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英仏バイリンガル幼稚園・小学校
jeu 30 mars 2017
 

今回の映画:しあわせの雨傘Potiche (仏2010)
テーマ:おフランスママンの基本を押さえよう!

poticheとはもともと、 部屋の装飾に使われる、派手だが実用性のないつぼのこと。そこから転じて、美しいが中味があまり伴わない女性に使われる。舞台は1977年、北フランスのある地方。スザンヌ(カトリーヌ・ドヌ―ブ)は、家事も仕事もしていない優雅なブルジョワ専業主婦。亭主関白(男尊女卑?)な夫のロベール(ファブリス・ルキーニ)が経営をしている傘工場の創業者の娘で、成人した娘と息子がいるが、家族からは何もできない、何も知らない女性といった感じで、軽く扱われている。そんなとき、夫のロベールが倒れ、突然、工場の経営を任される羽目に。スザンヌは、隠されていた強い指導力で、経営危機だった工場を建て直しさえしてしてしまう。女性の自立というテーマが、コメディータッチで描かれています。


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しあわせの雨傘 Potiche (仏2010)
シチュエーション

潰れそうな工場を立て直し、その後、夫の陰謀で工場の社長を首になっても、今度は議員に立候補する!と、社会的にバリバリ進出し、輝いているスザンヌ(カトリーヌ・ドヌ―ブ)。そして、常に傍らには息子のローラン(ジェレミー・レニエ)がいる。彼がフロリアンというケーキ屋の娘と付き合っているのは知っているが、一度も実物を見たことはない。彼女はパリに住んでいるので、週末に、ロランがパリに会いに行っていた。息子の彼女であり、夫の隠し子でもあるフロリアンを、特に感情的な態度も示さずに話題にしているスザンヌであるが……。

Suzanne
Alors, je vais enfin rencontrer Floriane ?
Laurant
Non, maman. Elle n’est pas là.
Suzanne
Comment ça ? Elle vient pas le week-end pour aider la patisserie ?
Laurant 
Elle vient plus. On a rompu.
Suzanne
Oh, mon Dieu ! Mais tu m’avais rien dit.
C’est pas à cause de moi, j’espère.
Laurant
En quelque sorte, si.
Je crois que t’es devenue la femme la plus importante de ma vie.
Suzanne
Tu exagères. Je ne suis que ta maman.
スザンヌ
さあ、ついにフロリアンに会えるわね?
ローラン
ううん、ママ。彼女は来ないよ。
スザンヌ
どうして?週末は、ケーキ屋さんを手伝いに来ないの?
ローラン
もう来ないんだ。僕たち、別れたんだ。
スザンヌ
ええ、何ですって!!!だって、一言も言わないから……。
まさか私のせいじゃないわよね?
ローラン
言いようによってはそうかもしれない。
ママはボクの人生で一番大切な女性になったんだ。
スザンヌ
大げさね。私はあなたのママでしかないのよ。

je vais enfin rencontrer Floriane ?
やっと、フロリアンに会えるのね!

フレンチママがよく言うことば。息子がどんな人と付き合っているのかというのは、誰でも気になるところ。 そして、特に会いたくもないな!と思うのが本音ではないでしょうか?(偏見?)
しかし、そんなことはおくびにも出さないのが、フランス人ママン風。
会いたいわ~!どんな人なの~~!?!と、楽しそうに興味津津、息子の幸せを願ってる~~! という自分を前面に出します。
そして、とうとう彼女と会った場合には、固く握手をするか、力強くビズーをし、笑顔でごく友好的にひとときを過ごします。が、翌日、特に親しくない人には「良い人(サンパ)でよかったわ~!」と自分にいい聞かすようにはしゃぎ、本当に親しい人には、「服の趣味が悪い」「発声の仕方がへん」など、思いつく限りの欠点をリスト化します。

Elle vient pas le week-end pour aider la patisserie ?
彼女は週末、ケーキ屋の手伝いをしに来ないの?

でた~~~! フレンチママン特有の「オーガナイズ」体質。
「あなたはコレをしなさい」「あんたはコレ!」と、彼女が割り振りを決めます。
そして、それにちょっとでも異見をとなえると、不機嫌になられたり、マイナスのエネルギーをたんまり浴びさせられます。

一般に、段取りというか、前もってオーガナイズをするのが苦手なようなフランス人ですが、ママンは例外。 つまり、そのパワーにより、その他は骨抜きになっているものとも思われます。
特に男性が計画性もなくぼ~っとしているのを見かけますが、これは、ママンと対立しないための生活の知恵だったのかっ!と今思い当たりました!!ここでスザンヌは、人の家のことにまで口出しをしています。自分の家だったらどうなるのか? 想像するのも恐ろしいです。

反対に、フランスでママンとなったからには、誰かのオーガナイズの傘下に入っていはいけません! 大変ですが、独立した傘を持つのがフレンチママンの証。夏のバカンス時などは特に、 「あんたはどっちの傘下に入ってるのよ!」と、夫をめぐって嫁姑、傘で殴り合い(←もちろん比喩)、 というのは、よくある風景です♪

Oh, mon Dieu !
なんてことでしょう~!

息子が彼女と別れたと聞いて、嘆きの言葉がすぐに出てくるところが筋金入りです。 心の中ではニヤリとしていそうですが、かわいい息子の手前、「なんてこと~!どうして相談もしてくれなかったの~~!?」と深刻ぶります。息子もそういう母のタヌキな面を知ってか知らずか(もちろん知ってるだろ~!!)、上手に甘えるところが、さすがの化かし合い親子と言えます。

C’est pas à cause de moi, j’espère.
まさか、私のせいじゃなければいいけど……。

はあ~~~~っ!?
何か失礼なことをしたとかいうのなら分かりますが、会ったこともない彼女が、どうしてママのせいで別れたというのでしょう?カトリーヌ・ドヌ―ブのイメージとちょっとダブってしまいますが、さすが、美しいフラ女はいくつになっても、言うことが違うっ!!

魅力的なパリジェンヌを気取る為には、このフレーズは必須です。いくつになっても小悪魔的な女性でいるために、若い時から使い慣れておきましょう。

必須例)男性の友達が、「彼女と別れたんだ……」と、打ち明けたとき。
C’est pas à cause de moi, j’espère.(私のせいじゃなければいいけど...)

例)試験に合格できなかったんだ……、との彼からの知らせを聞いて。
C’est pas à cause de moi, j’espère.(私のせいじゃなければいいけど...)

君のことを考えすぎて……、という返答ができれば、こちらは合格!

例)最近物価が上がってやってられないな~!と嘆いている彼に、
C’est pas à cause de moi, j’espère.(私のせいじゃなければいいけど...)

意味不明。

En quelque sorte, si.
言ってみれば、そうかな

はあぁ??ママンもママンなら息子も息子。上手に育てられたようです。
この際、どうして彼女と別れたのか、などは問題ではありません。
いかに機会を見つけては、ママンを喜ばせるか。というのが課題です。

Je crois que t’es devenue la femme la plus importante de ma vie.
ボクが思うに、君はボクの生涯で一番大切な人になったみたいだ……。

普通は、この人はボクの将来の伴侶だ!と決めたような人に、使うフレーズです。
しかし~~~~!!ここは、おフランス。ママンを忘れてはいけません~~~~。まあ、いずれにせよ、一生大事な人に変わりはないと思うのですが、彼女(妻)と、同じ土俵にオラオラと上がってくるところが、パリジェンヌママのすごい(コワイ)ところです。よほど鋭敏で行動力のある男性でないと、この2人の間をうまく乗りこなすことはできないでしょう。というわけで、普通の(不器用な)男性は、どっちかに付いて、どっちかを怒らせてしまいます。そして……、ママを取る確率は8割程(未確認)。やっぱ、慣れてる方を取るのが楽なのは、世の常ですね!

Tu exagères.
大げさね。

跳び上がるような嬉しいことを言われても、エレガントなフランス女、本当に跳びあがってはいけません。 ココはぐっとこらえて、大げさね!と、クールに相手をかわします。
また、逆に、褒められたときに、「そんなことないよ!」と謙遜するのもNG。「そうかもしれないわね」くらいのニュアンスで小悪魔風にほほ笑みます。

例)「君は女神だ、素晴らしい、世界一美しい!天才!!」など、歯の浮くようなセリフを言われたとき、色っぽく肩をすくめて。
Tu exagères. 大げさね。
(↑的を得ている。)

Je ne suis que ta maman.
あんたのママでしかない。

と、謙遜した言い方ですが、ああ、そうなんだ。そうだよね。とそのまま納得してしまったら、後で痛い目にあいます。これは、「私はあなたの大切なママ~。一生大切なママ~。忘れるな~~~~」という、メッセージです。ママでしかないから、誕生日にはその日の朝一にお祝いメッセージ、そして、プレゼントも忘れずに!母の日はもちろん、定期的に花束を持って会いに行く(兄弟がいると、大きさを比べられてしまいます。頑張って!)、家でご飯を食べたら「ココで食べるご飯はほっとするな」とつぶやく(注。妻がいないときに限る)など、ママが喜ぶことをしていればOKです♪

フランス人のママンのようになるのは、見本を見ながら育つ。という、子供の頃からの積み上げがなかったら、ちょっと難しいかもしれません。日本人のママを見て育ってきた私たちは、つい、いい人になってしまいがちです。 が、ここでぐっとこらえて、縄張り争いをし、小悪魔的に振る舞うなど、息子さんがいる場合は特に、将来誰かの傘下にやすやすと入らせないためにも、条件反射的教育が必要かもしれません……。(ふ~、疲れる!フランス生活……)

 
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小林まみ Mami Kobayashi

女子学院、慶應義塾大学理工学部卒業後、パリ高等映画学校(ESEC)に留学。 フランスの映像プロダクション勤務を経て、短編映画制作、シナリオ執筆。フリーで通訳、翻訳業に携わる。2004年より、メルマガ「み~さの12秒フランス語!」発行。「まぐまぐメルマガ大賞」3年連続受賞。
公式サイトhttp://miisa12.com

現在、フランス語、フランス、映画関連の本などの執筆。
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