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dim 22 octobre 2017

奇跡か幻か フランスの神秘スポット巡り

人知では計り知れない霊妙なことが身の周りで起こったことはありませんか?神秘的な場所には必ず聖人の残した伝説や奇跡があります。今回は、1998年ユネスコ世界遺産に登録されたフランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路とフランスの聖域協会(Association : Villes Sanctuaires en France)に所属する7つの巡礼地を紹介します。

Texte par Michiko Hyuga
www.artmichiko.com

シャルトル大聖堂
Cathédrale de Chartres

シャルトル大聖堂
シャルトルでは毎年春から初秋にかけて町全体を覆う
イルミネーションが企画されている
©XRScenographie - François Delauney

パリから南西80キロの位置にある町シャルトルには、キリストが生まれた時に聖母マリアがまとっていた聖衣の切れ端が聖遺物として大切に保管されている。876年、フランス王シャルル2世・ル・ショーヴ(Charles II le Chauves)よりその聖遺物を贈呈されてから、シェルトル には巡礼者が訪れるようになった。11、12世紀に高位聖職者の集まる大司教区となったシャルトルは、教会参事会員と高官の数はパリよりも多かった。イザベル・ド・エノー (Isabelle de Hainaut)はシャルトル大聖堂で、将来フランスの王ルイ8世(Louis VIII)となる子供の誕生の天啓を受けたという。また聖母マリアが現れて、数滴のミルクを口元に垂らし病気が治った奇跡などの逸話もある。シャルトル大聖堂は、何度も火事に見舞われ再建を繰り返されているが、中世に作られた回廊は当時のまま残っている。それは身廊(しんろう)の床に敷石を敷いて描かれた全長261.50メートルの迷路で、巡礼者は祈りながら中央のエルサレムの情景へ向けて迷路を歩いたそうだ。またシャルトル大聖堂では172枚のステンドガラスも見ものである。

Office de Tourisme de Chartres
Pl de la Cathédrale BP 50289 - 28000 Chartres
www.chartres-tourisme.com
TEL : 02 37 18 26 26
アクセス:パリ、モンパルナス駅からシャルトル駅まで約1時間

モン・サン=ミッシェル大修道院
Abbaye du Mont Saint-Michel

モン・サン=ミッシェル大修道院
ノルマンディー地方とブルターニュ地方に接するサン・マロ湾は、
潮の干満の差が最も激しいところとして知られている
©Office de tourisme du Mont Saint-Michel www.ot-montsaintmichel.com

フランス北西サン・マロ湾に浮かぶ陸続きの小島モン・ サン=ミッシェルにある大修道院には、聖ミカエルの触れた岩のかけらとマントの切れ端が聖遺物箱に納められている。聖ミカエルこと大天使ミカエルは神に仕える最高の天使で、最後の審判の日に天秤を持ち使者の善悪を判じた。アドリア海に張り出したガルガン山(Mont Gargan)に初めて姿を現し奇跡を起こしたことで、イタリアでは4世紀よりあがめられている。聖ミカエル2回目の出現は708年フランス、アヴランシュ司教オベールの夢の中に出てきた。以来モン・サン=ミッシェル(当時のモン・トンベ)は崇拝されるようになり修道院の建築が始まった。聖ミカエルの奇跡は教会完成後にも続く。ある年の11月17日、聖ミカエルを祝うため教会へ向う大勢の巡礼者の中に出産間近の女性がいた。突風が吹き、巡礼者たちは岸へ非難したものの、動けなかった女性は波にさらわれてしまう。その瞬間に男児を出産、波が2人を岸辺まで運び一命を取り留めた。モン・サン=ミッシェルはフランス革命後廃墟と化し刑務所にもなったが、1874年にフランスの歴史的建造物に指定されてから再び聖なる地として人々に親しまれている。1979年にはユネスコ世界遺産に登録された。天と地の間に浮かぶ神秘の山モン・サン=ミッシェルで、大天使ミカエルは信者を見守っている。

Office de tourisme de Mont Saint-Michel
BP 4 50170 Le Mont Saint-Michel
www.ot-montsaintmichel.com
TEL : 02 33 60 14 30
アクセス : パリ、モンパルナス駅からレンヌ駅まで2時間+バス

ロザリオ・ノートル=ダム大聖堂
聖母マリア教会 マサビエル洞窟
Basilique Notre-Dame du Rosaire Basilique de l’Immaculée-Conception Grotte de Massabielle

ロザリオ・ノートル=ダム大聖堂
ルルドには、年間600万人の巡礼者が訪れ、
昨年はローマ教皇ベネディクト16世も訪れた
上)©François Mori/AP/PA Photos 
下)©Bob Edme/AP/PA Photos

ミディー・ピレネー地方南、ピレネー山脈のふもとにある静かな町ルルドでは、聖マリー=ベルナールが崇拝されている。ベルナデット・スビルー( Bernadette Soubirous)は、1844年幸せな家庭の長女として出生した。ぜん息に苦しむ幼少期を過ごしたベルナデットは、ロザリオを肌身離さず持っていた。13歳になった彼女は、マサビエルの洞窟前で聖母マリアに出会い、お告げ通りに同行者を連れて何度も洞窟へ通い、聖なる泉を湧かせた。 そして、その泉は次々に奇跡を起こす。

しかし、聖母マリアに18回も会ったというベルナデットは警察より尋問を受け、4年にわたる調査が行われた。結果は無罪。ベルナデットは純真無垢であると判定された。その後教会建築が始まり、1886年にはマサビエルの洞窟の真上に内陣をもつ聖母マリア教会が、4年後にはロザリオ・ノートル=ダム教会が完成した。さらに20世紀に入ってから、年々増える巡礼者を収容出来るように、52ヘクタールの敷地内にいくつもの教会と礼拝堂が建築されている。1933年、ベルナデットは聖マリー=ベルナールとして聖列に加えられた。

ここ最近では、国際医師委員会の厳密な審査で、67番目の奇跡が2005年に承認された。1952年にルルドを巡礼したイタリア人女性で、聖の泉の水に浸かって心臓発作が治ったそうだ。彼女は現在93才、健在である。世界から多くの人が救いを求めてルルドを訪れている。

Office de Tourisme de Lourdes
Pl Peyramale BP 17 - 65101 Lourdes cedex
www.lourdes-france.com
www.lourdes-infotourisme.com
TEL : 05 62 42 77 40
アクセス : パリ、モンパルナス駅からルルド駅までTGVで約6時間

サント=フォワ教会
Eglise de Sainte-Foy

サント=フォワ教会
左)高さ85センチの王座に座る金張りのサント=ホワの聖遺物。
9世紀に作られたものに少しずつ宝石やガラスビーズが加えられた
左右ともに ©OT de Conques

ミディー・ピレネー地方北東アベロン県に流れるウーシュ 川(l’Ouche)とドゥルドゥー川(le Dourdou)によって できた曲がりくねった渓谷にコンクの町は栄えた。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路のひとつで、多くの巡礼者が聖フォワを崇拝にコンクを訪れる。290年、フォワはコンクの隣町アジャン(Agen)の裕福な家庭に生まれ、異教徒であった両親に内緒で、聖コプレ(Saint Coprais)によって洗礼を受けた。303年、キリスト教徒が迫害に遭い、改宗を拒んだフォワは首を落とされた。サント=フォワ教会(la Basilique de Sainte Foy d’Agen)は、その場所に建てられ、聖フォワの遺体も埋葬された。9世紀半ばになって、コンクのベネドィクト会修道院は危機を迎える。そのため、2人の修道者が聖フォワの聖遺物を目当てにアジャンのサント=フォワ教会まで出向き、10年間信仰を修めた後、墓を壊し聖フォワの聖遺物をコンクに持ち帰った。以来コンクでは奇跡が次々に起きたといわれている。11世紀、コンクを訪れた際に自ら奇跡を体験したアンジェ司教ベルナール(Bernard d’Angers)は、シャルトル司教フルベール(l’Evêque Fulbert)に手紙を託し、やがて本となった。11世紀半ばには、コンクにサント=フォワ教会が建てられ、巡礼者が多く訪れるようになった。フランス革命時に住民によって保護された教会の財宝、ヨーロッパで5本の指に入る中世の金銀細工品のコレクションや、ピエール・スラージュ(Pierre Soulages)が1997年に修復したステンドグラスも見ものである。

Conques Office de Tourisme
Le Bourg 12320 Conques
www.conques.fr
TEL : 0820 820 803
アクセス:パリ、モンパルナス駅からTGVで7時間。空路は、パリ、オルリー空港からロデス空港まで約1時間+コンクまでバスで1時間

サント=テレーズ大聖堂
Basilique Sainte-Thérèse

サント=テレーズ大聖堂
下)丘の中腹に建てられた聖テレーズ大聖堂。
カルメ ル会修道院の納骨堂は、聖テレーズの聖遺物がある
上下ともに ©J.P. Pattier

ノルマンデイー地方ドーヴィルから28キロ内陸へ入った所にある町リジュー。盲目だったエディット・ピアフ(Edith Piaf)は、6歳になる前にこの町にあるサント=テレーズの墓を巡拝して目が見えるようになり、生涯聖テレーズを熱烈に崇拝した。聖テレーズことテレーズ・マルタン (Thhérèse Martin)は、1873年ノルマンディーのアランソン(Alençon)で生まれ、4歳で母を亡くして以来リジューに暮らした。父に連れられ地元の教会(Cathédrale Saint Pierre de Lisieux)へ通っているうちに、彼女は天職の啓示を受けたといわれている。10歳の時に聖母マリアの微笑みを見て持病が治ってから、カルメル会修道女になり、神への祈りと慈善事業に献身した。結核を患い24歳の若さで他界した後、テレーズが書き留めた自伝「魂の話」は、60カ国語に翻訳され世界で読まれている。1927年、聖テレーズは聖列に加えられ、当時のローマ法王(Pape Pie XI)の要望で1929年にサント=テレーズ大聖堂は建築された。4500m2、ドームの高さ93メートルの20世紀を代表する、大きな教会のひとつである。教会の壁と地下礼拝堂はモザイクで覆われ、テレーズのメッセージを映し出している。

Office de Tourisme Lisieux Pays d’Auge
11, rue d’Alençon BP 26020 - 14106 Lisieux cedex
TEL :  02 31 48 18 10
www.lisieux-tourisme.com
アクセス : パリ、サン・ラザール駅からリジュー駅まで電車で1時間40分

ロカマドール・ノートル=ダム礼拝堂
Notre-Dame de Rocamadour

ロカマドール・ノートル=ダム礼拝堂
68センチの木製彫刻黒い聖母マリア像を保護するため
13世紀には教会の下に城が築かれた
©La Maison du Tourisme de Rocamadour, Padirac, Gramat

ミディー・ピレネー地方、北アルズー渓谷の断崖絶壁、自然公園を見下ろすように作られた町ロカマドールでは、黒い聖母マリア像が崇拝されている。10世紀以前ロカマドールに住みついた隠修士が聖母マリア像を信仰したことから始まった。ロカマドールの地名は、聖母教会から聖アマド ゥー(Saint Amadou)の遺体が発見されたことに由来する。7つの教会と礼拝堂の建築が進み、1172年、黒いマリア像の起こした126の奇跡が本になってからは、ロカマドールに多くの巡礼者が訪れるようになった。船乗りを保護する黒いマリアは、しだいにスペイン・ポルトガル・カナダでも信仰されるようになった。またマリア像は、芸術家にもインスピレーションを与えている。ビクトル・ユーゴー(Victor Hugo)はロカマドールで得た感動を書き残し、フランシス・プーランク(Francis Poulenc)は何度もロカマドールを訪れ黒いマリアに捧げる曲を作った。現在ロカマドールには年間百万人が足を運ぶ。巡礼者は階段を1段ごとにひざまずき祈りながら216段の階段を上り、ノートル=ダム礼拝堂の黒いマリア像を崇め、黒いマリアの描かれたアーモンド形のメダルを持ち帰る。聖母マリアの「黒い色」の真相は未だに謎である。

Office du Tourisme de Rocamadour Padirac Gramat
L’Hospitalet 46500 Rocamadour
www.rocamadour.com
TEL : 05 65 33 22 00
アクセス : パリ、オステリッツ駅からロカマドール・パディラック駅まで電車で5時間半

聖マリー=マドレーヌ大聖堂
Basilique Sainte-Marie-Madeleine

聖マリー=マドレーヌ大聖堂
聖マリー=マドレーヌ教会は19世紀建築家
Violletle-Ducによって修復された。
内陣にある12本の柱は、最後の晩餐をキリストと過ごした
12人の使徒を象徴する
上)©Office de tourisme Vézelay 下)©Office de tourisme Vezelay

ブルゴーニュ地方モンバン山地の北側、ブドウ畑を見晴らす丘の上に作られた町ヴェズレー。第三次十字軍遠征の出発点ともなったこの聖なる地には、多くの巡礼者が聖マリー=マドレーヌを崇拝に訪れる。マリー=マドレーヌは1世紀、エルサレムの裕福な家庭に生まれた。売春婦だった彼女はキリストに出会い悔い改めて、その敬虔な態度により多くのキリスト教徒に認められた。キリストが磔刑(はりつけ)に処された後、彼女は聖人や信者たちと船でエルサレムを脱出し、マルセイユへたどり着いた。そこで、キリストの教えを伝え住人を次々に改宗し、不妊の女性に子供を授ける奇跡をもおこした。晩年は、プロヴァンスの聖ボーム(la sainte Baume)の洞窟に引きこもり、神へ祈りをささげながら生涯を閉じた。882年、バディロン修道士は子宝に恵まれなかったブルゴーニュ公ジラール・ド・ルシヨン(Girard de Roussillon)の要望で、聖マリー=マドレーヌの聖遺物をベズレーに運んだとされる。以来ヴェズレーには度重なる奇跡が起こり、絶え間なく巡礼者が訪れた。聖マリー=マドレーヌ大聖堂は太陽の年周期を考慮して861年に建てられ、日の光を絶やさない光の教会といわれている。1979年ユネスコ世界遺産に登録された。

Office de Tourisme de Vézelay
Rue Saint-Etienne 89450 Vézelay
www.vezelaytourisme.com
TEL : 03 86 33 23 69
アクセス : パリ、リヨン駅からモンバール駅までTGVで1時間+バス40分(7、8月は送迎バス運行)


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