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jeu 17 mai 2012

ヴァンドーム映画祭

ポスター
©Pierre-Luc Granjon

サントル・ロワール地方にある都市ヴァンドームで、11月30日から12月7日まで、今年で16回目になるヴァンドーム映画祭が開催されている。パリから180キロ、人口2万人に満たないこの街が、毎年この時期になるとシネフィルと若者たちの熱気に包まれる。2002年以来この映画祭を取り仕切るサントル・イマージュのファブリス・バスモンさんに、フェスティバルにかける思いを聞いた。(texte par Sayaka Atlan Nakagawa)

新しい映画を求めて

ヴァンドーム映画祭では、フランスを初めヨーロッパの監督たちが各地域の支援を受けて製作した映画を紹介している。作品選考委員が重要視する点は「それが今までの映画の枠を超える新しい要素を提案する現代的な作品であること」。演出、演技や照明も大事だが、監督のチャレンジ精神を何よりも評価している。バスモンさんにとって現代的な映画とは、古くから存在する芸術であるダンスや絵画や写真の要素に触発された映画。例えば、今年特集上映されるベルトラン・ボネーロ監督の作品「My New Picture」は「耳のための映画」といわれている。クラシック・ミュージックの教育を受けた監督が音楽と映像で作り上げる独特の世界観がある。会場では長編、短編映画の上映の他にも映画に関連する写真展やシネ・コンサートが行われ、映像の多様な楽しみ方に触れることが出来る。

ヨーロッパ映画の今

映像メディアについての教育支援を手掛けるサントル・イマージュが主催するこの映画祭には、毎年多くの高校生が参加する。バスモンさんは「僕たちは、テレビや広告などからひっきりなしに流れてくる映像とは一線を画する、個性的な映画を紹介しています。偏見を持たずに純粋な視点で作品を観る能力を持つ若者たちに、オリジナリティーのある映像に親しんでもらうことは、とても重要なことです」と語ってくれた。フランスは各地で映画祭が盛んなため、若者が作家性の高い作品に触れる機会を持つことが出来る。

近年のプログラムの中で目立つのは、エコール・ド・ベルラン(ベルリンにある映像専門学校DFFB)出身の若い監督たちによって撮られた、若者、家族、カップルの姿を等身大に描く新世代のドイツ映画。ジャン・ボニー監督の「Gegenüber(片割れ)」などは、今年のカンヌ映画祭監督週間で紹介され話題になったほどだ。最終日の12月7日には、各賞受賞作品の上映のため、ヨーロッパ各国から監督たちがやってくる。映画好きの皆さんは、ヨーロッパ映画の現在を肌で感じることの出来るこの機会をお見逃しなく!

バスモンさんグルメでもあるバスモンさんからダイジェスト読者へのメッセージ。「ヴァンドームに来たら、地元の誇るワイン、『コトー・ドゥ・ヴァンドゥモワ』を是非味わってください!」

写真右)©Sayaka Atlan Nakagawa

映画の向こうにあるもの


左からルキノ・ヴィスコンティ、
アンリ・カルチエ・ ブレッソン、
シルヴィ・バタイユ、ジャック・ベッケル
©Eli Lotar

ヴァンドームといえば、高級宝飾店が軒を連ねるパリの華やかな広場を想像する読者も多いかもしれないが、映画祭の行われるサントル・ロワール地方のヴァンドームにも見所はある。メイン会場近くの、美しいサン・ジャック・チャペルにて行われているエリ・ロタールの展覧会では、1936年に製作されたジャン・ルノワール監督の名作「ピクニック」の撮影現場で撮られたスチール写真40点が鑑賞出来る。この年は反ファシズムを掲げた人民戦線内閣が発足し、この頃のフランスは生きる喜びに溢れていた。写真を通して当時の自由な雰囲気を感じ取ることが出来る。

シネモビール
サントル地方では3台のシネモービルが
走っている。©Centre Images

もうひとつ注目したいのは「シネモービル」(移動映画館)。大型トラックの中に、約100席の座席とスクリーンと小さな映写室が配備され、サントル地方の映画館のない地域をまわりながら上映を続けている。映画が発明された当初は、動く映像そのものが面白がられ、サーカスの見世物としてスタートしたが、このシネモービルは、そんな映画の歴史も思い出させてくれる貴重な存在だ。

現地情報
映画祭メイン会場Minotaureへは、TGVのVendôme駅(パリから約40分)から無料のナベットバスが出ている。
● 映画祭公式サイト(プログラム詳細)
www.vendome-filmfest.com
● 創作フランス料理が楽しめるホテル内のレストラン
Le Saint-Georges
14, rue poterie 41100 Vendôme
TEL:02 54 67 42 10
www.hotel-saint-georges-vendome.com
● 伝統的なフランス料理が堪能出来るレストラン
Le Molin du Loir
21-23, rue du Change 41100 Vendôme
TEL:02 54 67 13 51
www.le-moulin-du-loir.com/accueil.html
● ヴァンドーム観光局
www.tourisme.fr/office-de-tourisme/vendome.htm
 

*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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