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フランスニュースダイジェスト
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lun 21 mai 2012

シラク元大統領のメッセージ - ジャック・シラク元仏大統領から「フランスニュースダイジェスト」読者の皆様へメッセージが届きました。

Propos de JACQUES CHIRAC
au journal France News Digest

13/12/2010

Je n'ai jamais fait mystère de l'affection, de l'estime, de l'admiration que j'ai pour le Japon et les Japonais.

Une estime, une admiration nourries par la vieille culture de ce pays, par sa capacité à se renouveler, à créer de nouvelles tendances.

Confrontée à des crises sérieuses, la communauté internationale a beaucoup à apprendre du Japon qui a su devenir une puissance économique et financière de premier plan, sans jamais abandonner son modèle de solidarité sociale, la fidélité à sa culture ou sa relation ancestrale à la nature.

Le sens de l'équilibre entre l'homme et la nature, ancré au plus profond de votre civilisation et de votre histoire, l'éthique de la solidarité, ciment de votre société, voilà en effet quelques unes des valeurs qui peuvent inspirer la quête d'une nouvelle philosophie du progrès dont notre époque a tant besoin.

C'est au Japon, en 2000, qu'est né le Fonds mondial de lutte contre le Sida, la tuberculose et le paludisme. C'est au Japon encore que la communauté internationale s'est enfin rassemblée pour tenter de lutter contre le réchauffement climatique.

En 2030, notre planète comptera 7 milliards d'habitants, dont 5 milliards vivront en ville. Trouver les conditions d'un développement qui soit durable est le défi le plus important que notre monde doive relever. Nous devons garantir les droits, aujourd'hui menacés, des générations futures.

Ces sujets sont au cœur de l'action de la fondation que j'ai créée pour continuer mon combat en faveur de la paix et du développement. Son action se concentre sur l'accès à des médicaments de qualité, l'accès à l'eau, la lutte contre la déforestation et la désertification, enfin la sauvegarde des langues et cultures menacées. Ce sont quatre sujets qui touchent directement la sécurité des hommes et des sociétés, quatre sujets qui conditionnent la paix.

Je serais heureux que ma fondation noue au Japon des partenariats. Le Japon a en effet une conscience aiguë des enjeux et montre souvent la voie en matière d'environnement ou de solidarité comme l'ont encore montré récemment l'organisation de la TICAD IV ou celle de la réunion des amis du Fonds mondial.

Jacques CHIRAC

ジャック・シラクから
フランスニュースダイジェストの皆様へ

2010年12月13日

日本、そして日本人に対する愛情や尊敬の念、感嘆の思いを表さずにはいられません。

尊敬の念、そして感嘆とは、この国における古い文化、また新たな傾向を生み出し、新境地を切り開くことのできる力へ対する思いです。

自国の文化や先祖代々続く自然との関係を守りながら、社会の連帯における既存のモデルを決して放棄することなく、一流の金融・経済大国になる術を心得る日本から、厳しい危機に直面している国際的共同体が学ぶことは数多くあります。

日本人の文明や歴史の最も深いところに根差す人間と自然間とのバランス感覚、連帯の倫理、社会の絆。これらは現代、強く必要とされている進歩のための新しい哲学の模索へと向かわせることのできる価値あるものです。

2000年、世界基金(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)が提唱されたのは日本でした。地球温暖化に立ち向かうための枠組みが締結されたのも日本です。

2030年には、地球上の人口は70 億人に達し、そのうち50億人が都市で生活すると予想されています。永続的な発展のための条件を見出すことは、我々のこの世界が成すべき最も重要な挑戦です。今日脅かされている、次世代へと続く権利を、我々は保護しなければなりません。

前述したこれらの主題は、平和と発展のための戦いを続けるため設立したシラク財団の中心的活動です。財団は、良質な医薬品へのアクセス、水へのアクセス、森林破壊や砂漠化への対策、絶滅の危機にさらされている言語や文化の保護に専心しています。これら4つは、人間や社会の安全に直接かかわり、平和の条件となるものです。

シラク財団が日本とパートナーシップを結ぶことができたらうれしく思います。事実、日本は問題の核心に対する鋭い意識を持ち、近年、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)や世界基金の会合で見られたように、環境や連帯への道を頻繁に示す国であるのです。

ジャック・シラク

シラク氏と日本

シラク氏の親日、知日ぶりは知られており、特に美術、歴史などの分野に造詣が深い。青年時代にギメ美術館で出会った日本美術に開眼。美術だけでなく、文学などさまざまな日本文化に熱中した。日本美術協会により設立された文化芸術分野 におけるノーベル賞的存在である高松宮殿下記念世界文化賞においては長年審査員を務め、現在は名誉顧問でもある。歴史分野では、特に江戸時代に詳しく、「根付」(印籠などのさげ物のひもを帯に留める留め具)の収集家でもある。

パリ市長時代には、当時の東京都知事、鈴木俊一氏の招きで定期的に日本を訪れ、交流した。1995年に大相撲パリ公演を実現したほどの相撲ファンでもあり、愛犬にはスモウと名付けている。

日本への渡航はこれまで50回以上におよび、2009年に出版された回想録「Mémoires, Chaque pas doit être un but」(NIL)の中では「日本ではまるで自宅にいるようにくつろぐ」と記している。

ジャック・シラク(Jacques Chirac)
1932年11月29日、パリ生まれ。54年にパリ政治学院、59年にはフランス国立行政学院(ENA)を卒業。56年にベルナデット=ショドロン・ド・クルセルさんと結婚、後に2女をもうける。59~62年、会計検査官(国家公務員)を務め、67年には国会 議員選挙にコレーズ県より出馬して初当選、ポンピドー内閣の下、社会問題相として初入閣も果たす。72年に農業相、74年に内務大臣をそれぞれ務めた後、74年首相に就任。77~95年パリ市長を務め、その間、86年に再び首相の座に返り咲く。95年フランス 共和国大統領に就任、2007年5月16日まで2期にわたり大統領を務める。07年、持続的開発と文化間対話を目的にシラク財団を設立。現在は同財団の理事長として精力的に活動を行っている。

La Fondation Chirac
1980年代後半から懸念され始めた、地球の平和と生き残りにとっての重大な3つの危機、「文化の画一化」、「環境の破壊」、「貧困問題」に立ち向かうべく設立された。衛生的な飲料水や良質な薬品を供給し、森林や文化と言語の多様性を保護するための活動を行う。また、持続的開発と文化間対話に多大な貢献をした人物にシラク財団賞を毎年授与している。

www.fondationchirac.eu

フランス人が見た日本

ある晩のカルチエラタン。予約を取らないブラッスリーで、フランス人4名のテーブルに合い席した。彼らがデザートを食べ終わる頃、そのうちの1人の女性が話し掛けてきた。「どちらのご出身ですか?」。古希をとっくに過ぎていると思われるその女性は、1960年代に東京でフランス語のテレビ番組を半年間担当したという。スターの華やかさとチャーミングさをしつらえる彼女は、日本で体験した数々の思い出を紡ぎ、「日本は素晴らしい国だわ」と微笑んだ。

20~30年前であれば、到底ありえなかった光景だろう。筆者は、人差し指で両目をつり上げて「シノワーズ!(中国人)」と言う子供たちに囲まれて育った。日本人女性の伏し目を「美しい」ととらえる時代が到来するとは、想像しなかった。後にも、中国の中に日本が存在していると思っていた友達がいた。「フランス人とイタリア人は同じ国民なの?」と尋ねると、真っ赤になって怒っていたことを今でも思い出す。

文化の奥深さ

時代がたどる道程は大きい。生活という実体験の中で育まれる文化とそれに対する人々の関心は著しい変化を成す。インターネットの普及により、リアルタイムで異文化を垣間見ることが可能な情報社会では、時差を問わずコアな情報を一早く入手できてしまう。商品の購入も容易になった。「どこでもドア」がモニター越しに存在する。

日本の文学、映画、料理、芸術などを日本人以上に探求するフランス人も珍しくはない。日本人として恥をかく場面に、海外在住の日本人は遭遇したことがあるだろう。フランスのことをフランス人以上に知る日本人が存在するのと同様に。

以前は、日本を象徴する言葉として、「ゲイシャ」「サムライ」「ハラキリ」などの具像的な言葉の引用が多かった。昨今では、「カワイイ」という形容詞が、フランスでもアートやファッション業界の用語として使用される。さらに、落語や狂言など、“笑いのツボ”に触れる表現にまで、日本語は介入している。

昨年、べルサイユ宮殿で開催された「Murakami Versailles」展は、記憶に鮮明だ。アートを1つのブランドにした日本人作家、村上隆をフランスの相伝文化遺産に迎え入れた。追記すべきは、彼の才能を早期に見出した1人に、フランス人の画廊エマニュエル・ペロタンがいたことだ。年月を掛けて才能を信じ、理解する努力を惜しまない姿勢は、フランス人から学ぶべき業である。

建具職人
建具職人 斉藤氏の工房にて

独特の品や風情

今回はあえて、明日の社会人を輩出する教育の現場で日本に携わるフランス人に尋ねてみた。

「日本人のモノの見せ方には、独特な品や風情があります。我々も見習いたいものです」と言うステファン・L氏は、フランスで日本語を習得した後に、日本で生活した経験を持つ。現在はマルセイユのオノレ・ドミエ高校で日本語専任講師を務める。

「会議になるとフランス人はとにかく話したがり、意図が外れてしまうこともしばしばですが、日本人には管理能力が備わっています」と、ビジネスの現場においては差異の方が多いことを暗示させながらも、両国における共通の関心事として、「“食べる”こと」を指摘する。

昨今、日本の食文化について、フランス人の目を介した取材や細部にわたる関心内容がさまざまなフランスメディアに現れる。寿司や刺身だけではない、郷土料理や家庭料理、昆布やカツオだし汁、「うまみ」についても紹介されるようになった。食材や調理方法にこだわる点が共感を呼ぶのであろう。

現実逃避を可能に

高校生たちに日本を理解してもらおうと、ステファン氏はどのような努力をしているのだろうか。

「日本文化には洗練された美が宿り、それは日常生活にも深く根付いています」と言うステファン氏は、具体的な手法として、写真や映像を頻繁に使う。10代の学生たちは、未知の世界である日本に引きつけられるという。「エキゾチックを求める彼らは、そこから見えてくる日本がいかにモダンでありながら伝統を重んじる国であるのかを認識していくのです」。フランスの高校生にとって「今日のように問題の多い社会に生きながら、現実逃避を可能にしてくれる」夢の国、日本。その好奇心から理解が始まり、未来の相互交流が生まれる。

最後に、「フランスと日本はどちらも、文化の深さを追及し敬う国です。共感し合える仲であることは間違いないです。2つの考え方を融合させていくことでまだ、多くの可能性を導いていかれるでしょう」と語った。

集団の絆

パリ国立造形美術大学ブール校デザイン科の教授アントワンヌ・F氏は、2年前より大学3年生のクラスを引率して、日本でデザイン・ワークショップを実践している。

「フランスが権利を主張する国だとすれば、日本は義務を重視する国でしょう。個人の主張よりも、社会、団体、家族と帰属する環境を重んじます」と、両国の違いを指摘する彼は、日本を訪れたフランス人の視点の変化についても語ってくれた。

「フランス人は、偏ったイメージから日本を理解する傾向にあります。けれど、実際に日本を訪れてみると、集団の中の個人の在り方というものを認識するのです。日本がサービス社会であり続けるのも、まずは相手を尊重するから。いかに、フランス人が感情をあらわにし、エゴを主張できる環境にいるのか、フランスに戻ると実感します」と、自国を批判する言葉も添えた。

持続性

日本でのワークショップでは、生徒だけでなくアントワンヌ氏自身も学ぶところが多いという。

「生徒たちとモノづくりの現場を介して実感することは、日本の道具やモノは、造形を優先して考えられているのではなく、機能と使い勝手を重んじていること。だから、一切の無駄がないのです。日本では、すべてのモノは空間や適材の環境にきちんと納まるように考慮されています。まるで、日常生活も儀式であるかのように。使い捨て商品が増加している昨今ですが、日本のモノづくりには持続性が宿っており、特に欧州のデザイナーには大きなキーワードでしょう」

そして、「両国共自国の価値を尊重する点が、唯一の共通項のように思えます」と結んだ。

江戸扇子工芸
江戸扇子工芸 松井氏の工房にて

アイデンティティーを持ち合わせるからこそ、相手への関心も高まる。コミュニケーションを介して、相手の国民性や文化、風習を学ぶ。時間だけが、偏見や戯画的な見解を払拭することはできないかもしれない。明日の若者たちは、どんな視点から相手国をとらえていくのか、気になるところだ。

(Texte et photo : Kaoru Urata)

 

*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

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