FacebookツイッターRSS feed
英仏バイリンガル幼稚園・小学校
jeu 30 mars 2017
ジャック・カルティエの像
ジャック・カルティエの像を
仕上げるフレ神父

2. ロテヌフの岩の彫刻群

17 mai 2012 No 952

もの作られたオブジェ

ブルターニュ地方の観光都市、サン・マロの中心街から5km離れたロテヌフ地区。かつては海岸沿いの小さな村だった。ロテヌフの海沿いにある500㎡ほどの岸壁に奇妙な岩の彫刻群が広がる。花崗(かこう)岩に金づちとのみを使って刻まれた彫刻は約300体。当初はカラフルな色が塗られていたというが、現在はタールが施され、輪郭がわずかに見て取れる程度である。ブルターニュ地方にゆかりのある神話や歴史上の人物がかたどられている。風雨にさらされ、気候環境による風化や劣化が激しい。

こと作品にまつわる出来事

岩の彫刻群の作者は通称フレ神父、ロテヌフの隠修士などと呼ばれるアドルフジュリアン・フエレ(1839-1910)。神学の研究を積み、1863年、24歳で司祭となる。ブルターニュの町、パンポンの製鉄所の労働者のストを擁護するために製鉄所の経営者である英国に住むフランス人貴族たちに働きかけたが、製鉄所の活動維持はかなわなかった。精神的にも狼狽(ろうばい)したフレ神父は、55歳のとき病により耳と口が不自由になる。そのため、93年に聖職を引退し、ロテヌフで隠居生活を送ることとなった。言葉を失ったフレ神父は間もなくこの地で彫刻に打ち込むようになる。こうして海岸の彫刻群の制作活動は16年間続く。隠居生活を送っていた自宅でも木彫りの彫刻を数多く制作し、村人に公開していたが、これらの木の彫刻やフレ神父の自宅は現存しない。  

フレ神父の死後は、彫刻群の状態が変化を遂げる。宗教を象徴する彫刻や碑文などが消去された。20世紀初頭、ブルターニュ地方の作家ウジェーヌ・エルパンによる貴重なフレ神父の略暦以外には彫刻群についての出版物は少なく、1970年代後半にやっと、フレ神父についての出版物が出て謎が解明されるようになった。  

現在ではアール・ブリュット(生の芸術:既成の美術の形や伝統から解放された独学者の自発的な芸術)の巨匠の1人とされるフレ神父。彫刻群は現在、個人所有者が管理している。

こころ作品に込められた思い

作品にはフレ神父が敬愛する人物像や歴史的な出来事が表現されている。岩の彫刻群の大半は、フレ神父が当時見聞きした第2次ボーア戦争(1899-1902)で活躍した英雄たちだ。時の政治家、軍人などがひしめき合うように刻まれている。当時、ボーア人の共和国であるオレンジ自由国及びトランスヴァール共和国と大英帝国の間の戦争を、ボーア人に対する英国の不公平な戦争としてヨーロッパ中が注目した。トランスヴァール共和国の初代大統領のポール・クリューガー(1825‐1904)は英国に対して圧制から国民を守るために決起して戦ったが、惜しくも1904年亡命先のスイスで亡くなった。フレ神父は旗を持ったクリューガー大統領の勇敢な姿を刻んでいる。フレ神父はこの戦争に心を打たれ、英雄たちを海岸の岩壁に永久の命を吹き込むように刻み込んだ。  

彫刻群の中で一際目立つのがロテヌフ出身の北米探検家で「カナダ」の名付け親とも言われるジャック・カルチエ(1491-1557)の像である。海を越えたはるか彼方の発見の旅を終えたカルチエは、生まれ故郷のこの地、ロテヌフで亡くなった。フレ神父は生涯をブルターニュの地で過ごし、この地とこの地に住む人々を愛した。ブルターニュ地方の守護神として伝わる聖人たちも岩塊に彫り込んだ。また、漂流した漁民や遭難した人々の守護神、サン・ブドックなどの像も丹念に彫っている。ブルターニュに伝わる聖人たちはカトリック教会の列聖としては正式に認められていないものが多いが、ブルターニュの民による民間信仰の聖人たちなのだ。正義に生きた栄雄たちを永遠に刻み込む情念。海の音を聞きながら、自分の信念を1つ1つ手で確認するかのように岩塊に線や面、形を刻んでいったフレ神父の生命への態度が形となって、時を越えて語り掛けてくる。

ロテヌフの岩の彫刻群 一見、普通の岩壁だが、よく見ると無数の彫刻が刻まれている。目が慣れてくるとボーア戦争の登場人物をかたどった彫刻が現れる
ロテヌフの岩の彫刻群
現在のジャック・カルティエの彫刻。大きな帽子をかぶり、丸い大きな瞳で海のかなたを見つめている

ロテヌフの岩の彫刻群 
Les Rochers Sculptés à Rothéneuf

35400 St-Malo
Gare MontparnasseよりTGVでRennes駅まで行き、
terでSt-Malo駅 まで約3時間半。更に、車で10分。
入場料 : 2.50€
TEL : 02 99 56 23 95
 

  • Check


バナー
バナー ヘアサロン・ガイド パリのお弁当やさん フランスのラーメン、中華麺、うどん、そば - イギリス・フランス・ベルギー・ドイツの麺もの大特集! バナー サロン&クリニック・ガイド おすすめフランス語学校 バナー