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ロンドンのゲストハウス
sam 18 août 2018

写真という奇妙なもの、
それが何かを探る

オノデラユキさん
Yuki Onodera
Photographe, artiste plasticien

オノデラユキさん
肩書き 写真家
経歴 東京都出身。桑沢デザイン研究所卒業。独学で写真を学ぶ。1992年、第1回キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。93年に拠点をパリに移す。主な受賞は、2003年、第28回木村伊兵衛写真賞、06年、フランスで最も権威ある写真賞「ニエプス賞」、11年、芸術選奨文部科学大臣賞。パリを拠点に、国内外で毎年数々の個展を開催。現在はロサンゼルスのJ・ポール・ゲッティ美術館にて「At the Window : The Photographer's View」展に参加(2014年1月5日まで開催)。
嗜好 知らない世界、新しいものを知ること。

なぜフランスに?

20年前に渡仏したのは、アーティストは母国に留まらず、母国から離れて生活し、制作することが大事だと思ったからです。外に出ると逆に日本が分かりますね。フランスは、外国人に門戸が開かれ、アーティストにも手厚い保障がある理想的な国。この国は他者を内包する力がすごいのです。

写真でどんなことを表現していますか?

私の作品は、「写真とは何だろう?」という問いに起因しています。それを表現する手段として使っているメディアが写真です。現代は写真、イメージはどこにでも溢れていて、呼吸をするように受け入れていますが、私は写真とは不可解なものだと思うのです。例えば、子供のころの写真は自身の記憶と入れ替わったりもします。もし写真が発明される前で、自分の顔写真を見たことがないとしたら、私たちはそのころの世界を了解できるでしょうか。つまり、写真によって、すでに認識世界そのものが作られているのです。自分自身が紙になり、外から眺めるということは、昔の人にはありえない奇妙な体験なのです。

私にとってカメラは単なる機械。前にある現象をただ写しとるだけです。表現ということからはかけ離れ、アーティスティックな側面は一つもありません。写真が奇妙なものだとしたら、「それは何?」という問いを写真で探らなければと思っています。そこで、カメラの内部にビー玉を入れて群衆を撮影しました。ビー玉の影で外の世界が半分しか写っていません。カメラの中で起きている現象と外の世界との出会いから、別のものが見えてくるのでは、という発想から生まれた作品です。

また、毎回新しいアイデアに取り組んでいます。例えば、世界の地名を可塑化させ、看板みたいなものを手作りして舞台のように配置し、それを撮影し地名の旅を示唆させてみたり。既成概念を持っている方たちは、「これは写真じゃない」と否定するかもしれません。もし風景写真だったら写真と場所は直結しますが、私の作品は、この写真は「どこ」で「誰が」、とつながりません。記録という、写真本来の目的をあえて外して制作しているからです。だから私の作品において大事なのは、少なくとも写真を撮る瞬間ではありませんね。

今後の試みは?

「場所」や「移動」とはどういうことなのか、という問いを作品で表現したいと思っています。例えば、自分が居る以外の場所について思うこととは? 実際にそこに行ってみるとはどういう体験なのか?また、写真が複製芸術なら、例えば絵画のように一点性ならばそれは写真なのか、そこらへんの疑問を作品化させたいですね。いつもいろいろなアイデアがあって、それが頭に1~2年以上、長く留まっていて、その間他のアイデアに変わることもあります。展覧会をすると、世界のどこでも、「不思議」「奇妙」「超オリジナル」などと評されます。私と同じような考えを持っているアーティストは居ると思いますが、アプローチの方法がちょっと特殊なのでしょうね。

Éloge des singularités dans le Japon contemporain

「現代日本における独自性の礼賛」と題し「独自性、特殊性とは何か」を歴史家や作家など、さまざまな分野の専門家が19・20日に公開講座を開催。オノデラユキは「写真的とは写真的ではないこと?」をテーマに講義を行う。

12月19日(木)10:45
入場無料(入場制限あり)

Centre d'études japonaises (CEJ) de l'INALCO
65, rue des Grands Moulins 75013 Paris

 

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