょっと前に出会ったフレデリック(クリストファー・トンプソン)と、彼の父ジャック(クロード・ブラッスール)の愛人で、父より40歳は若いと思われる小悪魔風ヴァレリー(アンヌリーズ・エスム)が話をしている。(ジャックは美術品収集家の大金持ちで、フレデリックはそんな生活に反発して家を出て大学で、地道に研究を続けている)フレデリックとヴァレリーは以前付き合っていたことがあり、それをジャックには内緒にしている。

Frédéric
Écoute, je voulais te dire que...
Avec ma femme, c’est fini.
Valérie
Alors là, je suis sciée.
C’est toi qui est parti ?
Frédéric
Ça t’étonne ?
Valérie
Un mec aussi chiant avec sa maîtresse doit pas être
beaucoup plus drôle avec sa femme.

(Frédéric a l’air avoir mal quelque part) Ton ulcère ?
Frédéric
Oui, enfin, non.
Il a un peu changé de place. C’est rien.
Tu..., j’étais si chiant que ça?
Valérie
Attends... les problèmes avec ton père, la mort de ta mère ça encore.
Ton ulcère, ta haine pour le duc de Guise et Cathrine de Médicis...
Frédéric
N’importe quoi...
Valérie
Ta terreur qu’on nous voie ensemble, ta femme evidement.
Frédéric
Pourtant ça allait plutôt bien à l’époque...
Valérie
Grace à moi, non ?
Frédéric
Peut-être.
フレデリック
それで、言いたかったことは……、妻とは、終わったんだ。
ヴァレリー
へえ~、びっくりした!あなたから別れたの?
フレデリック
驚いた?
ヴァレリー
そりゃね。
フレデリック
どうして?
ヴァレリー
愛人にとってこんなにめんどうな男なんて、妻にとってはも~っとおもしろくない奴に決まってるから。(どこかが痛そうなフレデリックを見て)また潰瘍?
フレデリック
ああ、いや、違う。ちょっと場所が変わったんだ。何でもない。
あのさ……、オレ、そんなにめんどうな奴だった?
ヴァレリー
ちょっとねえ。あなたのお父さんとの問題でしょ。お母さんが亡くなったこともあったし。潰瘍に、ギーズ公とカトリーヌ・ド・メディシスへの憎しみに……
フレデリック
なんだよ、それ。
ヴァレリー
私たちが一緒のところを誰かに見られるんじゃないかっていう恐怖、もちろんあなたの奥さんのこともあったし……。
フレデリック
どちらかというといい時期だったんだけどな……
ヴァレリー
私のおかげじゃない?
フレデリック
そうかもね。

je voulais te dire que...
僕が言いたかったことは……

「今現在僕が言いたいこと」でも、「言いたかったこと」と半過去形になっています。
Je veux te dire que...
と現在形でやるより、ちょっと語感を弱めて間接的なニュアンス。
(日本語も同じように使いますね!)

例)平和を生みだす魔法の言葉。
Je voulais te dire que... tu es très belle !何が言いたかったかっていうと……すごくきれいだよ!

例)バカンスに行けないかも。と遠慮がちに切りだすときに。
Je pensais que...si on restait à Paris cet été...
思ったんだけど……、今年の夏はパリに残ったらどうかって……

Avec ma femme, c’est fini.
妻とは終わったんだ!

終わった!というときによく使う表現。

例)Avec toi, c’est fini.あなたとはもう終わり!
恋愛関係などにかかわらず、仕事や趣味などでも「もう、一緒にやりたくない!」と結構きっぱり宣言するときに。フランス人は基本的にKY(←一生懸命遠い地から学びましたがすでに死語?)なので、最終的にここまではっきりと言わないとダメな場面もあることでしょう~。

例)久しぶりに会った友人に、「Il va bien ton conpain ?彼は元気?」など聞かれたら、
「Lequel ? 彼ってどの?」と首をかしげた後、(←必ず尋ねましょう)
「Ah, avec Stephane ? C’est fini !ああ、ステファン?もう終わったわ!」
と、いまさら何を!と目を丸くして。が、パリジェンヌ風。

je suis sciée.
ビックリした。

scierはもともと、のこぎりを引く、という意味。俗語でびっくらこいた!という意味になるようです。
いきなりのこぎりで切られてビックリした!というニュアンスでしょうか?(こわい)
scierスィエをついうっかり、シエchier(「クソたれる」の意の俗語)と発音してしまうと、大変下品な人に早変わりしてしまうのでご注意!!!

C’est toi qui est parti ?
あなたが去ったの?→あなたから別れたの?

誰が去ったかというのは大事なポイントのようです。向こうが去ったのではない、私が去ったのだ!
と強調されるシーンにたびたび出くわします。
別れるまでいかなくても、ケンカしたときなどに、「あんたじゃない、私が去るの!(C’est pas toi, c’est moi qui pars !!)」と小部屋から先にどちらが出て行くか、という細部までもちゃんと主張しなくてはいけません。相手任せでなく、自分の意思で物事を決める!ということが大切にされているフランスならではの現象でしょう。
(日本風に、彼女のイライラをなんとなく流して、さりげなく部屋から逃げる、などは規定外)

Il a un peu changé de place. C’est rien.
ちょっと場所が変わったんだ。なんでもない。

あちこち、イタイ!辛い!といって同情を引くのは、ある種の人の常套手段。
イタイ!といいながら、なんでもない!としめるのがポイント。何でもないなら言わなきゃいいのに。
という突っ込みも恐れません。
今日はココ!明日はココ!と気分を変えて、痛みと同情を更新します。
ウチの子も(二人とも)毎日どこかが痛い!と騒いでいます。(一ミリくらいのかさぶたでも)
これは、彼女たちが半分フランス人だからでしょうか?それとも、育て方に問題がっ?

j’étais si chiant que ça?
そんなにオレ、面倒な奴だった?

これぞフランス人!!全く自覚がありません。ナチュラルボーンシオン。という感じでしょうか。
言わせてもらえば、「面倒な人だった!」言われている先から、「ここががイタイ!」と主張して、「でもなんでもないんだ!」と「強がっている自分に酔っている」あたり、手のほどこしようがありません。
以前、義母が、「誰も私と旅行に行きたがらない!私ってそんなに、面倒な人じゃないのに!」とおっしゃるシーンがあり、言葉を失ってしまいました……。

ta haine pour le duc de Guise et Cathrine de Médicis...

ギーズ公やカトリーヌ・ド・メディシスへの憎しみを聞かされる日常って一体……。
ここまで来ると、毎日のその習慣がなくなったら、逆に人生、物足りなくなってしまうかもしれません。
しかし、なんてことはない話題の中に、歴史的人物の名前をちりばめるのは知性の証。
何人かピックアップして、さり気に話に滑り込ませられるように頑張ってみましょう~!

ナポレオンやマリーアントワネットは、悪くはないですがちょっとベタなので……。
ポンパドール夫人、ドゴール将軍、ギィ・モケあたりが狙い目。シャルルマーニュなどはちょっと古すぎ?
アステリックスは本物の歴史上の人物ではないのでご注意!


ポンパドール夫人(madame de Pompadour)→ルイ15世時代の公妾。美しく聡明で、政治に関心の薄いルイ15世の代わりにフランスを影で操った。膨らんだ髪型もみんなが真似をした。まさに理想のパリジェンヌ。

ドゴール将軍(Charles de Gaulle)→フランス第18代大統領。陸軍軍人。第二次世界大戦においては、ロンドンに亡命後、政府・自由フランスを樹立し、レジスタンスとともに大戦を戦い抜いた。好きな食べ物はロールキャベツ。

ギィ・モケ(Guy Môquet)→ナチス・ドイツ占領下のパリで、当時非合法となった共産党のレジスタンス運動に参加して逮捕され、17歳で銃殺された。銃殺前に彼が家族に宛てて書いた心打つ手紙が有名。

アステリックス(Astérix)→ 古代ローマ時代のガリア人。黄色いヒゲに、羽が頭についたヘルメットが目印。フランスの人気BDの主人公。

例)まるで現代のポンパドール夫人だね!(←男を操るのが上手)
ボクのパパはドゴール将軍の若い時にそっくりなんだ!(←微妙)
もっと早く生まれて、アステリックスに会いたかった。(会えない)

Ta terreur qu’on nous voie ensemble, ta femme evidement.

Les problèmes(問題)、la mort(死)、 la haine(憎しみ)ときたら、 ta terreur(恐怖)でしょう。しめがta femme(あんたの奥さん)と、すべてのネガティブワードとさりげなく羅列している所に、さりげない悪意がうかがえます。

Pourtant ça allait plutôt bien à l’époque...

これぞフランス男!第2弾!!!しら~っと、現実より目をそらして、好き勝手な感想を述べます。

例)こっちは義理家族とのバカンスで苦労したのに、のほほんと過ごした夫の一言。
Ça allait plutôt bien ma sœur, non ? ボクの妹、調子よさそうだったよね?

逆に、自分に都合の悪いときに利用できたら素敵です。

例)試合や競争の後半で、自分の失敗のせいで負けてしまったときに。
Pourtant ça allait plutôt bien au début ... !始めの方はうまくいってたのにね!
だ、誰のせいだ!?という感じですが、こうやって自分で言ってしまいます。もちろん謝ったりしたらフランス人化からは遠のきます。(謝る普通の神経の人もいます)

Grace à moi, non ?
私のおかげじゃない?

小悪魔発言。あら、それ私のおかげじゃない?と、間髪いれずに言えるようになると、小悪魔風パリジェンヌ度アップ。

例)このレストラン、おいしかったね!と言われたら
Grace à moi, non ?アタシのおかげじゃない?
(私との会話が楽しかったからとか、誘ったのは私だから、私って料理できない人だから、など、理由はなんでもよい。)

例)壊れたエレベーターが動いていた!!
Grace à moi, non ?アタシのおかげじゃない?
意味不明。神?

Peut-être.
たぶんね

「私のおかげね」と小悪魔風に言われたら、返答は要領よく。がフランス男性の鉄則。決して、そうかなあ。とか、不可能だ!、などと、真面目にとりあってはいけません。(話が不必要に長くなるから)
可も不可もなく。たぶんね。と、エネルギーを節約します。

例)毎日お風呂に入るなんて、エコロジーに反するわ!と義理の母にイヤミを言われたら……。
Peut-être.たぶんね。(と肩をすくめて流す)

例)ここ私の場所ですけど、と飛行機の中で言われたら。
Peut-être.たぶんね。(と、ムシ)

いや、いらぬケンカを売らずに確かめましょう。

<まとめ>

小悪魔パリジェンヌと、おとぼけフランス男子のやり方を見てきました。個人的には謎な神経ですが、これで社会が機能しているところから、お互い、こんな人同士が引かれあうかもしれません。仲間に入りたかったらどちらかになれるように、日々、KY度を磨くに限ります!!(人のことを考えすぎないで)

 
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小林まみ Mami Kobayashi

女子学院、慶應義塾大学理工学部卒業後、パリ高等映画学校(ESEC)に留学。 フランスの映像プロダクション勤務を経て、短編映画制作、シナリオ執筆。フリーで通訳、翻訳業に携わる。2004年より、メルマガ「み~さの12秒フランス語!」発行。「まぐまぐメルマガ大賞」3年連続受賞。
公式サイトhttp://miisa12.com

現在、フランス語、フランス、映画関連の本などの執筆。
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