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ストラスブール Strasbourg
コルマール国際音楽祭

| コルマール国際音楽祭 |
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ロストロポヴィッチへのオマージュ
12時30分には、若手の新進ソリストやスピヴァコフ財団の少年少女などのミニ・リサイタルが旧税関のホールで行われ、夕方には室内楽のコンサートがシャペル・サン・ピエールで催される。そして、夜9時から、メイン会場のサン・マチュー教会で管弦楽曲や有名なソリストを迎えてのコンチェルトのプログラムが披露される。時には、グリューネヴァルトの祭壇画で有名なウンターリンデン美術館での特別コンサートもある。
その他にも、旧ドミニコ会修道院だった図書館の回廊や玩具博物館などで無料コンサートが行われるなど、会期中のコンサート数は数え切れないほどだ。プレスに強いスピヴァコフの力で、コルマールのフェスティヴァルは有名誌にも取り上げられ、今やヨーロッパのベスト・テンに入るとも言われており、スイスやドイツなどから聴きに来る人も多い。
今回の音楽祭は、今年亡くなったチェロの巨匠ミスティスラフ・ロストロポヴィッチに捧げられている。そのため、プログラムにもチェロ曲が多くあり、ゴーチエ・キャプュソンやオフェリー・ガイヤールなど人気のあるフランスの若手チェリストの名前も見られる。タチアナ・ヴァシリエヴァなどロストロポヴィッチ・コンクールの入賞者も何人か顔をそろえている。(ちなみにチャイコフスキーコンクールを制したヴァイオリニスト神尾真由子の名前もある)
ロストロポヴィッチは1996年のコルマール音楽祭でハイドンのコンチェルトを演奏したことがある。(今年はこのコンチェルトをゴーチエ・キャプュソンが弾く)この時は残念ながら聴くことができなかったが、その後ストラスブールのパレ・ド・コングレでドボルザークの協奏曲を聴いたことを思い出す。とても高齢とは思えないエネルギーに満ち深い音色を湛えた演奏に聴衆は魅了され、演奏終了後、拍手が鳴り止まなかった。 遂にはロシアに戻り、サンクト・ペテルブルグに豪邸を構えたとはいえ、70年代には、ソルジェニーツィンを支持して市民権を剥奪され、祖国を追われた人間の信念が「その中にしか棲家のない音楽が」どうしても聞こえてしまうように思うのだ。 2年ほど前に、深夜の音楽番組で、2005年のロストロポヴィッチ・コンクールの全容をドキュメンタリーで見たことがある。パリ、ニューヨーク、東京での予選の段階から自ら審査に参加し、熱心に若いチェリストの演奏に聴き入る姿に感心したものだ。 4年に1回のコンクールなので、これが師が直接審査に関わった最後のコンクールとなったわけだ。パリ会場がマドリッド街のCNRのホールであったため、その後、子供のコンサートや発表会で入るたびに、このあたりにロストロポヴィッチの席があったのだ、と感動を新たにしたりしている。 さて、ロシア人が懐かしい響きで「スラヴァ」と呼んでいた師亡き後の音楽祭で、若手の音楽家がどんな演奏を聴かせてくれるか、楽しみにしている。
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