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ロンドンのゲストハウス
jeu 17 août 2017

音楽は私の妻で、ピアノは愛人たち

シプリアン・カツァリスさん
Cyprien Katsaris
Pianiste, compositeur

シプリアン・カツァリスさん
肩書き ピアニスト、作曲家
経歴 1951年、マルセイユ生まれ。姉の影響で4歳のときにピアノを始める。13歳でパリ国立高等音楽院に入学し、19歳で室内楽とピアノ部門を主席で卒業。同年チャイコフスキー国際コンクール入賞、72年のエリザベート王妃国際音楽コンクールでは西欧人として唯一入賞。93年、NHK教育TV「ショパンを弾く」の講師を務める。97年のユネスコ平和芸術家。99年、カーネギーホールでショパン没後150年の記念演奏会を行う。2000年、芸術文化勲章授章。
嗜好 リモコン飛行機やヘリコプター、コマ割り漫画(BD)の収集。

ピアニスト人生が早くからスタートしましたね。

パリ音楽院を卒業後、コンサートを行いながら音楽活動を始めました。これはピアニストの卵がたどる一般的な道です。このようなキャリアを積めるのは500人の若手ピアニストのうちわずか2〜3人です。多くの優秀な若いピアニストはキャリアを積めないのが現実。これは説明しがたいことです。なぜ私がそれをできたか? 若い時分、レコードを録音したことが音楽家としてのキャリアを築く助けになったからでしょう。私はレコードやCDが大好きでね。でも、時代は変わりました。今やインターネットで簡単に音楽をダウンロードできるのですから。とはいっても、近い将来新しいディスクを世界に向けてリリースしたいです。  

ピアニストになるには4~6歳からピアノを始めるべきですが、名ピアニストになるためにはそれだけでは不十分です。私の場合は自分の知名度をあげ、コンサートに招かれるために、多くのコンクールに参加しましたよ。  

音楽は私の正妻で、ピアノは愛人たち。幼いときからずっとそう思っています。

日本人のファンが多いですね。

85年に初めて日本を訪れたとき、すぐに強い親近感を持ちました。日本から戻るといつも家族や友人に「2つの惑星がある。1つは日本で、もう1つは地球なんだ」と言うほど日本を特別に思っています。他のどのアジアの国にも日本のような感情は抱きません。なぜなのでしょうね。礼儀正しいからか、清潔感からか、日本人は何でも吸収しようとする好奇心を持っているからか…… 不思議です。  

日本人の感受性の豊かさにも心を打たれます。私の演奏中に感極まって涙を流している人を見ました。また、日本で私の音楽を聴いてくださる多くは女性ということもうれしいです。なぜなら、私は女性的な感受性が大好きだから。日本へは毎回コンサートのために行き、2013年は3回ほど公演をする予定です。  

日仏で東日本大震災のチャリティー・コンサートも開いていますが、福島の惨状については本当に胸を痛めています。

編曲もされますね。音楽において大切なことは?

誰もが素晴らしい楽曲をいろいろな角度から聴きたいと思うでしょう。例えば「展覧会の絵」は、 ムソルグスキーによって作曲されたピアノ組曲ですが、よく聴くのはラベルによって編曲された交響曲ではないでしょうか。同じように、ベートーベンの交響曲第9番をリストがピアノソロ用に編曲しました。傑作というのはピアノ曲としても、交響曲としても聴くことができるのです。いろいろな色がそろっている楽曲を交響曲とすると、編曲されたピアノのための楽曲はまるで白黒写真のようなもの。  

演奏で大切なのは、間違えずに早く弾くことではなく、音楽的感情のコミュニケーションです。音楽の大家は聴衆とコミュニケーションをとれる人。聴衆が退屈しないように彼らから何かを感じ取り、心を揺さぶることが音楽家の使命です。音楽家はワンパターンであってはならず、真心で演奏しなければなりません。ワンパターンは愛情の欠如ですから、そうならないために絶え間なく愛情そして音楽を再生しなければなりません。  

私たちは乱れた世界に住んでいます。1985年、原爆投下から40年という年に広島を訪れてそう思いました。だからこそ、芸術や音楽が必要なのです。医師が病人に薬を処方するように、日常での心配事を忘れるため、精神的に上昇するため、苦しんでいる人を慰めるため、力を貸すのが芸術家や音楽家の役目なのです。  

私の目標は常に、演奏を聴いてくださる方が幸せな気持ちになるような、日常の問題を忘れられるような演奏ができるようにピアニストとして演奏の質を改善することにあります。

 

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