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ロンドンのゲストハウス
jeu 30 mars 2017

今回の映画:メルシー!人生!le placard (仏2001)
テーマ:こうやって生きのびる!
妻との正面衝突を回避するワザ!

フランシス・ヴェベールのコメディ映画。原題の「placard」 は、「クローゼット・(戸で閉まる)棚」。そこから派生して、sortir du placard(クローゼットから出る)→カミングアウトする(同性愛者であることなどを公表する)という意味でも使われる。

いつでも陰が薄く、冴えない会計職の男、フランソワ・ピニョン(ダニエル・オートィユ)。ある日、会社をくびになると知らされる。2年前に離婚し、高校生の息子からも相手にされないフランソワは支えてくれる家族もいない。絶望のふちに立つ彼に引っ越してきたばかりの隣人(ミッシェル・オーモン)がアドバイスする。「首をつなぎたかったら、ゲイであることを(ウソでも)公表せよ」と。ゲイを差別しているというイメージをもたれたくない会社は、ピニョンの解雇を辞め、彼を見る周りの目がみるみる変わっていく……。

シチュエーション

ゲイである。と(ウソの)公表をしたフランソワをめぐり、会社ではフランソワの知らぬところであちこち大騒ぎ。管理職の1人フィリップ・サンティニ(ジェラール・ドパルデュー)は、ガサツでマッチョ、知性のなさに同僚からちょっとばかにされている。「ゲイのフランソワと仲良くしないと、お前の首が危ないぞ!」と、からかう同僚たちのウソを信じて、フランソワとなんとか仲良くしようと不器用に頑張るフィリップ。そのうち、それがエスカレートして、フランソワにピンクのセーターをプレゼントしたり、彼自身も精神的にわけがわからなく憔悴してくる……。家に帰ったフィリップを待ち構えていた妻は……。

Sa femme
Je te demande si ça s'est bien passé au bureau aujourd'hui.

Philippe
Très bien, oui. Eau.
Sa femme
Et moi, tu ne me demandes pas comment s'est passée ma journée ?
Philippe
Je sors du boulot, je suis fatigué,
tu peux pas me lâcher un peu ?
Sa femme
Qu'est-ce qui t'arrive, Felix, ça fait une semaine que tu es bizarre, je te parle, tu réponds à peine ou tu te mets en colère, qu'est-ce qui t'arrive, Féfé ?
Philippe
Rien du tout, ça va très bien, au revoir.
Sa femme
C'est quoi, cette facture ?
Philippe
Hein ?
Sa femme
Maison du Cachemire, un pull, six cents francs.
Tu t'es acheté un pull à la Maison du Cachemire ?
Philippe
Oui, et alors ?
Sa femme
Tu t'es acheté un pull en cachemire ?
Philippe
C'est pas du cachemire, ils ne vendent pas que du cachemire à la Maison du Cachemire, c'est du Fil d'Ecosse. Et je l'ai eu en solde.
Sa femme
C'est quand même pas donné, six cents francs.
Philippe
Dans cette couleur, c'est ce qu'il y avait de moins cher.
Sa femme
Il est de quelle couleur ?
Philippe
Rose. (Il s'énerve)
Tu vas m'emmerder longtemps avec tes questions ?
Sa femme
Fais-le voir. Il est dans ton placard ?
Il n'est pas dans ton placard, j'ai vérifié.
Philippe
Tu vas me pourrir la vie longtemps?
Sa femme
Tu as offert un pull à une pétasse et tu te mets en colère parce que tu as honte.
Philippe
Mais qu'est-ce que tu vas chercher, un pull à une pétasse, elle est folle !...
今日、お仕事はどうでした?って聞いてるんだけど。
フィリップ
とてもよかったよ。ああ。水!
で、あたしは?私の一日がどんなだったか、聞かないの?
フィリップ
仕事帰りで、疲れてるんだ!ちょっとほっといてくれないか?
どうしたの、フェリックス。ここ1週間ほど変ね。  あたしが話しかけても、ろくに答えもしないか、腹を立てるかで。 一体、何があったの、フェフェ?
フィリップ
何にもないよ。すべて順調です。はい、さようなら。
(ふと紙きれを取りだす)この領収書はなに?
フィリップ
はぁ?
メゾン・ド・カシミヤ、セーター1枚600フラン。 メゾン・ド・カシミヤで、セーター買ったの?
フィリップ
ああ、だから?
カシミアのセーターを買ったの?
フィリップ
カシミヤじゃない。メゾン・ド・カシミヤでは、カシミヤ以外も売ってるんだ。 ライル糸のも。しかも、バーゲンで買ったんだ。
でも、安くないわよね、600フランって。
フィリップ
その色では、店にある中で一番安かった。
何色よ?
フィリップ
ピンク。まだ長々と、お前の質問でうんざりさせるのか?
それ見せて。クローゼットに入ってるの?入ってないわよね。 ちゃんと確かめたんだからっ。
フィリップ
まだ長々とオレの人生を腐らせるのか? !
あばずれにセータープレゼントしたのよ! ! それで怒ってるんでしょ、恥だと思ってるから!
フィリップ
一体、何想像してるんだ? セーターをあばずれに? ! この女、頭おかしいんじゃないか?

Et moi, tu ne me demandes pas comment s'est passée ma journée ?
あたしにはどんな1日だったか聞かないの?

フランス女性にはマストの表現。こちらがどんな1日だったかを聞いたのに、相手が聞き返してくれなかったら、ちゃんと「話をきけ!私に興味を持て!」と、主張しなくてはいけません。 話を聞いてくれない……。と、ガッカリな気持ちを感じた瞬間に、この一言が無意識にでも飛び出るようになったら、立派なパリジェンヌ。

例)自分の母親の意見だけ聞いて、話を進めようとする夫に。
Et moi, tu me demandes pas mon avis ?で、あたしは?私の意見は聞かないの?
すべては平等に!(または、こちらが得をするように)

je suis fatigué
疲れてるんだ

本当にヘトヘトなときもありますが、単に頑張りたくないときや、断わるときの常套句。明らかに疲れが外見に出ない場合もあるので「ウソでしょ!」とは言い切れないのがポイント。 でも、相手にこう言われてカチン!ときたら、「Tout le monde est fatigué !!みんな疲れてるのよ!」と言い返すのも定番。世知辛い世の中ですね!

Vqu'est-ce qui t'arrive, Féfé ?
何があったの、フェフェ!

フェフェとは、フェリックスの愛称です。 熟年夫婦の妻が、いかつい夫をこんな風に可愛らしく呼んでいるところが笑いを誘っています。(ま、実際、めずらしくない現象と思いますが……) 名前の頭の音を2回繰り返して愛称にすることがよくあります。 Julietteだったら、Juju、Philippeだったらfifiのように。なんとなくイメージ的に年配の方が使うような気がするし、どの名前でも使用できる訳ではないですが、(例えばCatherineをcacaとは呼ばない気がする)機会があったら(往年の?)フランス人気分を楽しむために是非トライ~!

Au revoir.
さよなら

一緒に住んでいる妻に、さようなら、とは失礼な話ですが、しつこい相手にウンザリしたときなどに、使用します。「Au revoir !さようなら!」と、あいさつのように使用するのでなく、その前のフレーズとくっつけてサラッとにいうのがポイント。「はい、さいなら!」のニュアンス。

例)これなどいかがですか?とってもいいですよ!!としつこいセールスに。
Non,ça m’intéresse pas , merci, au revoir.
結構です。興味ありません、どうも、さようなら。

ワンフレーズの棒読みのように、たたみかけてドアを閉めるなり、電話を切るなりします。

例)何かとうるさく手を焼きたがる人相手に、イライラしたら。
Oui , j’ai bien compris, merci, au revoir.
はい、よくわかりました、どうも、さよなら。

車に乗っているとき、外の人とウインドウ越しに会話しているのに、退屈した瞬間、サヨナラも言わずズーッと、車のウインドウをしめて、話を勝手に打ち切るもっと短気な人もいます。(実話)

Oui, et alors ?
ああ、だから?

フランス人なら誰でも押さえておきたい、「Et alors ? だからどうした ?」
ミッテラン元大統領が、「隠し子がいるそうですね」とジャーナリストに聞かれたときにこう答えた!というので有名ですが、一般市民の私たち(しかもフランス人でない!)でも使って大丈夫!便利な一言です。

例)夫が、この部屋は埃だらけだな!子供部屋はごみ箱か!?と、偉そうに言うのにカチンと来たら。
Oui, et alors ?うん、だから?
この一言で、「私は掃除婦じゃない」「一体どこにそんなことまで完璧にやる時間があるっていうのよ」「文句だけで自分は何もしないじゃない!」などと、いろいろ叫んだり泣いたりするエネルギーが節約できます。

C'est pas du cachemire, ... Et je l'ai eu en solde.
カシミヤじゃない!〜しかも、バーゲンで買ったんだ。

「セーターを買ったの?一体誰に!?何のために!?」というのが妻が詰めよる焦点、ということは重々わかりつつ、素材はカシミヤでない、バーゲンだったなど、なんかずれた返答をしている所がポイント。こうやって、責められている矛先をシラッとぼやかすのが、フランス男性の常套手段と言えましょう。本当にずれているということも考えられますが、そう思わせる演技力も備えているところ が油断できません。(と書いてみて、単にボケてる!と思っていたうちの夫の態度も再考の余地あり。)

例)来週予定されている工事について、一応もう一回電話確認しておいてくれる?と、彼に頼んだとき。
Mais, il va partir en vacances, non ?
でも、彼、バカンス行くんじゃなかった?
↑そんな訳ない!そうだったら、なおさら電話してほしい!!また、違う時期なのだったら私たちに関係ない!!

pas donné
安くない

「高い!」と言いたいときによく使用されます。ほんのちょっとオブラートに包んだ感じ。

例)ワイン屋さんで、「これはおいしいですよ!!」と、気軽に100ユーロのボトルを勧められたりしたら……。
Mais, c’est pas donné, hein ?
安くないよね?

Tu vas m'emmerder longtemps avec tes questions ?
お前の質問でまだ長々とうんざりさせんのか?

emmmerderはmerdeクソからきた、gros mot(使ってはいけない言葉)です。 使ってはいけない、と言われながら、たくさん使われていることは、映画のセリフをちょっと抜き出しただけで、よく入っている。ということからも伺うことができます。 奥さんにこの言葉遣いをするのはどうかと思いますが、割れ鍋に閉じ蓋的に、この位言わないと対応できないくらいこうるさくて負けてない奥さんなのだろうと、想像させる効果があります。(実際ビクともしていない)

Il n'est pas dans ton placard, j'ai vérifié.
クローゼットにはないわね!確かめたから!

これぞフラ女!夫の行動を逐一確かめて、しかも、「確かめたよ!」とこの段階ですでに言えてしまうところが、強いところです。 携帯電話なども、コソコソでなく、堂々と「覗いたんだけどあのメッセージは何?!」などと言えるのではないでしょうか。

例)「バゲットコンクールで優勝したバゲット買ってきて!」と頼んだのに、「もう、売り切れてた!」とシラッと帰ってきた彼に。
Tu n'y es pas allé. J’ai vérifié !行ってないでしょ?確認したんだから!
(↑電話してまだ残っているか確認)

Tu vas me pourrir la vie longtemps?
まだ長々と、おれの人生、腐らせるのか?!

「人生を腐らせる」とは、ひどい言い方です。 が、妻も「そんな言い方ひどい!」という反応を全くしていなので、慣れたものなのでしょう。 エレガントな話し方ではないですが、本当に、相手の態度にウンザリしたときなどには使えそうです。

例)帰ってきて早速、当てつけがましく部屋の片づけを始める夫にイライラしながら、心の中で。
Tu vas me pourrir la vie longtemps?
これからも長々と、あたしの人生、腐らせるの?!
理解のできないコレクションをしていて生活のスペースを脅かしているパートナーや、気が付けば、額にしわを寄せ、文句ばかり言っているご同居人などにも。

Tu te mets en colère parce que tu as honte.
恥だと思ってるから怒ってるんだわ!

これも、ケンカのときにすぐに切れて話にならない人に使えます。(もっと切れるかもしれませんが) 恥?なんで俺が?!と食いついてきたらこっちのものです。相手はすっかりあなたの手のひらに。

例)自分の方が失態をおかしておいて、謝るどころか逆切れしている人に。(配達の人とか)
Vous êtes désagréable comme ça parce que vous avez honte !
恥だと思ってるから、こうやって感じ悪くしてるんですね!
火に油を注いで、スッキリ~?!

Mais qu'est-ce que tu vas chercher
何想像してるんだ!

ここでのchercherは、何かを探しにいく、のではなく、頭の中で何かを探す→想像する。 という感じで使われています。

elle est folle !
この女頭おかしい!

その場にいるのに、tuやvousでなく、モノローグ風に第三人称で相手の悪口を言うやり方。 Tu es folle !と面と向かって言うより、ちょっとニュアンスが和らぎますが、面と向かって悪口を言っていることに変わりはありません。もって回った感が余計頭にくるかもしれません~。

フランス風夫婦げんかは、すっとぼける側としつこく追及する側の、ボケと突っ込み、あうんの呼吸(フランスにも存在)で成り立っています。ボケる立場は、話をはぐらかすことに神経を注ぎます。決して、「セーター買ったの!?」と詰め寄られたら、「し、知らない」とか「そ、それは、君のために」とごまかしたり、ウソをついたりせず、「フランス製だ!」とか「あったかいよ!」など、話の趣旨とずれた反応をし続けることが望まれます。また、突っ込む側は、相手を逃がさぬよう最大限の力で囲い込まなくてはいけません。覗いた、調べた、なんて言ったら引かれるかしら?などと、迷う余地はありません。そして、「恥ずかしいからそういう態度を取っているんだ!」などと、心理的に相手を挑発して、ボケの皮をはがすよう力を注ぎます。

 
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小林まみ Mami Kobayashi

女子学院、慶應義塾大学理工学部卒業後、パリ高等映画学校(ESEC)に留学。 フランスの映像プロダクション勤務を経て、短編映画制作、シナリオ執筆。フリーで通訳、翻訳業に携わる。2004年より、メルマガ「み~さの12秒フランス語!」発行。「まぐまぐメルマガ大賞」3年連続受賞。
公式サイトhttp://miisa12.com

現在、フランス語、フランス、映画関連の本などの執筆。
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