FacebookツイッターRSS feed
英仏バイリンガル幼稚園・小学校
jeu 27 juillet 2017

今回の映画:Bienvenue chez les Ch'tis (仏2008) ※日本未公開
テーマ:先手必勝!私のせいじゃない!の応用編

ch'tiとは、chtimiともいい、北フランス(パドカレー)の人、またはそこで話されている方言のこと。 この地方出身のダニ・ブーンが演出・出演したコメディーで、フランスでのフランス映画の興行成績を42年ぶりに塗り替えた大ヒット作。 フィリップ(カド・メラド)は、南仏に住む郵便局長。妻のジュリー(ゾエ・フェリックス)の強い希望で、南の海辺の町への転勤を願い出ているが、なかなか受理されない。夫婦仲を心配するフィリップは自らを、転勤に有利と思われる身体障害者であると偽り、希望地への転勤を申し出る。が、ウソがばれてしまい、逆に北の地へ左遷されることになる。
厳密にはフランス語の方言ではなく、直接ラテン語から発展した独自の言語、という説も…………。


Bienvenue chez les Ch'tis (仏2008)※日本未公開
シチュエーション

事実を知ってあきれたジュリーは、北へは一人で行け!とフィリップに宣言。 北は寒く、人々は野蛮で…………、と別世界のように聞かされていたフィリップは、どんよりとした気持ちで現地に着く。新しく配属された郵便局長を出迎えたのは、郵便局員の一人、アントワーヌ(ダニ・ブーン)。彼の話す言葉はなまりが強く、コミュニケーションがなかなか円滑に進まない。未知の生活への不安にイラ立ちつつ、フィリップはアントワーヌと共に、新しい職場に出向く。

Antoine
Monsieur Abrams, laissez moi vous présenter Fabrice Canoli,
le plus ancien postier de chez nous.
Fabrice 
Monsieur le directeur, bienvenue à Bergues
Philippe
Oui, oui, on me l’a déjà dit.
Antoine 
Et Yann Vandernoout que ch’occupe de la partie banque postale.
Yann
Alors comme cha, vous êtes du chud !
Philippe
Non, pas du chud, du sud, S-U-D.
Le Chud, je sais pas où c’est.
Antoine
Ben, quo qu’ch’est cha ?
Annabelle
Bonjour, tout le monde !
Antoine, ferme eute bouc, tin nez va carrer d’dans.
Vous devez être Monsieur Abrams ?
Annabelle Deconninck, je suis au guichet courrier recommandé, et je suis un peu en compta.
Philippe
Bonjour, bien, vous pouvez me montrer mon bureau ?
Annabelle
Oui, je vous y accompagne.
Antoine
Pff, bon, j’ai du courrier à distribuer.
Yann
Tête de con, je vais lui rappeler que « SUD » ch’est aussi un syndicat.
Fabrice
Arrête. Sois sympa, un tchiot peu, ch’est un gentil, cha se vois dans son regard.
アントワーヌ
ムッシュー・アブラムス、ファブリス・カノリを紹介させてください。
ここに一番古くからいる局員です。
ファブリス
局長、ベルグにようこそ!!
フィリップ
ああ、もうそれ聞いたよ。
(場の雰囲気が引く。ファブリス、呆然とした目。)
アントワーヌ
そして、ヤン・ヴァンデルノ、郵便銀行の担当です。
ヤン
(努めて笑顔で)それじゃあ、ミニャミの方からいらしたんですね!
フィリップ
いや、ミニャミじゃない。南だ。ミ・ナ・ミ。
ミニャミなんてどこだか知らない。
(ヤンからも笑顔が引く。気まずい雰囲気。ふと、バイクの音)
アントワーヌ
へ?なんだありゃ?
(男の運転するバイクの後部座席から降り、さっそうと入ってくる女性。あんぐり口を開けるアントワーヌ)
アナべル
みんな、おはよう!!
アントワーヌ、口閉じないと、あんたの鼻、中に落ちちゃうよ!
あなたが、アブラムスさんですね。
アナべル・ドゥコナンクです。書留郵便の担当で、経理もちょっとやっています。
フィリップ
おはよう。ボクのオフィスを教えてくれるかな。
アナべル
はい。ご案内します。
アントワーヌ
(その場を去りながら)ふう。さて、配達に行くか……。
ヤン
バカずらしやがって。あいつに、「ミナミ」っていう組合もあることを思い出させてやる!
ファブリス
やめろよ。ちょと多めに見てやれ。いい奴だよ、目をみれば分かるじゃないか。

chitimiは、ch'「この」、ti「お前(toi)」mi「私(moi)」の合成語。
chitimiでは「s」が「ch」と発音されます。C’est~(セ)が、ch’est~(シェ)のように。

会話中、ch’occupe → s’occupe、  cha → çaのように解読♪
distribuerなどは、単語を改造はしませんが、「ディトりビュエ」の代わりに、「ディシュトりビュエ」 と発音されています。

Oui, oui, on me l’a déjà dit.
はいはい、もうすでに言われたよ。

満面の笑顔で「ようこそ!」と言ってくれているのに、こんなとこに来たくはなかった!と不機嫌である彼は、「それもう言われた」と失礼な返答を。「ありがとう」と、言っておけばいいのに、子供の口答えのようなことを言ってしまうのは、フランス人風「甘え」でしょうか?(←お互いの気まぐれを理解し合うという) 予期せぬ返事に、一瞬にして場に緊張感が走りますが、出会いのインパクトを生みだすための演出としては使えるかも? どのように応用できるが考えてみましょう~!

例)きれいだね。頭いいね。などと言われたら。
Je sais, on me l’a déjà dit.(知ってる、言われたことあるし)
と小悪魔風に。(※注。声に色気がないと、ただの反抗期の子供になってしまいます。)

例)次回の夏休みも、「子供のパジャマを毎日洗うなんて、エコロジーに反するわ!」と、義母より余計なアドバイスをたまわったら。
Oui ,oui, on me l’a déjà dit.(はいはい、もう、以前、誰かにそう伺いました)と、軽く流してみたいと思います。(「子供は寝汗をかくから」、などと反論しようものなら、もし話がこじれた場合、「あなたはパサパサだから分からないかもしれないけど」などと、つい口を滑らせないために)

Non, pas du chud, du sud, S-U-D. Le Chud, je sais pas où c’est.
いや、ミニャミじゃない。南だ。ミ・ナ・ミ。ミニャミなんてどこだか知らない。

またもや、人の善意を踏みにじるような返答を……。
北の地に着いたときから、sがchと発音されることに代表される発音の違いにより、コミュニケーションの問題がちらほらと。ついに切れて、sud(南)のことを、chudと発音するchtimi氏を攻撃してしてしまいました。しかし、おればダメだ……と萎縮せず、また切れて叫ぶわけでもなく、静かにイヤミを言うあたりパリジャン的(この人はパリの人でない設定ですが)。学べるところがあるかもしれません……。 また、局長としての顔を立てるために、相手に馬鹿にさせないように先手攻撃をしているのかもしれません(大切)。でないと逆にこっちのナマリ(のなさ)を今後バカにされるパターンも充分に考えられます。

※このほかにも、siens彼のもの→chiens犬。に聞こえてしまい、二秒で済む話に5分くらいかかってしまったりしています。

quo qu’ch’est cha ?
なんだありゃ?

quo queは、qu’est-ce queに相当するらしいです。
quo qu’ch’est cha ?はqu’est-ce que c’est ça.
という意味。

その他、こちらにいろいろなchitimi表現があります。北に行かれる方は、是非これで、ご準備を~?! http://www.chti.org/chti/glossaire/index.php

ferme eute bouc, tin nez va carrer d’dans.
口閉じないと、鼻が中に落ちるよ!

Ferme ta bouche, ton nez va tomber dedans!の意味。
アナべルが早口でアントワーヌにいうのですが、何度聞いてみても、何と言っているのか分かりません!
taがeute boucheがbouc ton がtin と変化するようです。
ここでも男性形と女性形を使い分けないといけないところが残念なところです(当たり前か)。

Vous devez être Monsieur Abrams ?
あなたがアブラムスさんですね。

〜さんですね?というときに便利な表現。さっそうと手を差しのべながら。
職場でも、私生活でも、こうして出会いのイニシアティブをとるのはフラ女的。
さっそくやってみましょう。

例)新しい彼のママに遭遇したら。
Vous devez être Maman de Alex ?アレックスのママですね!
普通は年上から手を差しのべるのがマナーのようですが、 戦いは出会いの瞬間から始まっています。こうやってハキハキとイニシアティブをとりましょう~!
(迷っても、アレックスのおばあちゃんですね!とは言わない方が無難)

tête de con
バカずら

conは使ってはいけないgros mots(下品な言葉)ですので、使用にはご注意を。
何あいつ~!?という人に出会ったら、こっそり一人でこうつぶやくのはアリ。
また、tête à claque → 平手打ちしたくなるような顔。というのもあります。(あるある)
なんだか見てるだけでイライラする!雰囲気をかもしだしている人に(やはり陰で)。

je vais lui rappeler que « SUD » ch’est aussi un syndicat.
あいつに、「ミナミ」っていう組合もあることを思い出させてやる!

フランス人の労働者といえばやはり組合(デモの多い国)。
フランス人上司も日本と同様、部下にとっては悩みのタネとなることも多いですが、逆に組合は、上司にとっての悩みのタネ。お互いに持っている武器は、隠さずチラつかせながら生きて行くのがフランス流。

上記のように、rappelerは、〜を忘れんな!と、ちょっとした捨て台詞を残すときにも便利な表現です。
例)Je te tappelle que c’est moi qui ai acheté ce frigo !
言っとくけど、この冷蔵庫を買ったのはアタシなんだからね!!

un tchiot peu = un petit peu
ちょっとだけ

chitimiでtchiotは、petitの意味。ちょっとだけ=アンチョプー(←かわいい)
しかも女性形は、tchioteとなり、「チョトゥ」と発音されます。チョット~!!?
日本語に発音も意味も似てる~~~!と懐かしい気がしたのは私だけでしょうか。

cha se vois dans son regard.
目つきをみれば分かるよ。

失礼な態度をとられたのに、なんていい人なのでしょう。局長をかばってあげています。こんなに心の広い人が現実に存在するでしょうか?しかも、「サスヴォワ」が、「シャシュヴォワ」となっているところも、なんとなくかわいい、マスコット的な感じがしてしまいます。
なんでも言わないと分からない!と言われるフランス人ですが、視線、目つきなどでも普段から充分コミュニケーションをとっていることがこの一言で分かります。(口説きに限らず)
いい人そうに見える目つき、の訓練も必要かもしれません……。

転勤転校、など、新しい場に加わるときには、最初の印象が大切です。 フランス人的には相手になめられないように、最初の自分の印象を「よい人」、というよりは「強い人」=敵に回したくない~ひ~~!!という打ち出し方をするのがよいようです。(動物的) さらに、強くてやや攻撃的でも、視線の中に、一抹の優しさを伝えることができたらパーフェクト!!!

 
<< 最初 < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 > 最後 >>

9 / 23 ページ

  • Check



小林まみ Mami Kobayashi

女子学院、慶應義塾大学理工学部卒業後、パリ高等映画学校(ESEC)に留学。 フランスの映像プロダクション勤務を経て、短編映画制作、シナリオ執筆。フリーで通訳、翻訳業に携わる。2004年より、メルマガ「み~さの12秒フランス語!」発行。「まぐまぐメルマガ大賞」3年連続受賞。
公式サイトhttp://miisa12.com

現在、フランス語、フランス、映画関連の本などの執筆。
お風呂で読むフランス語[会話フレーズ](学研教育出版)
お風呂で読むフランス語・単語帳(学研教育出版)
「1日12秒!初歩フランス語文法マスター!」(kindle版)

写真)耐水性の紙で出来た、お風呂でのんびり学習できるフランス語本。 自然な会話フレーズ、そしてその解説が好評。 フランス語会話の個人授業のテキストとしても利用されています。同じシリーズで、[単語帳]も。 実際に、フランスで生活してみて、これは知っておきたい!という単語が盛りだくさん。

バナー
バナー フランスのラーメン、中華麺、うどん、そば - イギリス・フランス・ベルギー・ドイツの麺もの大特集! パリのお弁当やさん おすすめフランス語学校 ヘアサロン・ガイド バナー バナー サロン&クリニック・ガイド