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ロンドンのゲストハウス
jeu 01 septembre 2016

島田順子さんスペシャル・インタビュー Who's who spécial

悲しいことは忘れてしまう。幸せな思い出しか覚えていない

島田 順子さん
Junko Shimada
Fashion Designer

島田順子さん
肩書き ファッションデザイナー
経歴 1963年、杉野学園ドレスメーカー女学院卒業。67年に渡仏。パリのプランタン百貨店、企画宣伝会社マフィアを経て75年、キャシャレル入社。同社の婦人服・紳士服・子供服のチーフデザイナーを歴任。81年、パリにJUNKO SHIMADA DESIGN STUDIOを設立。同年以降毎シーズン、パリと東京でコレクションを発表し続けている。
嗜好 日が沈むときのさまざまな色が大理石のように混じった空の色、野の花、子供、そして友達。

渡仏のきっかけは?

パリに来たのは60年代のことでした。あのころは、500ドル相当しか円を持ち出すこともできないような時代。今とは全然違うでしょ?それでも「パリに行く!」と決めていました。というのも、ヌーベルバーグのフランス映画が大好きで、あの映画の中に自分を立たせてみたかったのです。現実はどうだったか?もうそのままでした。がっかりなんてとんでもない!仕事にしても、フランス人の同僚らが愚痴を言ってても、「なんで?私は教えてもらえるし、こんな素敵な環境で働けるなんて夢みたい」と思ったものです。

コレクションに「今回は参加しなくてもいいかな」と思ったことは?

それはありません。確かにコレクションの製作・準備は大変な作業ですが、コレクションのたびにクリエーターたちが集まり、世界が注目しています。その場所で私もメッセージを発信したいと思うのです。30年間コレクションを発表し続けていますが、毎回終わるときに何か悔いるところがあるのです。それで「次回はもっと頑張るぞ」とやっていたら、気付くとこんなに時間が経っていたという感じです。

どのように創作のインスピレーションを得るのですか?

それは毎日の暮らしの中からです。青い空、風、出会いなどから何かが生まれる。例えば、2013年の春夏コレクションのテーマは、画家のドラクロワ、そしてオリエンタルでした。ドラクロワの美術館に行ったわけでも、オリエント方面に旅行したわけでもない。ある時期、少しつらいことがあって自宅に居がちでした。そんなときに手に取ったのが書棚にあったドラクロワの画集でして……。一方で、私、昔から中東の文化が大好きで、昨今のこの地域のニュースには胸を痛めていました。この2つのことが頭の中でドッキングしたのでしょう、ふとインスピレーションが湧いたのです。ドラクロワはアルジェリアやモロッコに旅をしたというけれど、もし彼と一緒に中東に旅したのなら、果たして彼はどんな風景を描いただろう、その風景の中の人々は何をまとっているのかしら、って。

モードの世界に入ろうとしている人へのアドバイスはありますか。

若いうちにどんどん外に出て、日本の外を見てください、ということでしょうか。これはモードの世界でなくてもそうです。今の時代、インターネットで情報が引き出せて、疑似体験のようなことができるのかもしれません。日本がすっかり豊かになり、わざわざ海外に出る必要はない、と思われるのかもしれない。あるいは、いつでも行けるからと、延ばし延ばしにしているのかもしれない。でもそうではないと思うのです。若い方にはもっと好奇心を持って欲しい。

年を取ってからだと、臆病になったり、警戒してしまったりすることでも、若いときなら思い切って扉をたたけるでしょう?そして見知らぬ世界の扉を開いて、素直な気持ちで飛び込めば、みんな胸を開いて受け入れてくれると思います。そんな風にしていっぱい学んで欲しい。実際に自分の足でその土地を踏みしめて欲しい。自分の目で見て欲しい。そうしないとできない発見があり、そうすることで多くの「栄養」を得ることができると思うのです。

素敵に、自然に年を重ねる秘訣を教えてください。

とにかく夢中で生きてきて、気付いたら時が経っていました。ウーマンリブなどではないですが、たまたま結婚しないという選択をし、1人で子供を一生懸命育て、大好きな仕事に打ち込んで、インディペンデントに、自由に生きてきました。日本の女性は生真面目すぎるのかしら。ほら、男性が、女性は若くあるべきだ、かわいくあるべきだと言うから、女性は真面目にそうあろうとして若作りしたり、必要以上の努力をしてしまうという……。もっと自由になったらいいのにと思います。自由に、そして独立したエスプリを持ったらいい。

生き方の秘訣? 私の場合はきれいなものに接することかしら。大きな青い空を見たり、好きな音楽を聴いて心地よいリズムに身体をゆだねていると、さっきまで落ち込んでいたことを忘れることができるのです。そもそも悲しいことって気付くと忘れているのもので、楽しい、幸せな思い出だけが心に残っている、そういう性格なのでしょう。

新年のメッセージをお願いします。

私は日本が大好きで、日本人であることに誇りを感じています。東日本大震災のとき、海外で日本人の威厳ある態度が評価されました。あんなにつらい状況下でも、ぐっと耐えて、逆境を受け入れることができる。また、反省して常に向上しようとする素晴らしい国民性を持っていると思います。一方でまだ閉鎖的なところがある。それが寂しいです。もっと、扉を開けて、外に向かって欲しいです。近いうちに日本がむくっと起き上がると信じています。

Printemps – Eté 2013 Junko Shimada Printemps – Eté 2013 オリエントへの旅に誘いざなわれる2013年春夏のコレクション。
生命力溢れるカラフルな色の「洪水」が会場を魅了した。
www.junkoshimada.com
www.junkoshimada.jp
 

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*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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