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フランスニュースダイジェスト
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lun 21 mai 2012

欧州人が語る日本のお鍋

日本人にとってのあったか料理といえば、やはり鍋料理。 地域によって様々なバラエティがあるため、思わず故郷の風景と共に郷愁を掻き立てられてしまう人もいるはず。ここではこれら懐かしき日本の郷土鍋を振り返ると共に、日本のお鍋に一家言ある欧州の一般市民にインタビュー。鍋料理を通して見える日本像に迫ってみます。


クレイグ・ウィットニーさん「お鍋を食べる 日本人が好き」
クレイグ・ウィットニーさん
(ロンドン在住)
まだ日本で英語教師として働き出したばかりで、すべての出来事を新鮮で刺激的に感じていた頃に、英語学校のスタッフ一同揃っての鍋パーティーが開催されたんです。その時に日本の鍋料理を初体験したのですが、とても寒い季節に子供のように皆一緒になって、しかもあんなに楽しそうに料理を食べる日本人ってなんて素敵なんだろうって思ったんですよね。


ゼビア・セルナンデスさん「鍋の親善大使を しています」
ゼビア・セルナンデスさん
(ロンドン在住)
日本の鍋料理については、日本に行く前に旅行ガイドブックで勉強しました。日本に着いて間もなくして、知り合いの家で念願のちゃんこ鍋を初めて食べたのです。あんなに社交的な料理ってなかなかないですよね。英国に戻ってからは、鍋の親善大使となって、日本には「NABE」という身も心も温まる、冬のシチューがあるんだって宣伝しているんです。


ヴォルフガンク・ズルゲスさん「猫舌の私には不利」
ヴォルフガンク・ズルゲスさん
(デュッセルドルフ在住)
ガスコンロを使って室内で火を使うことについて安全性の面で気になったこともありましたが、暖房設備が整っていない日本の冬に体を温めるには鍋料理が一番ですね。色々な具材が入っている栄養満点のこの料理は、日本文化が誇るものの1つではないでしょうか。ただ私は猫舌なので、冷ましている間に他の人に大好きな具(すき焼きの肉)をどんどん取られてしまうのが悔しいです。


イングリット・シューレンベルク「準備が簡単だかららくちん」
イングリット・シューレンベルクさん

(ヘンネフ在住)
主婦にとって鍋料理の良いところは、具材を切って並べておくだけという簡単な準備だけで済むという点ですね。きっと皆で料理を作りながら食べるところに鍋料理の楽しさがあるからでしょう。あとはそれぞれの家庭に「鍋奉行」がいて、味付けから、どのタイミングで食べるのかまで仕切ってくれるという点も面白い。西洋では滅多に見られない食文化だと思います。


オリビエ・ドランさん「家族で鍋をつついた思い出」
オリビエ・ドランさん
(パリ在住)
僕は母親が日本人なので、日本食はフレンチ以上になじみ深い食物です。中でもやはり、冬になるといつも思い出すのが日本の鍋料理。一番印象に残っているのは、すき焼きとしゃぶしゃぶですね。すき焼きは豪華な鍋料理だし、家族一緒に鍋を囲んでつっついた思い出があります。しゃぶしゃぶはフランスにはないポン酢やごまだれを使って食べたのが印象に残っています。


マリ・エスピタリエさん「おでんだけは特別」
マリ・エスピタリエさん
(パリ在住)
私は日本食が大好きで、梅干し、梅酒、そして鍋料理に目がありません。何度か夫と一緒に日本に行っていますし、フランスでもたまに日本食を食べに行きます。数ある日本の鍋料理の中でも一番思い出に残っているのはおでんですね。他にも様々な鍋料理を食べましたが、日本にしかない食材で作られているおでんは特別。非常に新鮮な食体験として記憶しています。



ジンギスカン鍋(北海道)
羊肉を使った焼肉料理の一種。中央部分がやや盛り上がった鋳物のジンギスカン鍋を用いることからその名が付いた。2004年に北海道遺産に認定され、当地の郷土料理としてのイメージが強いが、今や全国区になっている。始まりは大正時代に軍隊、警察などの制服の素材となる羊毛を自給しようとした「綿羊百万頭計画」で、羊毛だけでなく羊肉の消費アップも狙って料理法 を模索する中で誕生したとされる。肉と一緒に焼くモヤシやタマネギ、ニンジン、ピーマンなどの野菜には肉汁の旨みも染み込み、ボリュームたっぷりの一品だ。


きりたんぽ鍋
秋田県で鍋といえばこれ。練った米を秋田杉から作った棒に巻き付けて焼き、棒を抜いてちくわのような形になった「きりたんぽ」を鶏としょうゆベースのスープに入れてキノコや野菜と一緒に煮る。元々はきこりたちが山作業の折に残り飯を長い棒に巻き付けて、味噌をつけて焼いて食べたのが始まりだという説もあれば、秋田の伝統的な熊猟師であるマタギがごった煮の鍋におにぎりなどを入れて食べたのが発祥ともいわれる。スープには比内鶏という秋田産の鶏肉を、きりたんぽには新米のあきたこまちを使うこだわり派もいる。
写真提供: mitsuka.jugem.jp


芋煮
サトイモをメインにコンニャクやネギ、牛肉、マイタケなど季節のキノコをしょうゆベースで煮込む鍋料理。最上川舟運が盛んだったころ、酒田から船で運ばれてきた塩や干し魚などの物資が下ろされ、人足の手でさらに内陸部に運ばれていったが、船頭たちが人足を待つ間の退屈しのぎに始めたのが由来とされている。当初は牛肉ではなく、運ばれてきた棒ダラなどの干魚と一緒に煮たという。県内各地の河原で開かれる芋煮会は秋の風物詩としてすっかり定着した。おいしさの決め手は隠し味として入れる地酒らしい。


アンコウ鍋
アンコウは頭部に餌となる魚をおびき寄せる突起物がある深海魚の1つで、体全体が柔軟性に富んでおり、調理する場合は下あごをフックにかけてつるし、口から水を入れ胃をふくらませてさばく特殊な方法を用いる。肉の他に、皮、胃、肝臓、卵巣、えら、ヒレが食用にされ、一般的に「7つ道具」と呼ばれている。アンコウ鍋は、この7つ道具に野菜と味噌を加えて煮込んだ鍋料理で、茨城や千葉の浜料理だったが、後に食通で有名な芸術家、北大路魯山人が賞賛した珍味の1つとして広まり東京などでも食べられるようになった。


ほうとう
甲州には水田が少なく、お米は貴重な食べ物で、代わりによく食べられたのがこの「ほうとう」。麺を平たく打った、ひもかわうどんと野菜を一緒に味噌仕立ての汁で煮込んである。武田信玄の陣中食に起源があるという説もあるが、その由来は中国から禅宗とともに渡ってきた「飩(はくたく)」から。生麺を味噌仕立ての汁にカボチャ、ジャガイモ、ニンジン、ネギ、シイタケ、白菜、鶏肉などの具と一緒に煮込めば出来上がり。山梨県では「風林火山」ののぼりが飲食店の店頭に立っていれ ば、「ほうとうあります」を意味する。


湯豆腐
寒い冬には、昆布を敷いた鍋に一口大に切った豆腐を入れ、程よく温まった所を引き上げ熱々の湯豆腐を肴にクイッと1杯。江戸時代の料理本「豆腐百珍」では、「湯やっこ」として紹介され最上級である「絶品」にランクされている。材料は豆腐、水、昆布と非常にシンプルな料理だけに、それぞれの素材に最高級品が求められる。特に良質の水を使うことが絶対条件で、京都の湯豆腐が名高いのもそれが所以である。通常、しょうゆ、酒、みりん、だし汁などを合わせたもの、もしくはポン酢しょうゆなどで食べられ、薬味にはネギ、ユズ、ダイコンおろしなどが用いられる。


うどんすき
うどんの本場関西の寄せ鍋風高級料理の1つ。大阪の堺にある和食と麺類料理の老舗料亭「美々卯」の主人・薩摩平太郎が1928年頃に考案したとされており、「うどんすき」という呼称は「美々卯」の登録商標であったが、後に全国の飲食店で同様の料理法が提供されるようになり、美々卯と他店で訴訟が起こった。しかし、現在では一般名詞化している。「うどんすき」は「うどん入りすき焼き」を短縮させた呼び名で、元々は鍋料理の1つである「すき焼き」の残り汁に野菜とうどんを入れ煮込んだ物だったが、現在では立派な高級鍋料理として認知されている。


いのしし鍋
いのしし年である2007年を祝うにはぴったりの、いのししの肉を使った鍋料理。起伏に富んだ山の中で頑丈に育ったいのししが多数生息する、兵庫の丹波地方で生まれた。またこの地域には明治時代に陸軍部隊が駐屯しており、彼らがその後全国に口コミで伝えたことから今では神奈川県などの地域でも郷土料理として支持されている。体が温まりやすく、煮れば煮るほど柔らかくなり、濃厚な味を出すことなどがいのしし肉ならではの特徴。赤いいのししの肉を薄切りにして皿に盛り付けると、まるで牡丹の花のように見えることから 「ぼたん鍋」との別名がついた。


もつ鍋
鳥獣肉の内臓を意味する「もつ」を主材料として用いた鍋料理。好みによって、しょうゆや噌味のスープで煮込んで食べる。本来はお饅頭を販売していた福岡市内の「万十屋」が、物資不足に悩んだ終戦直後に生活費を稼ぐために始めた料理だという。栄養価が高いのに値段が安いことと、もつをくちゃくちゃと噛む食べ方が庶民に受け、やがて福岡の郷土料理として広く知られるようになった。作り方はお湯で余計な脂を落としてからもつをお好みのスープの中に入れ、キャベツやニラを入れるだけ。最後はちゃんぽん麺を入れて食べると2度美味しい。


だんご汁
「ほうちょう」とも呼ばれる、九州、特に大分の郷土料理として認知されている鍋料理。通常は小麦粉で作った団子を一晩寝かし、これを引き伸ばして麺のようになったものを鍋に入れて食べる。多くの場合、その他の具としてはゴボウ、ニンジン、サトイモ、ネギなどの野菜と豚肉が豊富に入っており、豚汁によく似ている。調理が簡単なことから一般家庭の夕食としては重宝がられ、またご飯にもよく合うため、全国の庶民に愛されるようになった。ちなみに大分では、この団子にきな粉と砂糖をまぶせたお菓子「やせうま」も人気がある。


その他お鍋の数々
おでん おでん
ご存じ冬定番の煮物料理。室町時代に出現した田楽と呼ばれる食物が原型で、この「田楽」の「でん」に「お」が付けられて「おでん」との呼称が定着した。関西では「関東炊き」ともいう。
しゃぶしゃぶ しゃぶしゃぶ
中国大陸で元々は羊肉を使った料理だったが、日本人向けに牛肉をつかうようになり現在の形になった。ちなみに、「しゃぶしゃぶ」という名称は1952年に大阪の「スエヒロ」が命名した物。
常夜鍋 常夜鍋
昆布と日本酒が入った出汁がおいしい鍋料理。毎晩続けて食べても飽きない、という意味を込めてこの名がつけられた。 写真提供: www.mizkan.co.jp
すきやき すきやき
すき焼きの語源は、鍋の代わりに農具の鋤(すき)の金属部分の上を火にかけ、肴や豆腐を焼いて食べたことに端を発しているという。後に現代のような鍋物に姿を変えた。
ちゃんこ鍋 ちゃんこ鍋
明治時代に考案された、大相撲の力士が食べる鍋料理。特定の味付けはないが、味噌仕立てや塩などが定番。最近はカレーやキムチ味なども人気らしい。
写真提供: www.nagatanien.co.jp
水炊き 水炊き
昆布や鶏などの出し汁を入れた鍋で野菜や魚介類、豆腐などを煮こんだ鍋物。ぽん酢やたれにつけて食べるのが常。締めはごはんやうどんを入れて、最後の一滴まで味わい尽くす。写真提供: kitchenhime.blog21.fc2.com
寄せ鍋 寄せ鍋
出し汁に野菜や魚介類など様々な具材を入 れて煮込む。地方ごと、家庭ごとに味付け や材料が異なり、自由な発想で味のハーモ ニーを楽しむことができる。写真提供: www.amitatsu.jp

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