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英仏バイリンガル幼稚園・小学校
dim 19 novembre 2017

今回の映画:No et moi (仏2010) ※日本未公開
テーマ:フランス風ネガティブオーラから、自分の体調を守れっ!

ルー(Lou) は、13歳だが、2年飛び級してリセ(高校)に通うくらいの秀才。クラスのみんなの前で行う発表のテーマに、「路上生活者(SDF=sans domicile fixe)の生活」を選ぶ。パリのオーステルリッツ駅付近に出没する路上生活者の19歳の女性、ノー(No)=ノラ(Nora)を取材するうち、2人の関係は近づいて行く。

シチュエーション

ルーのSDFの生活についての発表は、先生やクラスメイトたちの前で大成功を収める。その日、お礼も兼ねてノーと会う約束をしていたルーは、待ち合わせのカフェに行くが、ノーは現れない。寒くて暗いパリの街を、ノーを探し歩くルー。目的を果たせずに家に帰ってくるルーを待っているのは、5年前に赤ちゃんだったルーの妹を亡くしてから、精神的に病み、今でもウツ状態で家から出ることのない母親。暗闇のソファーにぼおっと座ったきりで、何をしているわけでもない。

Lou
Tu fais quoi ?
Mère 
Oh, je suis fatiguée, c’est le temps ou... ?
Lou
Tu t’es pas inquiétée ?
Mère 
Hein?
Lou
Tu t’es pas inquiétée.
Mère
Pourquoi ?
Lou
Parce qu’il est 8 heures et je fini à 4 heures le mardi.
Mère
Ah, t’as fait quoi ?
Lou
Pff... Rien.
Mère
Ah, je suis gelée. Ah, je sais pas ce que j’ai.
(elle va dans la cuisine.)
Lou
J’ai eu 18 à mon exposé.
Mère
T’es pas gelée, toi ?
Lou
C’est pour le prochain trimestre. Y a pu de note avant les vacances.
Mère
C’est déjà les vacances ?
Lou
Ben, ouais, après-demain. On reste ici à Noël ?
Mère
Oui, c’est Noël. Ah ça va vite. Pourquoi est-ce que ça va si vite ?
Lou(mono-
loque)
Ma mère n’aime plus les voyages, ma mère n’aime plus rien.
ルー
何してるの?
ルーの母
う~ん、なんか疲れてて……。気候のせいかしら、それとも……?
ルー
心配しなかった?
ルーの母
え?
ルー
心配しなかったの?
ルーの母
どうして?
ルー
だって今もう8時だから。私、火曜日は4時に終わるんだよ。
ルーの母
ああ……。何してたの?
ルー
(イラついたため息)何でもない。
ルーの母
ああ、凍えるようだわ。一体なんだか分からないけど、私……。
(キッチンに行く)
ルー
クラスの発表、18点だったよ!
ルーの母
ねえ。寒くないの?
ルー
でも、次の学期に付くの。バカンス前にはもう点数は付かないって。
ルーの母
もう、バカンス?
ルー
うん、あさってから。クリスマスはここでしょ。
ルーの母
そう、クリスマス……。早いわねえ。どうしてこんなに時間が経つのは早いのかしら……?
ルー(モノローグ)
ママはもう旅行が好きじゃない。ママはもう何も好きじゃない。

Tu fais quoi ?
何してるの?

文字通り、何をしてるの?と尋ねていますが、明らかに何もしていない人にこう言うと、簡単に皮肉になります。ここでは、深い理由があるにしろ、毎日何もしないでぼおっとしている母を見るのが辛い娘の気持ちが表れています。
日常生活でも例えば、こっちが皿洗いをしているのに、ソファーにどかっと座ってiPhoneを眺めている夫に、こう聞いてみます。単にヒマつぶしをしているのであれば暗に「手伝ってよ!」という意味にもなるし、仕事のメールのチェックをしているのであれば、「ああそう」と引き下がれば、特にケンカにもなりません♪(はじめのトーンに注意!とりあえずニュートラルに!)

Oh, je suis fatiguée, c’est le temps ou... ?
ああ、疲れたわ。気候のせいかな、それとも……?

この映画の場合、お母さんが精神的に参っている深刻な理由がありますが、そうでなくても一般によく使われるセリフです。特に忙しくもないのにいつも疲れている人→軽いウツが入っている感じ。のフランス人は珍しくありません。
あそこが痛い、なんかだるいなど、単にお得意のグチを言いたいだけな場合もありますが、もし、本当に体調不良なのだったら、食べモノをちょっと変えてみたらいかが?とちょっと余計なアドバイスをしたくなります。(肉やソーセージ、ハムばかり食べる代わりに、野菜スープを。砂糖と添加物80%のお菓子を、たまにはせんべいやスルメに代える。など)

そして、パリジャンは気候に毎回文句を言うことを忘れてはいけません。自然は神さまではなく、文明の敵。というエスプリが感じられます。暑くても寒くても、何かしら文句を言ってみましょう。

例)寒い冬が終わり、適度に暖かくてすがすがしい日になった!
Il fait beau, hein ? C’est agréable ! いい天気だね!気持ちいい!
Oui, mais, ah ! C’est trop de soleil pour moi ! うん、でも、僕にはまぶしすぎるよ!

例)猛暑がひと段落。今日は曇り空!
Enfin on peut respirer un peu. やっと一息ついたね。
Ouais, mais, ça me déprime quand il n’y a pas de soleil.
うん、でも、太陽がないと気が滅入るな。(←あんたと一緒だと気が滅入るわい)

Hein?
え?はあ?

え?と聞き返すときのいい方。「アン?」とぶっきらぼうに答えると、カジュアルな感じがにじみ出ます。もうちょっと丁寧に聞き返したいときは、「pardon ?」をどうぞ。

Pff... Rien. 
プー(ため息のような空気の音。)なんでもない。

フランス人お得意のpff。ため息のように息を吐きますが、始めに口が「プ」の形になって、軽い破裂音を出します。相手を責めるようなニュアンスを出すのがポイント。フレーズが組み立てられなくても、音を出すだけで、反論になったり、めんどくささを表したり、共感し合えたりして便利な音です。

例)これから買い物に行こうよ!と言われたとき、「pff...」。面倒くさい、ヤダ!というニュアンス。

例)人ごみで前に進めずにイライラしたとき。
「Pff...」(早く進めよ!こんな人ごみに出てきやがって!←なぜか自分は棚にあげて)
と、ちょっと発散。運が悪いと、前の人が振り向き「Quoi ?なんや?!」と絡まれて、後悔します。

例)スーパーのレジや郵便局の列で待たされているときに、ちんたらしているレジの人や、「割引券は使えない!」と言われたのに迷惑も顧みずになんやかんや粘っているおばさんを横目に、「pff……!」とやってみます。同じような表情をしている人と目がったら、ニコと、ニヒルな笑みを浮かべて、場を共有してみましょう。気分はパリジェンヌ。(でも、それだけに留めます。友達になれた?と、話しかけたりすると怪訝そうに逃げられます)

je sais pas ce que j’ai.
何だかわからないけど。

直訳は、私が何を持っているのかわからないけど。=私の身の上に何が起こっているのか分からないけど…… 、調子が悪い人がよく言うセリフ。風邪をひいたかな?と思ったときや、なんだかかったるいときなどに。

例)背中が痛いとき、首を回したりしながら顔をゆがめて。被害者的に使用するのがポイント。
Ah , j’ai mal là. Je ne sais pas ce que j’ai...ココが痛い。何だか知らないけど……。
単に運動不足や、寝不足と知っていながら、なんとなく何かのせい。

J’ai 18 à mon exposé
発表、18点だった!

フランス人の学校では、このexposé(みんなの前で発表)と言うのは、ポピュラーなようです。ウチの娘も小学校に入ってしばらくしたら、このエクスポゼというのが始まりました。自分一人で、または友達と組んで、ある主題を選んで発表用の資料を作ったり……。フランス人の子供の生活に溶け込んでいる感があります。(この映画でも、ルーが夜遅く帰ってくる言い訳に、友達の家でエクスポゼの準備をする。というと、「今年はたくさんエクスポゼをするんだな」と、お父さんがつっこむシーンがあります。)
18というのは点数のこと。この訳だけをみると、のびたの点数のようですが、ここでは、もちろん20点満点の点数です。

T’es pas gelée, toi ?
寒くない、あんた?

娘が、「18点だったよ!!」と報告してくれたら、「すごい~!!」と跳び上がりたくなるところですが、秀才のママは、そんなのなれっこで無反応なところが、個人的にはうらやましいです。
このシーンでは娘の話を聞いてなくて、自分のことしか考えていないとこから、さらに一層、娘のかなしさが募ります。子供の話はちゃんと聞いてあげよう。と反省すると同時に、誰かに敢えて尊敬の念を表したくないときに使用できそうです。

例)tu veux aller où pour les vacances ?バカンスどこに行きたい?
J’ai faim, moi.お腹すいたな。

逆に無意識にこんな返答をしていたら、早めの改善をおススメします。(特に夫婦間)

Y a pu de note avant les vacances.
もう、バカンス前には点数は付かないの。

Il n’y a plus de note avant les vacances.
が、カジュアルに、こんな感じに変化。いくら飛び級した秀才とはいえ、13歳の若者にはしっとりくる言い方です。もちろん、若者以外でも使います。

例)夫がめずらしく仕事から早めに帰ってきた。
Je veux bien manger le gâteau que t’as fait hier. 昨日君が作ってたケーキ食べたいな。
Y a pu.もうないよ。

C’est déjà les vacances ?
もうバカンスなの?

6週間に一度、親がつぶやくセリフ。バカンスと言っても、常夏の島で楽しくすごすバカンスではなく、単に子供の学校が休みに入る。ということ。もちろん、両親ともフルタイムで働いている人は、もっと前から念入りに子供の過ごし方を計画(祖父母の家に送り込んだり、休みをとって子供とどこかに旅行したり)しているので、こんなとぼけたことは言わないかもしれませんが、いつもなんとなく、困った感じで言うのがポイント。
もうバカンスね!と楽しそうに言ってあげると、子供は喜ぶと思われますが、なかなかうまくいかないものです。

On reste ici à Noël ?
クリスマスはココに残る?

クリスマスは日本のお正月のように、帰省したり、家族がやってきたり、と人の移動が多いです。 そして、離婚再婚が複雑に絡み合っているご家庭では、どんどん家族が増えて行くので、この日はコチラの家族と!この日の夕食はこっちと!と綿密な計画が必要です。そして、フランス人はそもそも段取りが苦手なので(失礼)、家族はたくさんいるにもかかわらず、まさに24日夜に何故か1人になってしまいそう!など不条理な現象も。それを避けるために、クリスマスの最低3か月前からは、椅子取りゲームのような緊張感を持って、家族構成員の動向を監視している必要があります……。

例)Vous voulez manger quoi à Noël ?クリスマスには何食べたい?
クリスマスのご馳走は、材料を注文したり、準備に時間がかかることもあり、メニューを前もって決めておくのはできるフランス人の証拠。と同時に、一緒に食べるわよね!?と確認&囲いこみもできるので効率的なフレーズです。

ma mère n’aime plus rien.
ママはもう、何も好きじゃない。

精神的に落ち込んでいるか否かにかかわらず、何もかも好きでない感じのフランス人は多いです。批判精神とちょっとひねったエスプリを示さないといけない社会のおかげで、好きかも!という感情が素直に表せないのかもしれません。そして、言霊の作用で、本当に好きでなくなってしまうのかも。

例)家具を買うときに、コレはどう?と提案すると、それは○○だからねえ。といちいちイヤな理由だけ述べて、建設的な提案ができない彼にイラついたら。
De toute de façon, t’aimes rien.どっちにしろ、好きなものなんてないじゃない。

または、肩をすくめながら、
T’es jamais content!満足するということがないね! これは、洗濯物を畳んでいるとき、スーパーで買い物をしているときなど、なぜかプリプリしている奥さんにも使えます(contenteで)。

さらに、この後にcomme ta mère.(君のお母さんみたいに)と付けると、奥さんと義理のお母さんの両方を同時に敵に回すことができます。
それはさすがに怖いので、友達に愚痴るくらいに留める場合は、
Elle est jamais contente ! Comme sa mère d’ailleur !
彼女は満足するってことがないよ。要は彼女のママと同じなんだけどね。
うっぷんは吐きだして自分の健康を維持いたしましょう。

心の健康は身体からということで、フランス人風に眉間にしわを寄せて文句が言いたくなったら、その代わりに肩甲骨を回す体操を。身体の前や後ろで両手を合わせ、手を身体よりできるだけ遠方に30秒引っ張り続ける、というストレッチもおススメです。また逆に、フランス人風になりたい場合は、たくさん文句を言って、好きなものを失くしましょう。そして体調がちょっと悪くなってしまったら、どうしてだかわからないけど……。と常につぶやくとフランス人の完成です。(おススメはしませんが……)

前なら、前方肩の高さで向こう側に、後ろなら、後方斜め下の方に。肩甲骨を意識して!

 
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小林まみ Mami Kobayashi

女子学院、慶應義塾大学理工学部卒業後、パリ高等映画学校(ESEC)に留学。 フランスの映像プロダクション勤務を経て、短編映画制作、シナリオ執筆。フリーで通訳、翻訳業に携わる。2004年より、メルマガ「み~さの12秒フランス語!」発行。「まぐまぐメルマガ大賞」3年連続受賞。
公式サイトhttp://miisa12.com

現在、フランス語、フランス、映画関連の本などの執筆。
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