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プレタポルテとはいかに?
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現在でも重要なファッション・ウィークのひとつとして考えられるパリ・コレクション。3月上旬にパリで開催されるプレタポルテ・コレクションに合わせ、パリコレのPRを担当する2e Bureau のシルヴィー・グランバックさんと、パリ服飾連盟が運営する学校のフランソワ・ブロカ校長にプレタポルテについて伺う。(Texte et photo par Hajime Yanagisawa) シルヴィー・グランバックさんSylvie Grumbach www.2e-bureau.com パリ・プレタポルテ・コレクションとは?PR事務所2e Bureauのシルヴィー・グランバックさんによると、世界中の主要都市でファッションショーが行われるようになった現在でも、パリコレは国内外の多くのメディアが注目する重要なファッション・ウィークのひとつだという。ミラノやニューヨークのコレクションは知名度は高いものの産業趣向が強く、創造的価値という意味ではパリコレに軍配が上がる。ロンドンはパリと同様創造性豊かな趣だが、島国の英国では国際的な知名度を求めるデザイナーは国外に出てしまうそうだ。例えば、ジョン・ガリアーノやヴィヴィアン・ウエストウッドなどが良い例。結果的に、パリには創造性を重視する国内外の才能あるデザイナーが集まるようになり、近年はアジア諸国からも多くのデザイナーが参加するなど、さらに国際色豊かになったといえる。もちろん、アジア諸国のデザイナーにとってはパリコレに参加することでブランドイメージが高まるのは言うまでもない。 パリコレに参加するには?オートクチュールの場合、フランス服飾連盟が発行する正規ショー・カレンダーに名前を連ねるには、大手メゾンが加入する正規会員、準会員的な新鋭ブランドが所属する招待会員、そしてフランス国外にアトリエを持つ国外会員の3種会員のいずれかに所属しなくてはならない。それ以外のブランドは、オフ・カレンダーに掲載となる。プレタポルテにも、正規ショー・カレンダーとオフ・カレンダーの2種類が存在するが、オートクチュールのような会員制度はなく、フランス服飾連盟の審査に合格すれば正規カレンダーに名前を連ねることが出来る。ただし、ブランドによっては意図的にオフ・カレンダーへの掲載を望む場合もあるので、必ずしもオフ・カレンダーのブランドが新鋭ブランドは限らない。 パリコレPRの仕事を始めて既に30年というシルヴィーさんのもとには、毎年多くの若手デザイナーが相談に訪れる。そんな彼らへ彼女が送るアドバイスは「プレタポルテは、ブランドイメージをアピールする場所。たとえ数が少なくても100%自身をアピール出来る作品を紹介するのが一番。もしまだ準備が出来ていないのであれば、自信を持ってアピール出来る作品や環境が整うまでショーは見送るべき」。 一口にファッションショーといっても、規模は大小さまざま。ジャーナリストへのPR、ショー会場のレンタル、モデルの手配、会場設置費用など、大掛かりなショーでは10万ユーロ(約1230万円)を超えるものもあるという。けれど、若手の場合は無理してショーに多額のお金を投入するよりも、まずはブランドそのものを消費者に知ってもらうことが重要であるとシルヴィーさんは考えている。 現在シルヴィーさんがPRを担当するブランドCommuunはその良い例といえよう。Commuunは堀海斗さんと古舘郁さんの2人が2005年にフランスで立ち上げたブランド。プレタポルテ・コレクションに本格的に参加したのは2008年春夏コレクション(2007年10月)から。シルヴィーさんいわく「2人は若手といいながらも、素晴らしい才能の持ち主。だからこそ、私は彼らに地盤をしっかり作ってもらうためにショーへの参加を少し待ってもらった」。自然素材へのこだわりや着心地などに定評があり、フランスの高級夕刊紙「ルモンド」でも期待の新人として取り上げられているほどだ。 近年のプレタポルテの傾向は?近年は「女性らしさ」という面が見直され始めている。レディースはパンタロンよりもスカートを中心としたものが多く、色遣いはパステル調よりもはっきりとした色合いのものが増えてきている。シルヴィーさんによれば、経済が下向きの時ははっきりとした色合いのものが主流になってくるそうだ。素材に関しては、年々自然素材を採用する傾向が強くなってきており、デザイン性だけではなく着心地なども消費者に強く要望されている。果たして、今年の流行はいかに?
Commuun
www.commuun.com ©Shoji Fujii
![]() 2005年、堀海斗と古館郁によって設立されたブランド。厳選された自然素材を使用し、フランスの伝統的なカッティング技術を取り入れ、トレンドに左右されないバランスと機能性が人気の秘密。2007年、ANDAMコンクールにてLVMHとロンシャン賞を受賞。パリのマリア・ルイザ、ロンドンのドーバー・ストリート・マーケット、東京の伊勢丹などをはじめとする大手ブランド店にて購入可能。
フランソワ・ブロカさんFrançois Broca プレタポルテと学校の歴史プレタポルテという言葉は、1945年にアルベール・ランプレール(Albert Lempereur)がアメリカの既製服の業態をパリに取り入れた時、初めて使われた。それまでは、既製服はコンフェクション(Confection)と呼ばれていたという。もともと軍隊などのユニフォーム(大量生産)の製造がメインであった既製服は、第二次世界大戦まで服飾市場の4分の1程度の割合いでしかなかった。オートクチュールのコピーなどの既製服も作られていたが、非常に粗悪なものが多かった。そんなことから、フランス服飾連盟は仕立て技術向上のために1927年、現在の学校を設立した。そもそも、この学校はフランス服飾連盟に加入する会員が、仕立て技術の高い若手を求めたことから設立された学校。現在でも生徒はフランス服飾連盟に加入するブランドでの即戦力を想定した教育 を受けている。 「この学校が育てるのは職人たちです」というブロカ校長。フランス服飾連盟が運営する学校ということで、学生は在学中にさまざまなブランドで研修を受けることが出来、卒業生に対しても就職のサポートを行っている。例えば、留学生に対しては就職が決まるまで学校は研修用の書類(コンヴァンション)を発行し続けてくれるので、滞在許可証の心配などが軽減される。 近年の主流と生徒の傾向エコール・ドゥ・ラ・シャンブル・サンディカルは少人数制だが常に留学生を受け入れており、近年はアジアからの学生も増えている。ここ近年の傾向としては、洋服だけではなく、バッグなどの小物からニットや下着などにも生徒の関心が集まっており、モード市場でも需要が高いそうだ。そのためブロカさんは、近年中に下着やバックの授業を開設することを考えている。もちろん、これらの技術を数カ月で会得するのは困難なので覚えるのはあくまでも基礎知識のみ。授業もそれぞれの専門学校と提携し、生徒の交換授業形式で行われるそうだ。 クリエイターと職人の違いは?「この学校は、高い技術を会得した職人を育成する教育機関」という部分にこだわるブロカさん。オートクチュール業界も、若手のデザイナーが増え、近年は少しずつ活気を取り戻してはいるものの、各ブランドの主力商品はあくまでもプレタポルテ。ブロカさんは、プレタポルテがしっかり作れなければモード業界では生き残れないと考えている。業界自体も、デザイナーの希望するイメージを上手に反映することが出来る職人を要望しているという。ただ、昨年から続く不景気で大手ブランドもここ数カ月は雇用を控えており、卒業後にフランスでの活躍を望んでいても留学生にとってはなかなか厳しい状況だ。 しかし、暗い話題ばかりではない。モード業界は、不景気な時期には不景気なりの流行が発生するので、焦らずじっくりと様子を見てみるのが重要だ。 卒業生の榎並太郎さんと田中杏子さん 「日本人の学生は、ほぼ毎年入学します。今年の卒業生でいえばキョウコとタロウの2人は本当に優秀な生徒です。2人共入学当初は言葉の壁がありましたが、現在はフランス人と対等に話せるようになり、何よりもフランス文化をよく理解してくれています」と語るブロカさん。数年前から学校で取り入れ始めた、大手ブランドへの研修プログラムへ2人共採用され、今年の優秀生徒に選ばれた。
Jean Paul Knottデザイナー学校を卒業後、1988年にモード業界入り。イブ・サンローランのデザイナーとして活躍した後、生まれ故郷のベルギーに戻り自身のブランドを1999年に立ち上げた。現在、オートクチュール、プレタポルテで活躍中。
Felipe Oliveira Baptistaポルトガル生まれ。2002年にフランス国立モード芸術開発協会(ANDAM)の賞を受賞し、翌2003年、妻セヴリヌと共にブランドを立ち上げる。以降、積極的にオートクチュールなどで作品を発表している。
全日程は、フランス服飾連盟公式サイトにて: www.modeaparis.com |
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本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。 |


シルヴィー・グランバックさん

古舘 郁
フランソワ・ブロカさん

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