合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供の数)が2を超え、今や世界中から羨望の的のフランス。下降していた出生率も1995年ごろから回復し、EU圏内で第2位にまで上昇。50年後にはEU一、人口の多い国になるとまで言われている。かたや少子化がとまらず、たまらず女性を「産む機械」よばわりする大臣まで登場するニッポン。2005年には合計特殊出生率が1.26と過去最低をマーク。このままいくと100年後には人口が今の半分になるとまで噂されている。両国の違いは何なのか。その背景には出産・子育てに関する姿勢の違いが見えてくる。(Texte par : Kazushi TAKEUCHI et Hisae MOISSON)
女性が働きやすいフランス
フランスで少子化対策がとられたのは、第一次世界大戦前。当時、ドイツの台頭に危機感を募らせていたフランスの首脳陣は、人口の増加こそが国力であることを痛感する。70年代には女性の仕事、出産や育児を考慮した新しい法律(「男女平等賃金法」、「妊娠を理由とする採用拒否などの禁止法」、「育児休業法」など)が次々に立案される。80年代に入ってからも育児休業手当てを導入するなど、政府は積極的に家族政策を打ち出す。このころになると「子供を持つ女性が働きやすい環境をつくることで、国も企業も発展する」という考えが国や会社に定着し、その結果、ベビーブームが到来。現在では働く女性の約8割が子供を産み育てている。
日本の少子化対策
一方、日本はというと1990年になって初めて少子化が話題に上る。きっかけは1989年の人口動態統計で合計特殊出生率が1.57まで落ち込んだこと。日本政府は具体的な対策として保育サービスの充実を目的にした「エンゼルプラン」(1994)、雇用、母子保健・相談、教育等の事業も加わった「新エンゼルプラン」(1999)などを策定した。 そして2003年に総合的な少子化対策を目的にした「少子化社会対策基本法」の成立を迎える。
遅れた日本
以上からわかることは、フランスに比べて日本の少子化対策があまりにも遅きに失したことだ。人口減少は先進国の間で同時期に始まった。すぐに対策を講じたフランスでは、国全体にその成果が行き渡っている。しかし迅速な行動を取れなかった日本では、いまだ具体的な成果は表れていない。
日本の女性向けビジネス誌の調査によると、働く女性の多くが子供を産むことに不安を持っているという。中でも「仕事と育児の両立が困難」というのがダントツの理由だ。例えば両国の育児・出産制度を比較してみると、少子化対策の進んだ国と遅れた国の違いは明らかであり、働く女性が子育てに積極的になれないのもよくわかる(表参照)。
高度経済に浮かれ、先の世を読み切れなかったニッポン。その代償はあまりにも大きい。
子育ては現場に聞け!
在仏日本人が体験したフランスの子育て事情
真実は現場が一番よく知っているはず。しかも、両国の事情を知っている人ならなおさらだ。そこで、実際にフランスで子育てを経験した日仏カップルに話を聞いてみた。
産まれた後も男女
「フランスで子育てをして良かったのは、子供が生まれた後も夫婦は夫婦として存在できることです」こう話すのはフランス人女性と結婚したカメラマンのカズヒロさん。「日本では、子供が生まれると夫婦の関係はなくなります。男女ではなく親として存在し続けなければなりません。この社会的な重圧が日本の少子化の一因ではないかと私は考えます」。彼は20代のときに、一度日本人の女性と結婚している。しかし、仕事を持つ当時の夫人は出産に消極的だったという。また、以前勤めていた会社は、「子育て」など口にするのもはばかれるような空気があった。1年ほど休暇をとって子育てを望んでいた彼には、日本の社会が息苦しく感じた。そして6年前、パリに移住。現在6歳になる男の子がいる。子育ては大変だが、週末はベビーシッターに頼んで夫婦だけで息抜きをすることも欠かさない。
土曜日は子育てしない日
こんな意見もある。「うちの場合、夫が早く家に帰ってくれるので助かります」そう話すのは子育て事情に詳しい「bisou famille」編集長の江草由香さんだ。「子育てというものは体力的にも、精神的にもとてもハード。日々溜まるストレスとの戦いです。しかし、うちはフランス人の夫が毎日6時半に帰宅してくれます。そして、子供をお風呂に入れたり、食事の支度もしてくれます」。日本ではこんなに早く帰る夫はほとんどいない。さらに「土曜日は夫が子供を見る日と決まっています。だから、この日ばかりは子育てから解放され、 仕事(執筆業)に没頭したり、カフェで自分の時間を楽しんだ り。この決まりのおかげで、子育てが嫌になったことはありません」。フランスでは週35時間労働法の影響で時間にゆとりが持てる。さらに夫にも育児休暇が認められいる。子育ての負担がすべて妻にかかってしまう日本に比べて、フランスでは多くの男性が積極的に子育てに参加し妻を支える。
フランスは女性が生きやすい
江草さんはこう続ける「日仏の子育て事情を比較してみると、フランスの方がやはり女性にやさしいと思います。なぜなら、子供をたくさん産みたい人、子育てと仕事を両立させたい人、産みたくない人、それぞれが生きやすい社会があるからです。日本の場合は、産んだら専業主婦、産まなければ白い目で見られるのどちらかしかない。これでは女性も産みたくないですよ。せめて、たくさん欲しい人には思いっきり産ませてあげる制度が必要です。反対に産みたくない人はそのままでいい。今の女性たちが子供を作りたがらないのは、暗黙のメッセージだと私は思っています。だから、政府は女性たちに無理に産ませようとするのはやめ、彼女たちのメッセージをしっかり受け止め、そして真意を読み取らなければなりません。そうして初めて日本は産める社会になると思います」。日本の政治家の耳に届けたい話である。
| 「出産の4大不安」日本のある女性雑誌のデータより | |
| 1位 | 仕事と育児の両立が困難 夫の収入が少ないなど。 |
| 2位 | 安心して産めない世情 税金、世界情勢など社会に希望がもてない。 |
| 3位 | 自分の時間がなくなる 自分に磨きをかけないと、競争社会で生きてゆけないなど。 |
| 4位 | 経済的に苦しくなる 子供1人育てるのに1300万円かかるなど。 |
働く女性に聞きました「なぜ日本は少子化に?」
| 「この人の子どもを産みたい!という欲求がないのかも」(26歳・出版) |
| 「出産する女性に対する社会的バックアップ体制が乏しい」(29歳・デザイナー) |
| 「最近はメディアの影響で、子供を持たない働く女性が、逆にかっこいいと見られている」(25歳・事務) |
| 「先駆者がいない!だから将来のヴィジョンが持てない」(28歳・派遣) |
| 「大学を出て、就職して仕事が面白くなってきたと思ったら適齢期。キャリアを手放したくない」(26歳・広告) |
| 「今はまだ産まないけど、みんないつかは子どもが欲しいと思っているはず」(27歳・アルバイト) |
実は、ちょっと気になる・・・・・・
フランスの子育て事情
これまで、いかにフランスの出産・育児制度が優れているかを見てきた。しかし、さすがのフランスといえども、不安要素がないわけではない。制度という土台部分はしっかりしているが、細かい箇所をつっつくと、 日本人的感覚で言わせてもらうと、気になる点がちらほら見えてきて・・・・・・。
薬依存ぎみのフランス人?
「2002年、フランス人の約25%が精神安定剤または抗うつ剤を服用したことがある」とフランス健康保険公庫 (CNAM)が発表したのは記憶に新しい(フランスニュー ス日本語配信サイト「KSM」より)。ヨーロッパ各国と比べてみてもその消費量は、ダントツに高いと言われている。なかでも特に女性による服用率がきわめて高い。男性が約17%にとどまっている一方で、女性は30%を超えるとされる。しかし、薬といっても様々で、寝付きが悪い人のための睡眠薬もあれば、単にリラックスするための、言ってみればアロマテラピーの一種と考えられるものなど幅広い(元々フランスはアロマやエステの先進国)。 だから、一概にフランス人が薬に依存しているとは言えない。だが、ちょっと気になる・・・・・・。
低い母乳育児率
フランスの母乳保育率(母乳で育てること)は先進国の中でも低いことで有名だ。日本では12ヵ月位から卒乳が始まるが、フランスでは産後3カ月頃に大半が人工乳(ミルク)中心になる。それでも近年は母乳育児が増えているという。「フランスで母乳保育が受け入れられるようになったのはごく最近のことです」とパリ在住のジャーナリスト羽生さん。「これまでは『胸の形が悪くなるから』という理由で、母乳育児を早期に切り上げてしまうのが当たり前でした。子供の発育において、母乳保育が大切なことは他の先進国では今や常識です。しかし、この国では我が子よりも自分の体型を大切にする傾向があり、病院側も平気で母乳を止める薬を支給するのです。確かに、制度面では先進国なのかもしれません。でも子育て自体のレベルは少し低いと言わざるをえません」。もちろん、母乳育児を続けることは並大抵のことではない。「時間が取られる」、「肌のトラブル」、「卒乳の難しさ」といったデメリットがふりかかってくる。それにしてもである。個人の生活が一番なのはわかるが、ちょっと気になる・・・・・・。
親バカ気分で「子供服」選び
やっぱり子供ってかわいい!
育児の悩みや少子化問題はつきないが、肩の力を抜くことも大切だ。時には親バカになってみるのも悪くない。そこでパリで人気の子供服の店を紹介。なんだかんだ言っても「子供ってかわいいよね!」に落ち着くのである。
毎日使える子供服が魅力の店
デュ・パレイユ・オ・メム Du pareil au même


シャトレ駅から歩いてすぐの場所にある「デュ・パレイユ・オ・メム」。かわいい子供服はもちろん、色落ちしない丈夫な洋服が揃うと評判の店だ。アイテム自体は3つのシリーズから構成されている。まずは「赤ちゃん(0~2歳)」を対象にしたラインから紹介。色使いの豊かな子供の世界をイメージしたもので、用途に合わせていろんなタイプがある。赤ちゃんの敏感な肌を気遣ったBIOのラインも用意されているのはうれしい。続いて「子供(2~14歳)」を対象にしたライン。クラシックなデザインと色使いが特徴で女の子用だけでなく、男の子用の服も豊富に揃っている。毎日の生活で使いやすいものが見つかるはず。最後に「子供靴」ライン。シャトレ店の2階には靴専用のコーナーが設けられており、子供の成長に合わせて大小さまざまなサイズが揃っている。デザインもキュートなものから、スポーティなものまで幅が広い。
アイテムの充実さもさることながら、サービスも優れている。まず「スタッフがやさしい」ということ。フランスでは珍しい丁寧な接客だ。さらに商品を購入後、レシートがあれば「1カ月以内」なら交換も可能。
とにかく、総合的に見てバランスのとれた店なのだ。

スペイン生まれのバギー。新生児から4歳くらい(18kgまで)まで使える多機能タイプ。ワンタッチで取り外しができるベビーシート付き。注目したいのは「大きめのタイヤ」。街でも田舎でもスイスイ。溝にはまって危険!なんてことがなくなる。2色展開。615€。
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デュ・パレイユ・オ・メム Du pareil au même |
| 1, rue Saint Denis 75001 Paris | |
| TEL : 01 42 36 07 57 | |
| M : Châtelet ①③④⑦⑭ | |
| 営業時間: 月~土10:00-19:00 休: 日・祝 | |
| www.dpam.com(フランス語・英語) | |
| www.dpamjapan.com(日本語) |
個性的なパジャマが見つかる店
マルー Maloup


「シンプルで良質、かつ茶目っ気がある子供服」がコンセプトの「マルー」は、2003年に2人のフレンチ・ママによって作られたお店だ。扱う子供服はコットン素材のパジャマがほとんど。 デザインもひとつひとつ個性があって、見ていて思わずうっとりする。いかにもハイソなマダムが通う、そんな店なのだ。

デザインいろいろパジャマ!
デザインのディテールにこだわった、いかに も女の子らしいアイテムが勢揃い。刺繍はす べて手作業によるもの。暖かみがある子供服 を見ていると「子育てって結構楽しい!」と 思えてくる。対象0~14歳。27€~。
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マルー Maloup |
| 19, rue Las Cases 75007 Paris | |
| TEL : 01 45 56 07 58 | |
| M : Solférino ⑫ | |
| 営業時間: 月~土10:00-19:00 休: 日・祝(※8月は3週間休業) |
ポップ! お手頃プライス!
ベリーズベリー Berry's Berry


日本に80店舗展開する「ベリーズベリー」。ポップなデザイン、日本製、コットン100%の高品質にもかかわらず、かなりリーズナブルなお値段。その評判を聞いてパリのマダム達も通い詰めているらしい。アイテムはすべて限定品。月に2回も新作が入荷するうえ、日本人スタッフの親切な対応もうれしい。
★ポイントカード★
20ポイントごとに、かわいいアイテムがもらえるうれしい サービス。シーズンによって内容はいろいろ。
モンスター シリーズマダム達の間で密かなブームになっている人気シリーズ。デザイン性の高いプリント柄と洋服からバッグまで、シリーズで集めたくなるライン。長靴17€、リュック15€、冷温バッグ(小)7€。
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ベリーズベリー Berry's Berry |
| 13, rue des Quatre-Vents 75006 Paris | |
| TEL : 01 40 46 99 20 | |
| M : Odéon ④⑩ | |
| 営業時間:月~土11:00-19:00 休:日・祝 |












