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思い切って美術館などに足を運んでも見どころがわからない。普段何気なく目にするあの建物とはいったいなに?このコーナーでは、芸術鑑賞が楽しくなってしまう豆情報をお届けします。 (texte par Yuko OZAWA)
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国立移民歴史館
Cité nationale de l’histoire de l’immigration
写真:©Cité nationale de l’histoire de l’immigration |
テープカットのない落成式
移民文化に支えられている現代のフランス文化
昨年6月、世間の注目を独占したケ・ブランリ美術館の開幕とは対照的に、先月10日、公式セレモニーを行なわないまま国立移民歴史館はその扉を開いた。
新大統領は公約通り、移民とアイデンティティを管理する行政機関を設立したが、その事実を受けて、移民歴史館の基本構想を練っていた歴史家2人が任務を降りた。フランス史とその人民に対し、強引な太刀を振るおうとする行政の傍若無人ぶりに真っ向から反対の意を唱えたのである。
©Cité nationale de l’histoire de l’immigration
コインの表と裏を同時に照らすことが難しいように、人類が歩んだあらゆる道の集積である歴史に善悪をつけることは容易ではない。この行政機関の目的については未だ明確なものが見えていないが、異民族とその文化が混合して存立している共和国に、唯一つのアイデンティティを冠らせようというのは困難であろう。一方、国立移民歴史館の方は、いかなる主義にも属さず、史実を伝え、人々に共存の意味を問いかける場を提供し、話し合いの機会を作るという使命を掲げ、政治とは一線を画した。
1930年代のアール・デコ様式とアジアやアフリカを題材にした壁画やレリーフで装飾されたパレ・ド・ラ・ポルト・ドレは大変美しい。1万6000平方メートルの室内は、原型を留めながら、より広く解放された空間になった。展示室と水族館は有料だが、ベンチが寄木細工のように配置された吹き抜けのフォーラムは無料で利用出来る。
2階の回廊部分を通り越して3階に上がると、常設展示「Repéres」(道標)に辿り着く。11月には最初の企画展が同階の西ギャラリーで開幕する。常設展では、過去200年間の移民史(ベルギー、イタリア、ポーランド、アルメニア、ロシア、スペイン、アルジェリア、ポルトガル、アフリカそしてアジア)を、詳細な文字資料と遺品や写真で丁寧に説明し、インタビューや現代作家による写真・映像作品は、母国を離れた移民たちがフランスに定住していった様子を伝える。
開幕から10日後に訪れたシラク前大統領は、「偏見に歪められ、でたらめに軽々しく語られている問題に正しい道筋をつけてくれ、移民の起源と歴史、そしてその功績を知らしめてくれた」と語った。
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植民地政策に対する反対の声を覆い消してしまうべく、1931年、ヴァンセーヌの森で植民地博覧会が開催された。同時に恒久的な植民地博物館を作る目的で建てられたのがパレ・ド・ラ・ポルト・ドレ。先月開館した国立移民歴史館の起源である。すべての植民地が解放されようとしていた1960年代には名称をアジア・オセアニア美術館に変え、2006年に収蔵品がケ・ブランリ美術館に移管されるまで、地下にある水族館とともに人々の人気を集めた。 |
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| Exposition “Repères” |
| Cité nationale de l’histoire de l’immigration |
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| 火~金 10:00-17:30 土日 19:00まで 月休 |
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293, av Daumesnil, 75012 Paris  |
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Porte Dorée ⑧ |
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