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dim 19 novembre 2017

正しく理解し上手な年金生活

2007年6月に日仏社会保障協定が発効されました。この協定が日本とフランスの社会保障制度への二重加入を防ぐだけではなく、うまく活用することで受給年金額をアップさせることが出来る協定だと知ってましたか?日本とフランスの両国で社会保障加入経験のある方、もしくはこれからフランスへ派遣される駐在員の方へ、日仏社会保障協定の概要と上手な活用方法を紹介します。

(情報提供:Assets Assurances 記事作成:本紙編集部)

日仏社会保障協定の概要

日仏社会保障協定の基本的な考え方は、日本とフランスでの社会保障制度の二重加入防止と日本の年金を受け取るために必要な社会保障制度加入期間の通算です。

協定発効前は、日本での社会保障加入期間が25年未満だった場合、対象者は年金の受給資格対象外でしたが、協定発効後はフランスの社会保障制度加入期間を日本の社会保障制度加入期間に通算し、加入期間の合計が25年以上の場合、対象者は日本での社会保障加入期間に応じた年金が受給されます。

フランス社会保障制度の免除に必要な書類

5年以内の短期滞在で、日本の社会保障制度にのみ継続して加入し、フランスの社会保障制度への加入を免除されるためには、日本の社会保険事務所から日本の社会保障制度に加入している事を証明する「適用証明書」の交付を受ける必要があります。この「適用証明書」の該当者は、以下の4つの条件を全て 満たしている必要があります。

  • 日本の年金・医療保険制度に加入している。
  • 日本の事業所との雇用関係が継続している。
  • 派遣期間が5年以内と見込まれること。
  • 労働者災害補償保険の海外派遣者の特別加入制度、又はこれに準ずる保険に加入している。

*1:「雇用関係が継続している」とは、日本の事業主から継続して派遣されていると言うことで、契約更新時に「現地採用」となった場合などは、フランス社会保障制度の免除の対象から外れます。

*2:派遣期間終了後、再びフランスに派遣される場合少なくとも1年間のインターバルがなければなりません。つまり、4年の派遣期間終了後、少なくとも1年間は日本で就労し、再び4年間派遣される場合は「免除対象」になりますが、2つの派遣期間のインターバル が1年以内の場合は、派遣期間が合算されます

社会保障制度の二重加入防止の考え方

協定発効前、長期滞在駐在員は日本の社会保障制度の他に、滞在身分の関係上フランスの社会保障制度への加入も義務付けられていました。つまり、駐在期間中は日本と現地とで社会保障の二重加入が行われていたことになります。

しかし日仏協定発効後は、社会保障制度の加入パターンがフランス滞在期間に応じて2つに分けられます。

● パターン 1

フランス滞在期間が5年以上の場合、対象者は原則としてフランスの社会保障制度のみに加入し、その間日本での社会保障制度の加入は免除されます。

社会保障制度の二重加入防止の考え方

● パターン 2

滞在期間が5年以内の場合、対象者はフランスの社会保障制度ではなく、引き続き日本の社会保障制度のみの加入となります。ただし、滞在期間が予見出来ず5年を超える場合は原則としてフランスの社会保障制度への加入となり、フランスの社会保障制度を免除にするには、フランス社会保障制度への提出内容によって判断されます。

一時的に派遣される場合

社会保障加入期間の通算の仕組み

フランスの社会保障制度では厳密な最低加入期間の取り決めがなく、加入期間1四半期(3カ月)から年金の受給資格が発生しますが、日本の場合、年金受給資格を得るには日本の社会保障制度に最低でも25年間加入しなくてはなりません。しかし協定発効後は、日本とフランスの社会保障制度加入期間の通算期間が25年以上であった場合に限り対象者は日本の年金を日本の社会保障制度加入期間に応じて受給出来るようになりました。

● 社会保障制度加入期間が25年になるケース

日本の社会保障制度に21年間加入した対象者が、その後4年間フランスの社会保障制度に加入した場合、両国間の加入期間の合計が25年になるので、日本で年金を受け取る資格を得たことになります。

社会保障加入期間の通算の仕組み

● 社会保障制度加入期間が25年にならないケース

日本間社会保障制度に21年間加入した対象者が、フランスでも4年間現地の社会保障制度に加入し、その4年間のうち3年間は日仏両国の社会保障への二重加入期間だった場合。日仏両国の社会保障期間へ支払った合計金額は25年分になりますが、物理的な時間軸では22年しかありません。つまり、この対象者は少なくともあと4年間、日本もしくはフランスの社 会保障制度に加入しなければなりません。

社会保障加入期間の通算の仕組み

*1:フランス以外にも日本と社会保障協定を結んでいる国はありますが、通算出来る加入期間は協定相手国1国のみです。つまり、日本で21年間、フランスで2年間、ドイツで2年間の場合、日仏独の3国間での通算は25年間とはなりません。

*2:協定発効後もフランスの社会保障制度に加入しつつ日本の社会保障制度へ任意加入することが出来ます。二重加入期間は加入期間の通算対象外ですが、日本での年金査定額に影響します。

受給年金額の算出の考え方

日仏社会保障協定発効後は、日本とフランスの社会保障制度加入期間の通算が25年以上の場合、日本の年金受給の対象者となります。ただし日本から受け取れる年金額は、実際に日本で加入した期間に応じて算出され、フランスの場合は社会保障制度加入期間(通算)に応じて算出されます。

年金の受取金額の計算方法

加入期間 パターン1
日本22年、フランス18年

年金の受取金額の計算方法

協定発効前は、日本の加入期間が25年未満なので日本の年金は受け取れず、フランスからは加入期間18年分に応じた年金を受け取る事が出来ました。
協定発効後は、日仏の社会保障制度加入期間の通算が25年以上になるので、日本からは日本の社会保障制度加入期間22年分に応じた年金を受け取ることが出来ます。フランスの場合は、年金受給金額の算出方法が社会保障制度加入期間によって変化するので、この対象者の場合は加入期間40年間として算出されることになります。つまりこのケースの場合、協定発効前よりも多くの年金を受 け取ることが可能です。

加入期間 パターン2
日本12年、フランス12年

年金の受取金額の計算方法

このケースの場合、協定発効前も発効後も日本の社会保障協定の加入期間が25年未満なので、日本からは年金の受給資格は得られません。フランスの場合、協定発効前は12年分に相当する年金が受給でき、協定発効後は通算期間24年分に相当する年金を受給できます。

すでにフランスもしくは日本で
年金の受給を受けている場合

日本とフランスの両方の国で社会保障に加入しており、協定発効前からにフランスの年金を受給している人は、再計算を行うことで受給金がアップする場合があります。対象者は、協定発行前にフランス老齢年金に申請し、決定または却下されたことがある人で、協定発効日より2年以内にフランス老齢年金の再計算・再審査を申請を行うことで、協定発効日までさかのぼって年金の給付が行われます。

日仏年金請求手続きの方法

協定発効前は、年金受給の手続きは各国の社会保険事務所に問い合わせを行わなければいけませんでしたが、協定発効後は居住国の社会保険事務所が一括して執り行ってくれるようになりました。

日本在住のフランス社会保障制度加入者
もしくは加入経験者の場合

日仏年金請求手続きの方法

日本の年金を申請する:
日本の社会保険事務所に「被保険者の履歴に関する情報F/J4(フランス期間の申立書)」を日本の裁定請求書に添えて提出する。

フランスの年金を申請する:
「フランス年金請求書(F/J1もしくはF/J2)」、「被保険者の履歴に関する情報F/J4(フランス期間の申立書)」に必要書類を添えて日本の社会保険事務所に提出する。

フランス居住の日本社会保障制度加入者
もしくは加入経験者の場合

日仏年金請求手続きの方法

日本の年金を申請する:
フランスの社会保険事務所に「フランス年金請求書(F/J1もしくはF/J2)」を提出する。

フランスの年金を申請する:
「被保険者の履歴に関する情報F/J4(フランス期間の申立書)」をフランスの年金申請書に添えてフランスの社会保険事務所に提出する。

日本とフランスの年金手続きが簡略化されたとはいえ、実際にはまだ円滑に手続きが進んでいる状況とは言えません。日本の年金は日本の事務局へ、フランスの年金はフランスの事務局へ申請するのが一番の早道です。他にも個人年金積立や養老積立年金などの年金補完商品もあるので、上手な年金の活用法は専門家に相談するのもひとつの手です。

参考資料

パリの保険屋さんblog.livedoor.jp/parisici
社会保険庁www.sia.go.jp/seido/kyotei/kyotei11.htm
海外在住者のための年金手続きkaigai-nenkin.com
Centre des liaisons Européennes et internationales de sécurité sociale
www.cleiss.fr/pdf/conv_japon.pdf
「日仏社会保障協定説明会」2007年3月、社会保険庁発行
「特別加入制度のしおり(海外派遣者用)」厚生労働省発行

 

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*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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